No.179 新品で買いたい6枚
2010/07/20 | タグ:KOR=GIRL LOVES. Mizca PRINCETON Schloder
時間があれば知らない町のブックオフや古本屋を回ったり、ネットで中古品をチマチマ買ったりと、お恥ずかしながら完全に自分は中古依存人間なわけですが、こないだ何かの記事で載ってた〈嫌いな男のタイプ〉みたいなのに、〈中古ばっか買う奴〉って書いてあってこれオレのことじゃん!と思い落ち込み反省しました。確かに、500円の文庫本を350円で買って喜んでいる自分って何なんだろう?って思うし、作者には印税は入らないし、こんな貧乏くさいことばかりやってると精神が貧しくなりますよね。わかってるんです、わかってるんですが……。というわけで、これからはできるだけ新品で買おうと思います!という誓いを込めて(たぶん守れないけど)、今回の6枚です。
■もう男なんていらない!な2枚
1. KOR=GIRL『KOR=GIRL I』(7月21日発売)まず最初は、Aira MitsukiやSaori@destinyを擁するデートピア所属で、それら2人を手掛けたプロデューサーのTerukadoと、楽器メーカーのKORGがシンクロし送り出す女性2人組ユニット、KOR=GIRLのデビュー作です。ルックスから想像するに、チボ・マットやHALCALIみたいなヘタウマ風味なのかなーと思ったら、これがすごい完成度で音数も多く、シーケンサーの教則本についてくるサンプルCDみたいなテクニカルな演奏にキュートで気怠い女性ヴォーカルが乗る。シンセ・ドラムがサウンドの核っていうのも新しいし、ミュージシャン受けも良さそうです。発売前にオフィシャルサイトで全曲無料配布して話題になってましたが、それも自信があってのことでしょう。歌っている映像が少ないのもミステリアスだし、今後も時代をリードする存在になり得そうな気がします。
2. LOVES.『JM』(7月28日発売)日暮愛葉が率いるスーパー・バンド、LOVES.の2年ぶり3枚目のアルバム『JM』です。前作『NOW IS THE TIME!』が打ち込みを多く取り入れるなど、やや実験的だったのに対して、今作では原点回帰とでも言いましょうか。自分の一番得意なサウンドを開き直って作ったかのような快作です。投げやりでクールな愛葉節のメロディーと、治安の悪い裏通りから聴こえるような不穏なサウンドとの絶妙なる融合。90年代オルタナ・カルチャーを通ってきた人たちの身体に心地よく響くのはもちろんですが、この気持ちよさは世代を超えた不変性があると思うので、特に若い人に聴いてほしいですね。本場アメリカのオルタナ女史たちが次々と前線を退いているなかで、この現役感は本当にリスペクトしたく思います。
■ズブズブとのめりこみたい2枚
3. PRINCETON『Cocoon Of Love』(海外盤:発売中、国内盤:7月28日発売)続きまして、デプレシエーション・ギルドやチェアリフト、グリズリー・ベアやノーザン・ステートらのおもしろグループを次々と輩出する〈Kanine Records〉からのニュー・カマー、4人組、プリンストンが昨年発売したアルバム『Cocoon Of Love』の日本盤です。彼らはアーサー・ラッセル、セルジュ・ゲンズブール、ニュー・オーダーやジルベルト・ジルなどからの影響を公言している通り、サウンドはナイーヴかつトロピカル、そして繊細で牧歌的。低音のネオアコ風ヴォーカルを含めて、全体的に地味でクセはないんだけど、そのぶん飽きが来なさそう。久々に腰を落ち着けてじっくり聴きたいなあと思わせてくれるバンドです。ドラムズ辺りのファンにオススメしたいと同時に、もうちょい上の世代の人も気に入るはず。短編映画みたいなPVもセンスを感じさせるので、ぜひご視聴のほどを。
4. Various Artists『Zankyo Tracks Of Shoegazing』(7月28日発売)続いては〈洋邦楽混合シューゲイザー〉をテーマにしたコンピ盤『Zankyo Tracks Of Shoegazing』です。本作はよくあるネクスト・ブレイク候補をまとめたコンピとは違い、Luminous Orange、COALTAR OF THE DEEPERSなどの重鎮から、ビットクラッシュ、ライツ・アウト・エイジアなどのインスト洋楽勢、マイブラへの愛を隠さないギター、誠実そうな日本語の歌詞が耳に残るAntelope、舌足らずの女性ヴォーカルが可愛いtexas pandaa、ラストを綺麗に締めるte'などなど、世界中のライヴハウスを騒がしている8組が集結。ホワイト・ノイズ一辺倒だけでなく、まるでクラシックのような美しい展開の楽曲もあり、シューゲイザーの動の部分から静の部分までを堪能できる一枚です。
■タレント性のある2組
5. Mizca『UFUFU』(7月21日発売)エレクトロ・シーンに突如現れたニュー・アイコン、Mizcaのデビュー・アルバム『UFUFU』です。この人は携帯やマイクをキラキラに飾って〈デコ・クイーン〉と呼ばれたり、初回限定盤に生キスを施したトレーディング・カードを1万枚も入れたり、今回が3度目のメジャー・デビューとなかなかの苦労人だったりと、そのキャラクターに注目が集まりがちですが、音楽的にも破壊力がありますよね。早口でテンポよく歌われる歌詞とやたらアゲアゲなアレンジで歌われるキャッチーなメロディーは一度聴いたら頭から離れないし、特に本気だか冗談だかわからないラップとの掛け合い曲“たっくんが好きなの…”には大笑いしました。この下世話なユーモアというか、わかりやすい感じに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、確実に聴いた人の人生に爪痕を残すアルバムかと思います。
6. Schloder『C mental graffiti』(8月4日発売)そしてラストは、神戸を中心に活動するポップ・バンド、Schloderのミニ・アルバム『C mental graffiti』です。あまり前情報がなかったものでまずはルックスの印象から、神聖かまってちゃんや、あるいはサカナクションみたいな感じを想像していたのですが、大きく外れました。前のめりな8ビートの高速ニューウェイヴ・パンク・サウンドに乗る英語詞。アニソンとパンクの融合と本人たちも語っている通り、メロディーもどえらくキャッチーなアメリカン・ロック調で、インパクトがあるかと思います。ナゴム周辺とかPOLYSICSとかが好きな人にも好かれるかもしれませんね。なかなか気になるバンドです。
いかがでしたか? これら全作品を新品で買うとけっこうな額になるかもしれませんが、それくらい思い切りがいいと周りからの評価も上がるはず! ではまた次回に!
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です





























