No.152 2010年のスタート・ダッシュを決めるための6枚
2009/12/30 | タグ:BETA PANAMA DANTON EEPROM DERRICK MAY ELECTRIC EGYPT JUAN ATKINS LINDSTROM & CHRISTABELLE
年越し直前ですが、いや~この時期はさすがにリリースが少ないですね。やむを得ず、今回は発売日が結構先のものが多くなってしまいましたがご容赦くださいませ。クラブ・ミュージックに絞ったラインナップでお送りします。2010年のスタート・ダッシュを決めるための6枚でございます。
■ポップに開けた2枚
1. LINDSTROM & CHRISTABELLE『Real Life Is No Cool』(1月6日発売)まずは北欧のディスコ・ダブ貴公子、リンドストロムの新作から。今回は女性ヴォーカリストのクリスタベルを全編でフィーチャーしており、非常にキャッチーな一枚となっております。彼のトレードマークであるバレアリックな電化ディスコを基調としながらも、真っ当なポップ・ミュージックとして成立し得ているのは、ひとえに彼のソングライティング・センスあってのものなのでしょう。ほんと、良い曲書くな―!と思ってしまいます。早くも登場した2010年ベスト候補? 時代性関係なしに、いつでも聴けそうな傑作です。
2. DANTON EEPROM『Yes Is More』(1月25日発売)続いては、REKIDSからのリリースなどで知られるテック・ハウス界の俊英、ダントン・イープロムのデビュー・アルバム『Yes Is More』。親交の深いレディオ・スレイヴに比肩するクレイジーなサウンドでもって、好事家からの人気を獲得してきた彼ですが、本作は、生音やヴォーカルも交えながらポップな手触りも備えたアルバムに仕上げております。ま、中盤にはひたすらにドープなミニマル・ジャーニーが待ち構えてるわけですが。シスター・スレッジ“Lost In Music”の淫靡&キラキラなカヴァーも収録!
■注目のニュー・カマー
3. ELECTRIC EGYPT『Impressions Of The Inexpressible Invisible』(1月20日発売)お次は名前からして気になるエレクトリック・エジプトのデビュー・アルバム『Impressions Of The Inexpressible Invisible』。もともとはMySpace上で配信されていたものが、リマスターを施して正規リリースです。J・ディラを思わせるファットなビートとサンプリング、ガムラン風のエキゾなパーカッションに様々なフィールド・レコーディング、サン・ラばりのフリーキーな電子音にダビーな音響処理といった諸要素が交錯し、なんとも掴みどころがない、それでいて壮大な音絵巻が展開されております。無理矢理に一言でまとめるなら……サイケ?
4. BETA PANAMA『FLOAT ON』(1月13日発売)フリーのMP3だけを使ったDJミックスや、やけのはらとのユニット=MP2での活動などでアンダーグラウンドなダンス界隈の衆目を集めてきたBETA PANAMAが待望のオリジナル・アルバムを発表します。サンプリングを巧みに使ったサウンドには猥雑で人懐っこい肌触りがあり、全編にただよう呑気ですっとぼけた空気感と相まってすごく心地良い。特に、やけのはらのラップをフィーチャ―した“OUTDOORS”は抜きん出てポップな印象です。この“OUTDOORS”のTraks Boysによるリミックスも収録されており、こちらもカラフルなエレポップに仕上がっていて素晴らしいですよ。
■デトロイト・テクノのスターたち
5. JUAN ATKINS『20 Years Metroplex 1985-2005』 (1月16日発売)デトロイト・テクノのオリジネイターとして知られるホアン・アトキンス。2005年にリリースされた彼のベスト・アルバム『20 Years Metroplex 1985-2005』が日本盤仕様で再リリースされることになりました。処女作“Alleys Of Your Mind”や“Clear”“Nightdrive(Thru Babylon)”といったエレクトロ・チューンや、“Ocean To Ocean”“Wanna Be There”のようなエレガントを極めたデトロイト・テクノ、いち早くミニマル・テクノにアプローチした“Game One”など、彼が様々な名義で発表してきたクラシックの数々をCD2枚組で収録。個人的な青春の名曲が多かったもので、聴きながら懐かしさに感涙。かつ、いま改めて聴いてみて実に新鮮でした。一家に一枚!と言いきってしまいたい作品です。
6. DERRICK MAY『Heart Beat Presents Mixed By Derrick May』(1月20日発売)ラストは言わずもがなのカリスマ、デリック・メイによるオフィシャル・ミックスCD『Heart Beat Presents Mixed By Derrick May』をご紹介。前作が、宇宙服に身を包んだデリックのジャケ・イラストも衝撃的な97年作『MIX-UP Vol.5』ですから、なんと13年ぶりのミックスCDということになります。トライバルなグルーヴ感を持ったトラックをグイグイと力技で混ぜ合わせていく展開は、まさに御大ならでは。昨今のシーンを席巻するテッキーなミニマルものはあまり使われず、むしろディープ・ハウスが多用されている辺りも彼らしく、また興味深いところです。そんなところで今回はおしまい。皆様よいお年を!
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です




























