No.114 柔らかくなる6枚
2009/03/18 | タグ:DJ Deckstream nhhmbase Phoenix Sex Pistols
冬の間はライヴに足が向かない。というのはここ数年の自分の傾向でありまして、なんか寒すぎて一旦自分をやる気にさせないと外に出られないのです。ただの老化なんだと思うんですが、体が硬化しており、柔らかくしないと外に出られないような気がするというか……。今回は、そんな硬質な体をほぐし、外に飛び出したくなるような、柔らかくなる6枚を紹介させていただきます。
■日本発ワールドワイドなコンピ2作
1. V.A.『P・T・A! ~ピストルズ・トリビュート・アンセム~』(3月25日発売)まずは、甲本ヒロト、後藤まりこ(ミドリ) 、te'、曽我部恵一、毛皮のマリーズらが参加した豪華ピストルズ・コンピ『P・T・A! ~ピストルズ・トリビュート・アンセム~』から。本作は、シド・ヴィシャス没後30年を記念したトリビュートであります。「まあ、こういう感じだよね」と思えるストレートなカヴァーから、リスナーを思いっきり裏切るものまで全12曲を収録。それぞれのアーティストの、ピストルズに対する思いが感じられるのが楽しいです。なかでも、曽我部恵一のチルなハウス・カヴァー、Dr.kyOn&Black Bottom Brass Band featuring 甲本ヒロトのニュー・オリンズ・ファンク寄りな日本語カヴァー、Bloodest Saxophoneによる呪術的ジャズ・ファンクあたりが特に面白かったです。
2. V.A.『SONGS FOR TIBET FROM JAPAN』(3月25日発売)スティングやアンダーワールドらが参加し、チベット救済を訴えたベネフィット・コンピ『SONGS FOR TIBET』。日本からも同じコンセプトでアーティストたちが集結したコンピがリリースされます。本作は、Hi-STANDARD難波章浩氏が発起人となり、あふりらんぽ、CUBISMO GRAFICO、コーネリアス、大沢伸一、THA BLUE HERB、細野晴臣らが参加した豪華作。既発曲が多く、内容はかなり散漫としておりますが、チベット問題を考えるきっかけの手助けの1つにはなるのではないでしょうか。本作の売り上げの一部は、ダライ・ラマによる平和推進活動を基盤とした事業支援に当てられるそうなので、チベット問題にご興味がある方はぜひ手に取っていただければと。
■ロックの心を取り戻すための2作
3. V.A.『Kitsune Tabloid Selected By Phoenix』(4月2日発売)またもやコンピを。こちらは、パリ在住のクリエイター集団、〈Kitsune〉の新コンピ『Kitsune Tabloid』第2弾であります。今回のセレクターは、フェニックス。キッス、レッド・クレイヨラ、コステロ、サーティーンス・フロア・エレヴェーターズからディアンジェロまで。なんとも節操がなく、カルトすぎず、ラフで妙にブルージーな選曲なのでした。んー、Kitsuneと関係ないし、全く踊れないのですが、友達のテープを聴いているような親近感が沸いてくるコンピです。オールドスクールなロックが、今の感覚では〈外し〉のセンスということなのかもしれませんが、フェニックスはどの曲も本当に好きなはず。ラストのルー・リードを聴いて、大学時代に地方の古道具屋で買ったこの曲が入ったアナログを未だに持っていることをふと思い出しました。今日帰って聴いてみたいと思います。
4. V.A.『SCI-FI LO-FI 3』(3月18日発売)上のアルバムに引き続き泣ける! 『SCI-FI LO-FI 3』はアラフォー・ロック・オヤジの涙腺を崩壊させるコンピであります。シューゲイズ・クロニクルと銘打たれた作品でして、ジザメリ、ペイル・セインツ、ライド、ラッシュといったオリジナル・シューゲイザー勢はもちろん、ボーズ・オブ・カナダ、ウルリッヒ・シュナウス、M83といったテクノ~エレクトロ系まで抑えた誰もが納得の内容。シューゲイザーのドリーミーな一面に焦点を当てた選曲でして、寝ながら聴いても泣けるたまらん1枚であります。ラストにさり気なく入っている、ディーン・ウェアハム(元ルナ、元ギャラクシー500)とその奥さんのユニットの“White Horses”がまた泣けます。
■ジャンルは違えどとんがった邦2作
5. DJ Deckstream『Music Castle』(3月18日発売)TERIYAKI BOYZ、HOME MADE 家族といったメジャーどころからマイナー作まで、数々のいい仕事を残してきたリミキサー/トラック・メイカー、DJ Deckstreamのメロウ・カヴァー集『Music Castle』です。ピアノを基調としたメロウ&スムース・トラックが1枚通して続く快楽コンピであります。トト“Georgy Porgy”、スティーヴィー“Don't You Worry Bout A Thing”、カーティス“Tripping Out”あたりのスタンダードな選曲はもちろん、ミスター・ビッグ“To Be With You”、ガンズ“Sweet Child O' Mine”あたりのオシャレとはかけ離れた楽曲をサラリと聴かせる手腕はお見事。ラストに入ってるマルコム・マクラレン“World Famous”のスクラッチ&ピアノ・メロディーが妙にオリジナルに忠実なところに愛を感じました。いい曲。
6. nhhmbase『ALIVE AT THE WALL』(3月18日発売)昨年一杯で、オリジナル・メンバーとしての活動を終了したnhhmbase(ネハンベース)。彼らが台湾で行ったラスト・ライヴの様子を収めたライヴ盤『ALIVE AT THE WALL』がリリースされます(余談ですが、先日台湾に行ったら彼らのCDが試聴機に入ってました)。決してミックスがいいとは言えませんが、1曲のなかで性急に変わるビートとメロディー、ヴォーカルの痙攣スレスレのテンションが伝わってくる内容であります。彼らの魅力はライヴだったとずっと思っていた自分としては、こうしてライヴ盤がリリースされるのは嬉しいのですが、メンバー離脱はやはり残念。今後はソロ・ユニットとして活動していくとのことで、そちらも応援していきたいと思います。ちなみに、ラスト曲はピストルズ“Anarchy In The UK”の独自解釈すぎるカヴァー。こちらの1枚目で紹介したトリビュートと聴き比べるのもまた一興かと。
といった感じで今週はお開き。また来週~。
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です





























