No.112 酩酊大臣のお酒の肴にぴったりな6枚
2009/03/02 | タグ:MONICA URANGLASS SCANDAL たむらぱん ヒダリ ビイドロ 髭
ちょっと前のネタですが、中川大臣の酔っぱらい会見、最高でしたね。なんて書いちゃうと不謹慎な奴め!と怒られてしまいそうですが、あんなに涙を流すほど笑ったニュースは久しぶりで、非常に明るい気分になりました。みなさん「醜態をさらした」とか「日本の恥」だとか言ってるけど、海外の人たちのコメントでは「日本人も同じ人間なんだな」とか「親しみが湧いた」というものも多く、一部の層には日本人のイメージを上げたのではないかと勝手に思っています。こんなこと書いてばかりいると本当に売国奴め!と怒られてしまうのでこの辺で自重しますが、要はカッコつけてばかりいないで、恥かくことを恐れずにどんどん思い切ったアクションをとっていこうぜ!という内容の6枚でございます。
■日本は全然捨てたもんじゃない!な2枚
1. ヒダリ『ワインとチョコレート』(3月4日発売)
ヤバいの出てきちゃいました。今回一番最初に皆様のお手元にお届けしたい一枚です。〈ギター・ロック meets テクノ・ポップ〉とも言うべき独自の音楽性が話題を呼んでいる神戸発の3ピース・バンド、ヒダリのニュー・アルバム『ワインとチョコレート』。〈ヒダリ〉というバンド名だけでクセモノ感バリバリですが、内容はそれ以上に過激です。ファミコン的チープなピコピコ音とまろやかなギター・サウンドが緻密に絡み合って、一聴したところオシャレなもの好きな人が好みそうなキュートでカラフルなポップ・ミュージックに聴こえるのに、その奥底にあるのはイビツな狂気と断固とした反骨精神。メガネ、ノッポ、アメリカ人というキャラ分けも漫画っぽくて、とんでもなくキャッチーな存在だと思います。こういうバンドが出て来ると、日本って面白い国だなあと改めて思います。
2. ビイドロ『冗談の王様』(3月6日発売)
続いてはこちらも日本が誇るインディ・ポップの雄。密やかに一部のコアな層に絶大な人気を博しているビイドロの『冗談の王様』です。ヴォーカル&ギターの青柳崇さんは前身バンドを観た時からただ者じゃないと思ってましたが、ここまでとは。はずれっぱなチューニングと隙間だらけの音、人肌のぬくもりと孤独の果てにあるユーモア。日本の社会は優しすぎて恵まれすぎてて、こういう寂しげで温かい音を出してくれるバンドはものすごく稀少なのに、彼らはなぜか飄々とやっちゃうのです。ビルト・トゥ・スピルとかダニエル・ジョンストンとかフォーク・インプロージョンとかのヘロヘロ系USインディ好きは涙ちょちょぎれ必至で、そうでない人でもこの閉塞した時代で何らかの救済を求めている人は何かしら感ずるところがあるはずです。
■気持ちよすぎて何度でも昇天できる2枚
3. 髭『D.I.Y.H.i.G.E.』(3月4日)
同時代にデビューしたバンド達が徐々に失速していく中で、ますます粘っこさと不敵さを増して手がつけられなくなっている暴れん坊将軍バンド、髭。彼らの新作『D.I.Y.H.i.G.E.』は、これまで封印&遠慮していた髭ワールドをD.I.Y.精神にのっとってやりたい放題に全面解放したということで、力技のハイテンション・チューンから超スウィートでドリーミーな名曲まで詰まった魅惑のサイケデリック・アルバムに仕上がっています。今作の宣伝文句には〈ロックは白昼夢だぜ〉なんて書かれていますが、まさにその通りな内容。我々の人生だって白昼夢ですよね。そんな真剣に生きたって仕方ないじゃーんって気分にさせられますので、現実逃避気味な人は聴き過ぎに注意。それにしてもヴォーカルの須藤さんの声は本当にジューシーで美味で、聴覚よりも先に舌の味覚が刺激される気がします。
4. MONICA URANGLASS『The Temptation X』(3月11日発売)
お次は、80'sダンス・ミュージックのパッパラパーな感じとニュー・ウェイヴ的なインテリの要素を見事に共存させた破天荒ガレージ・ロックを奏でて賛否両論を巻き起こしているMONICA URANGLASSのデビュー・アルバム『The Temptation X』です。現在、ロックでダンスなバンドは急速に増加する一方ではありますが、みなさんどこか眉間にしわを寄せて真面目すぎるきらいがある。でも、彼らみたいなバカっぽさがあると、聴く方も安心してバカになって一緒に踊れます。ライブもめちゃめちゃファンキーで素晴らしいので、音源を聴いて身体が火照っちゃった人はぜひイカせられに行ってみてください。
■やっぱ女の子っていいなーな2枚
5. たむらぱん“ちゃりんこ/ちょうどいいとこにいたい”(3月18日発売)
イラスト、ラップ、打ち込みと多岐に渡る活動を繰り広げ、全く前例のない存在に躍り出たシンガー・ソングライター、たむらぱん。地上波の音楽番組での露出も増えるなど、遂に時代が追いついた感のある彼女のニュー両A面シングル“ちゃりんこ/ちょうどいいとこにいたい”です。“ちゃりんこ”はTBS系テレビ「王様のブランチ」エンディング・テーマとして、「なんだこのいい曲は?」って気になっていた人は多いはずですが、じっくり聴くともっといいです。自転車好きで有名な彼女が風を切って走るように歌う、この季節にぴったりの〈サクラ系卒業ソング〉。マイスペ発という枕詞もすっかり取れて、今後はaiko的な不可侵な立ち位置を確保し、紅白歌合戦に出る日も近いと思います。
6. SCANDAL“SAKURA グッバイ”(3月4日発売)
最後は締めにふさわしいこの曲、話題沸騰中の大阪発ガレージ・バンド=SCANDALのセカンド・シングル“SAKURA グッバイ”です。制服姿の美少女が生楽器を演奏しながら歌うという確信犯的なスタンスに、一歩引いて見ている人は多いと思いますが、この曲を知れば彼女たちの本当の実力がわかるはず。タイトル曲では初の王道ポップスを披露し、これまでの面白いもの好きのロック・ファン~アイドル・ファンの枠を飛び越えて、大ブレイクのきっかけになりそうです。それでいて、カップリングの“TOKYO”はサウンドはニュー・ウェイヴ・タッチで、大人と現代社会をテーマにガールズ目線で切り取った楽曲となっているので、これまで注目していたファンの心にも刺さるはず。
〈春眠暁を覚えず〉と言うだけあって、妙に居眠りが心地よい季節ですが、これらの音楽をBGMに美味しいお酒を飲んで、中川大臣に負けないくらいの気持ちいい惰眠を貪っていきましょう。また来週!
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
『冗談の王様』
『D.I.Y.H.i.G.E.』






























『ワインとチョコレート』