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No.151 贈って貰って嬉しい6枚

2009/12/21 | タグ:

Text:高橋 聡太

 お歳暮、お年賀、お年玉、そして忘れちゃいけないクリスマス。何かとモノを贈ったり贈っていただいたりすることの多い季節がやってまいりました。家族友人恋人などなど親しい人ならともかく、それほど接する機会のない方に進物品を贈るとなると、けっこうチョイスが大変でして、定石通りにビールやハムを贈っても意外にハコがかさばって大変だったり、かといって商品券では現金すぎたり。なので、ここはあえてCDを贈ってみるというのはいかかでしょうか。普段あまりCDを買わない人にとってはけっこう新鮮なはずですし、盤のチョイスでこちらの思いも伝わるし、そういう文化があればもっと音楽が身近になるんじゃないかなあ、という気がいたします。今回はそんな年末ギフトにぴったりな6枚をご紹介。

■誰もが楽しめるオールマイティな名曲カヴァー集2枚

1. Various Artists『Mellow Disney -R&B Revisited-』(発売中)
古内東子“Reflection”

 まずはこちら、邦楽R&Bシーンの代表的なシンガーたちがディズニー映画の名曲の数々を甘くほろ苦いアレンジで歌いあげる珠玉のコンピをご紹介。名プロデューサー松尾潔をブレーンにして、男性陣には平井堅、東方神起、三浦大知、女性陣には古内東子、青山テルマ、MiChiなどなど、鉄壁のラインナップを揃えております。人選だけでなく選曲もまた絶妙。“A Whole New World”や“星に願いを”のようにメロディをちょっと耳にしただけで誰もが映画のワンシーンを思い出せるような古典的な有名曲だけでなく、「トイストーリー」や「ヘラクレス」のような比較的新しい作品のちょっとマイナーな佳曲もバランスよく収録されているため、おなじみの楽曲を起点にしつつ新しい楽曲にも出会えるという、理想的なコンピの醍醐味を味わえます。作品全体に満ちたタイトル通りのメロウなトーンはクリスマス・シーズンにもずっぱまりですので、ぜひ旬な季節の音をお楽しみいただきたいです!

2. 布袋寅泰『MODERN TIMES ROCK'N'ROLL』(12月23日発売)
『MODERN TIMES ROCK'N'ROLL』CM映像

 コンセプチュアルなカヴァー作品をもう1枚。ギター・ヒーロー布袋寅泰が、ロックンロールの古典を文字通り〈MODERN〉なプレイで紐解く野心的なアルバムをリリースします。ギター小僧にとっては避けて通れぬチャック・ベリーの“Johnny B Good”やステッペン・ウルフの“Born To Be Wild”など、ややもすれば滑りかねないド定番も、ビシッと筋の通った骨太な演奏を軸としつつも、テクニックに頼らない短音リフやサンプリングを随所で駆使して斬新かつ豪快にぶった斬っており、頼もしいことこのうえなし。ギターはもちろんのこと、熱く歌いあげられる名フレーズの数々にも血がたぎります。個人的なイチオシは、クラフトワークの“The Model”。このチョイスはアルバム全体の文脈からちょっとずれているのでは……と思いましたが、ビッグ・ブラックなんかもカヴァーしたあの名リフをヴェンチャーズ風のデケデケとしたサーフ風にアレンジされていて、目からウロコが落ちるようでした。

■新しもの好きも一発KOできる中堅どころの2枚

3. BIFFY CLYRO『Only Revolution』(海外盤:発売中、日本盤:12月23日発売)
ビッフィ・クライロ“Only Revolution”PV

 ヘヴィメタルからフォークまで、あらゆる〈ロック〉を縦横無尽に往来するグラスゴー出身の大型3ピース、ビッフィ・クライロが最新作でまたしても大脱皮。ベックの父親である音楽家デヴィッド・キャンベルが手がけたオーケストラの扇情的なサウンドを大胆不敵にフィーチャーしつつも、それでいて楽曲はプログレッシヴに突っ走ることなく、むしろ〈ヴァース/コーラス/インプロ〉というロック&ポップの構成要素がより明確に打ち出された印象。リフもメロディーもこれまで以上にくっきりと響いてきます。曲ごとにガラッと色合いを変えてくる引き出しの多さも尋常ではないのですが、かといってその一曲一曲を特定のジャンルに押し込めて語れるわけでもない。さらに、これだけ常ならぬ性質をはらみながらも、作品トータルとしては紛れもない王道ロックの風格が感じられます。ものすごくつかみがあるのに、肝心のつかみどころがどこにあるのか分からず、これは一体何なんだ……と思いつつアルバムのジャケもう一度手にしてみたところ、そこには〈Only Revolution(革命あるのみ)〉というタイトルが冠されており、ぐうの音も出なくなりました。文句なしにかっこいいです。一か月遅れて発売される日本盤には、前作『Puzzle』との中間点を垣間見られるような3曲をボーナストラックとして収録。コアなファンの方は必聴です!

4. エイプリルズ『BACK TO THE FUTURE MUSIC』(2010年1月6日発売)
エイプリルズ“ステンレスガール”PV

 ネオ渋谷系の筆頭である男女ツイン・ヴォーカルによるポップ・ユニット、エイプリルズが、前作『SPACE DREAM BATHROOM』より実に4年ぶりとなるフル・アルバムをリリース。結成当初からコズミックなエレクトロ・ポップをトレードマークとしていた彼らですが、初音ミク(コラボ済)やPerfume(パロディ済)を経たこの4年を通じて時代がぴったりエイプリルズにマッチしてきたのか、ものすごく前向きでキラキラとしたヴァイブに満ちた仕上がりになっております。オートチューン使いや確信犯的にB級なシンセも、それ自体は今や特に珍しいものではなくなりましたが、音の一つ一つに長年のライヴ活動を通じて確かなキャリアを積んできた彼女たちにしか出しえない説得力が満ちており、世にごまんといるパッと出のフューチャー・ポップ勢をなぎ払わんばかりのクオリティー。上モノにばかり目がいきがちなこのジャンルにありながら、ひねったビートとベースラインが立ちまくりなのもキモかと。歌モノとしてサラッと楽しめちゃうのに、じっくり細部を聴きこんでもちゃんと発見がある。そんなポップの理想像が結実した、とことんハッピーな一枚。

■ガンコ一徹な音楽ファンもうならせる2枚

5. ソウル・フラワー・ユニオン“アクア・ヴィテ”(2010年1月1日発売)

 続いては、ソウル・フラワー・ユニオンが2010年1月1日元旦にリリースするおめでたいマキシ・シングルに注目です。シングルと言いつつ、たっぷり全9曲が収録されておりまして、タイトル・ナンバーの“アクア・ヴィテ”に始まり、忌野清志郎の“僕の好きな先生”とマイケル・ジャクソンの“Human Nature”という2つの追悼カヴァー、曽我部恵一が手がけた“閃光花火”のダブ・ミックス版、他にもリミックスやライヴ音源などなど、とにかく中身はとことんぎっしり。新しい10年の幕開けを飾るにふさわしい作品となっております。年末年始ならではのお祭り感をさらにブーストさせたい方にもうってつけかと!

6. 在日ファンク『在日ファンク』(2010年1月6日発売)
在日ファンク“きず”PV

 ジェームス・ブラウンは生きていた! しかもここ日本で!……と叫ばずにはいられないほどのオーセンティックな純ファンク・バンド、在日ファンクが満を持してCDデビューします。同日にアルバムをリリースするNewdayをはじめとして、様々なフィールドでマルチに活躍するSAKEROCKのハマケンこと浜野謙太が、ここではJBのスピリットとシンクロして驚異のパフォーマンスを披露。〈ファンキー〉以外の形容詞がのっかることを許さないJB独特の歌いまわしをかなりの完成度で再現しつつ、そこに日本語詩をのっけてしまうという冒険にまで出ているのですが、空耳的に楽しめる(例:Give me some more→神様 など)一方で、オモシロを超えた〈和〉の情緒もとめどなくあふれており、見事に暴挙を快挙たらしめています。もちろんハマケンを中心として巻き起こるバンドのグルーヴも極上。絶対にライヴを観ておきたいバンドであります。たった一つだけ欲を言えば、JBの命日である12月25日にリリースしてほしかったです! というわけで、間もなく没後3周年を迎える天国のJBに思いをはせつつ、今週はお別れです。グッゴッ!

●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. Various Artists『Mellow Disney -R&B Revisited-』
2. 布袋寅泰『MODERN TIMES ROCK'N'ROLL』
3. BIFFY CLYRO『Only Revolution』
4. エイプリルズ『BACK TO THE FUTURE MUSIC』
5. ソウル・フラワー・ユニオン“アクア・ヴィテ”
6. 在日ファンク『在日ファンク』

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