No.122 夏にしたいことをかなえるための6枚
2009/05/19 | タグ:24-tow four- autokratz DJ Mits The Beats SKYFISH カジヒデキ 中村まり
ゴールデン・ウィークは皆さんいかが過ごされたのでしょうか? 自分は、江ノ島にある楽園のようなクラブ件飲み屋件カレー屋さん、OPPA-LAに行って参りました。いやー、あそこはいいですね。朝の4時頃にじわじわと広がるオーシャン・ヴューと素敵な音楽。何度も行きたいんだけど、遠いから行けないことがまた価値を高めているような気がいたします。夏にもう1度くらいはまた訪れたいです。というわけで、今週は夏にしたいことをかなえるための6枚と題してお送りいたします。
■ポップセンスが炸裂する邦2作
1. 24-tow four-『CITY TALK』(6月10日発売)まずは、名古屋のストリートから表れた4人組、24-tow four-のファースト・フル・アルバム『CITY TALK』から。アンサンブル重視のひねたアレンジと、ストレートでちょい不器用なヴォーカル、サーフ系っぽい緩急つけたギター・フレーズと、さり気にファンキーなベースライン……、若者特有の青さと成熟がアンビバレントに同居している感じがすごくいい! ライヴでの盛り上がりもしっかり考えて曲作りをしている点もニクイ。んー、フェス後には知名度上がってるんじゃないでしょうか。ライヴが見てみたいです。
2. カジヒデキ“BLUE BOYS DON'T CRY e.p.”(5月20日発売)お次は、プロモ撮影中に強盗に会ったことが〈パイナップル事件〉としてネットで妙に話題になってしまったカジヒデキ。本作でも、パブリック・イメージとしての〈カジさん〉はキープしつつも、近年の彼のモードであるアナログ・シンセを多用した曲が並びます。子供のコーラスを取り入れ、マスカットならぬパイナップルのように甘酸っぱい“Passion Fruits”、シンセ・ベースがブリブリ響く爽やかエレ・ポップ“The Sweetest Love”など夏向きの楽曲が並びます。なかでも注目すべきは、ヘアカット100“Favourite Shits(boy meets girl)”のカヴァーでありましょう。フリッパーズ・ギターもカヴァーしたこの曲を今再びカヴァー&更新してみせる姿勢が素晴らしい。かつてのギタポ好きオヤジは全員この曲を聴いて、彼のテンションの高さからなにかを学ぶべきです。
■混合音楽洋邦2作
3. autokratz『Animal』(6月3日発売)〈Kitsune一押しのロッキン・エレクトロ・ユニット〉がこちら、オートクラッツ。メロディー重視のユニットとのことで、ニュー・オーダーなんかと比較される存在なんだとか。確かに“Bizarre Love Triangle”を思い起こさせるような泣きメロ+ブリーピーなベース音の楽曲が多く並んでおります。最近、エレクトロの冠が付いた作品が一気に出すぎて把握できなくなってきているおっさんとしては、比較的わかりやすい部類ではあるんですが……やっぱこれもいろいろあるエレクトロのひとつ、という印象はあるかも。プライマル・スクリーム“Swastika Eyes”のカヴァーや、80kidzによるリミックスなど、日本人好みの仕掛けも用意されております。
4. SKYFISH『RAW PRICE MUSIC』(5月23日発売)うむー、これはかっこいい。RUMIのライヴDJやプロデューサーとして活動してきたSKYFISHの初フル・アルバム『RAW PRICE MUSIC』 は、辺境のダンス・ミュージックを東京で作り上げたらどこの国にもない音楽になった、そういう印象の作品であります。鎮座DOPENESS、ZEN-LA-ROCK、漢、RUMIといった、個性の強いメンツが集まりながらも作品として一本筋が通っている理由は、彼のトラック・メイキングの特異さを物語っているような気がいたします。グライムやアブストラクトといった、ぼんやりした言葉で捕まえられてしまいそうな本作ですが、ジャンルから漏れるオモシロさが詰まっているのではないかと。うさん臭い。でもクセになるアルバムです。
■いろんな種類の黒さを味わえる邦2作
5. 中村まり『Beneath The Buttermilk Sky』(6月10日発売)ガラッと趣向を変えまして、今度はアコースティック作を。日本のシンガー・ソングライター、中村まり4年ぶりのアルバム『Beneath The Buttermilk Sky』であります。この方のライヴを3回ほど見たことがあるんですが、ものすごい存在感を発揮しておりました。ブルージーで、アーシーで、なによりギターが上手い。日本人がルーツ・ミュージックをやると、どうしてもコスプレになってしまうんですが、彼女はそこから正攻法で脱しようとしているように見えます。本作でも、真っ向から歌に対峙する緊張感がビリビリと伝わってくるのでした。潔く、男前な1枚です。YouTubeの動画に対する反応は、海外からの絶賛が飛び交っておりまして、そのコメントを読むとなんだか感動してしまうのでした。
6. DJ Mitsu The Beats『A WORD TO THE WISE』(5月27日発売)ラストはまたまたクラブ方面に戻りまして、Mitsu The Beats6年ぶりのオリジナル・アルバム『A Word To The Wise』を。黒くてメロウで洒脱な音楽。ものすごく簡単に言うとエロい! 中盤に並ぶソウル色の強い楽曲にクラクラする女子は多数発生するのではないでしょうか。うわー、ズルいけどイイ! 格好よろしすぎる。マークド・クライヴ・ロウが参加した漆黒ブロークン・ファンク、ホセ・ジェイムスが参加したスローなソウルなど、たまらん楽曲が並んでおります。恐らく誰も言及しなそうなんで言っておきたいのが、ジミー・スミス&ウェス・モンゴメリーではなく韓国の大衆ヒップホップ・ユニット、ダイナミック・デュオが参加していること。(おそらく)ビースティに憧れてラップをスタートし、ディスコを取り込んで独自のブラック・ミュージックを形成した彼らを招いたことの真意はわかりかねますが、日本では欧米ばかり向いてアジアのヒップホップに目を向ける気配があまりない中でこれは凄いことなんじゃないかと一人興奮しております。や、韓国のラップを取り入れて違和感なく聴かせるってすごくないですか? 掘る感覚を正しくキープしている感じがしませんか?それともみんな知ってました? って、細かいところに興奮しすぎて本質を見落としてますか? あ、そうですか。すみません……。反省したところで、今週はこの辺で。
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です





























