OOPS! - Music Community | ウープス・ミュージック・コミュニティ

J-POPからコアな洋楽まで。リスナーによるリスナーのための音楽サイト


特集・コラム
今週の5,6枚

特集・コラム Powered By Movable Type

THE HORRORS、WU LYFほか、久保憲司が選ぶ6枚

2011/07/13

Text:久保憲司

 音楽業界はヤバいと言われてますが、毎日、毎日、若い人のいい音楽は届けられてくる。音楽シーンはこんなにおもしろいのに、どこがヤバいの? 俺が食えないだけでしょうって感じです。どうせ食えないんだから、バンドとかやったらおもしろそうかな、と思ってしまう自分が恐いです。46歳のオッサンがどんな音楽やっても、オヤジ・バンドにしか見えなさそうなのが辛いです。しかも、やりたい音楽がボン・イヴェールとかじゃなくて、ジョイ・ディヴィジョンみたいな音楽というのが問題です。さらに、30年以上ずっと、新しいバンドが出てくる度に「こんな風にやるんか、かっこいいな。じゃ、俺はこんな風にやろうかな」なんて考えてしまう自分がヤバいと思います。だから毎日「バイトし、バイト」と自分に言い聞かせているんですが、今日もまた新しいバンドを聴いてしまうヤバい毎日です。

1. THE HORRORS『Skying』(発売中)
『Skying』収録“Still Life”PV

 ホラーズの3枚目。前作での壊れる寸前のヤバさがなくなったのは残念だけど、キーボードというか、エレクトロニックな要素の取り入れ方が完璧になってます。気持ちいいです。こんな音楽作れたらいいなと、研究しようと思ってます。リード曲の“Still Life”なんか初期シンプル・マインズみたいでかっこいいです。新しいエレクトロな感じですよね。チープなネオ・サイケなヴィジュアルもかっこいいです。チェックして見てください。こんな写真撮りたいなと思いました。

2. SIMPLE MINDS『Sons And Fascination』(発売中)
『Sons And Fascination』収録“In Trance As Mission”

 ホラーズの新作は初期シンプル・マインズとかに影響されているのかなと思ったので、久々に聴いたらむちゃくちゃよかったです。もうちょっとソフトかなと思っていたんですけど、結構ゴリゴリの音でびっくりしました。もっとプログレだったような気がしていたんですけど、けっこうニューウェイヴというか、ポスト・パンクな音だったことにもびっくり。1曲目の“In Trance As Mission”とかいまパクりどころだと思うのですが、どうでしょう。

3. WU LYF『Go Tell Fire To The Mountain』(発売中)
『Go Tell Fire To The Mountain』収録“Dirt”PV

 WU LYF(World Unite Lucifer Youth Foundation)、ルシファーって(笑)。ヤバいすよね。全員テロリストのように顔を隠しているのもヤバい。マーク・スチュアートのポップ・グループを思い出しました。なんか過激な政治性を出そうとしているんでしょう。こういうことをするのに批判的な意見を言う人が多いですが、僕は好きです。若いうちは何でもやったらいいんじゃないでしょうか。“Dirt”は曲もいいんですけど、PVが凄くいいんです。なんか泣けてきます。みんな戦おうぜって感じでしょうか。

4. ICEAGE『New Brigade』(発売中)
“New Brigade”PV

 デンマークの10代のバンド。まだハードコア・パンクの感じも残っているんですが、ジョイ・ディヴィジョンな感じが凄くいいです。ダムドな感じが残っていたジョイ・ディヴィジョンの前身バンド、ワルシャワみたいなものでしょうか。でも、若さが生む面白いアイデアが一杯な感じが凄くいいです。この子たちも、PVでは顔をマスクで覆っていますが、政治的というよりも、ノルウェイの人を殺したブラック・メタルみたいな感じ。そこがUKとは違うところでしょうか。でも、ハッパ吸ってバカやっている感じは嫌いじゃないです。

5. TYLER, THE CREATOR『Goblin』(海外盤:発売中、国内盤:7月27日発売)
『Goblin』収録“Yonkers”日本語字幕付きPV

 ついにヒップホップもここまで来たかという感じ。ウータン・クランだろうがジェイZだろうが、すべての黒人アーティストには「俺たち被害者だからね」という免罪符みたいなものがあったと思うんですけど、ついに、黒人も白人と同じように罪人なんだよという真実を突きつけるアーティストが出てきました。PVでの最後の首つりシーンというのはまさに、「みんな死ね、俺も死ぬから」という強いメッセージ。そして、そこから始めるんだよ。マザーファッカーという強い意志、かっこいいす。

6. PUBLIC ENEMY『Yo Bum Rush the Show』(発売中)
『Yo Bum Rush the Show』収録“Public Enemy No. 1”

 タイラー・ザ・クリエイター聴いていたら、パブリック・エネミー聴きたくなりました。普通は2枚目『It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back』なんでしょうけど、僕はこの一枚目が好き。「諸悪の根源は白人だ」と言い切ったプロフェッサー・グリフがかっこいい。ハマったな。これを聴いて、2枚目の冒頭のあの歓声が録られたブリクストン・アカデミーのライヴを観に行った。暴動寸前みたいなライヴでむちゃくちゃよかった。N.W.Aも同じ場所で観たけど、この日のパブリック・エネミーみたいにはならなかった。革命のようなライヴでした。

久保憲司
昭和39年9月9日大阪に生まれる。1982年渡英。音楽雑誌「NME」などで写真を撮る。1987年帰国。「ロッキング・オン」などの雑誌で写真を撮らせてもらったり、原稿を書かせてもらったりしています。
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. THE HORRORS『Skying』
2. SIMPLE MINDS『Sons And Fascination』
3. WU LYF『Go Tell Fire To The Mountain』
4. ICEAGE『New Brigade』
5. TYLER, THE CREATOR『Goblin』
6. PUBLIC ENEMY『Yo Bum Rush the Show』

今週の5,6枚 の最新記事

友達にメールで教える


Sponsored Link

特集・コラム コンテンツ