No.156 効率の良い6枚
2010/02/04 | タグ:HOT CHIP MASSIVE ATTACK ZZ PRODUCTION 冨田ラボ 木村カエラ
先日、ダウンベストをなんとはなしに初購入してみたんですが、いや~あったかいもんですね。袖がないんじゃ寒かろうと思い込んでたのですが、実際に身に付けてみて、肝要な部分だけを包むことで効率よく保温するという、ハイレヴェルな防寒着なのだと思い知らされました。なんだか、着ているだけで頭が良くなった気分! せいぜい春の訪れまで着倒して「知的な男はベストだぜ!」と能天気に街を闊歩したいと思います。というわけで今回は効率の良い6枚をご紹介します。
■J-POPの注目モノ
1. 木村カエラ『5years』(発売中)年末の〈紅白歌合戦〉出場で“Butterfly”の人気が再燃し、ますますの知名度を獲得した感のある木村カエラ。彼女が初のベスト・アルバム『5years』をリリースしました。デビュー曲“Level42”から“BANZAI”までの全シングル曲に、前述の “Butterfly”と未発表の新曲“You bet!!”を加えた17曲を収録。初回盤のみ封入されるDisc-2は、RIP SLYMEのILMARIを迎えた“ミラクル☆BANZAI”や、くるりのカヴァー“言葉はさんかくこころは四角”、石野卓球が手掛けた「ちびまる子ちゃん」のオープニング曲“おどるポンポコリン”など、コラボ曲やカヴァー曲などをまとめたものになってます。注目すべきは、やはり新曲“You bet!!”。ちょっと東京事変を思わせる性急感たっぷりのキラー・チューンに仕上がっており素晴らしいです。この曲だけのために買うのも全然アリしょう!
2. 冨田ラボ『Shipahead』(発売中)続いてはプロデューサー/アレンジャーとして名を馳せる冨田恵一のソロ・プロジェクト、冨田ラボ。昨年より再始動し、3枚のシングルを発表してましたが、4年ぶりのフル・アルバムがついに到着です。今回の参加シンガーは、佐野元春に一十三十一、安藤裕子に吉田美奈子……といった具合で、過去2作以上にバラエティーに富んだ人選がなされております。冨田印としか言いようのない、ウェルメイドなシティーポップの上で踊る、各ヴォーカルの肌触りの違いが、実に楽しい。“横顔”では自身のジェントルなヴォーカルも披露してますよ。
■ポッセ~コンピ作品
3. ZZ PRODUCTION『ZZ』(発売中)サイプレス上野とロベルト吉野や、STERUSSらが在籍する横浜/藤沢のヒップホップ集団、ZZ PRODUCTION。彼らがクルーとして初のアルバム『ZZ』を発表しました。STERUSSのKAZZ-Kが全体のプロデュースを担っていることもあり、彼の持つ掘師ならではのグルーヴ感に裏打ちされた、しごく真っ当にヒップホップイズムを感じさせる一枚となっております。とは言え、謎みっちゃんが異形のフロウをカマしていたり、デス・レイヴなラヴ・アフェアー賛歌“SEX ON THE BEACH”が紛れ込んでいたりといった歪んだセンスも随所に見られ、そこがまたいかにも彼ららしい。ポッセカットの“ZZ BBQ”漲る、クルーならではのザワザワした感じが良いですねえ。
4. V.A.『KUMARU EXPO 2010』(発売中)SHABUSHABUと真保☆タイディスコという、それぞれがビザールなビート・ミュージックを紡ぐ鬼才二人(かつ、ご夫婦です)が主宰するKUMARU RECORDS。同レーベルのコンピレーション『KUMARU EXPO 2010』が発売となりました。二人が様々な名義で参加しているほか、neco眠るのBIOMANやOORUTAICHI、そして素性のわからぬ新人(?)もちらほら。一言では括りにくいフリーフォームな音楽が並んでいるわけですが、ダブステップや世界各地のゲットー・ミュージックに通じるエレクトロ・ビート、アジア土着の音楽を思わせるメロディー、すっとぼけたヴォーカルといった要素を孕んだトラックが多い……でしょうか。80年代後半の国産インディー盤のような趣きのジャケ含め、謎いっぱいにしてフレッシュな作品です。
■海外の重要盤
5. HOT CHIP『One Life Stand』(発売中)ドリーミーなエレポップを鳴らし、いまや不動の人気を誇る5人組、ホット・チップ。彼らの2年ぶり4作目となる新作『One Life Stand』が登場です。今回は全編で初期の歌ものシカゴ・ハウスを思わせるサウンドがフィーチャーされており、誤解を恐れずに言うならば、ゲイ的センスに満ち満ちた一枚。官能的で淫靡でクレイジーなエレクトロニック・ダンス・ミュージックの応酬に悶絶です。またどれも普通に良い曲ですしね。いやあ、彼らはホント外さないですな。最高!
6. MASSIVE ATTACK『Heligoland』(国内盤:発売中、海外盤:2月9日発売予定)ラストはマッシヴ・アタック、実に7年ぶりとなるニュー・アルバム『Heligoland』をご紹介。お馴染みのホレス・アンディをはじめ、ブラーのデーモン・アルバーンやTVオン・ザ・レディオのトゥンデ・アデビンペといったヴォーカル陣を楽曲ごとにフィーチャーし、もはやお家芸と言える美しくも陰鬱な音世界を展開しております。ホープ・サンドヴァルとの“Paradise Circus”や、マルティナ・トップリー・バードを迎えた“Psyche”といった女性ヴォーカル曲ではフォーキーなアプローチを見せており、全体にほのかに漂うサイケな香りも含め、一昨年に発表されたポーティスヘッドの3作目『Third』に通ずるところの多い作品に感じました。〈ブリストル〉という括り方がいまも有効なのかはわかりませんが、両者が時にシンクロしながら、いまもなお現役で傑作を作り続けているというのは興味深いですね。こんなところで、また来週です。ではでは。
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