No.093 病に打ち勝つエナジーを注入する6枚
2008/10/14 | タグ:Casino Royale Ginger Does'em All Howie B. MiChi SAKEROCK Shirane Kenichi 中川翔子
ここ2か月ほど、どういうわけか咳が止まりません。咳って我慢できないのが辛い。もし、このまま来月頭のジョアン・ジルベルト来日公演に行かなければならないとしたら……これ以上の恐怖があるでしょうか。いや行く予定ないんですけど。行く予定のある方は咳予防対策をしておきましょう! というわけで今週は、病に打ち勝つエナジーを注入する6枚をご紹介します。
●ガール・ポップ最前線
1. 中川翔子“綺麗ア・ラ・モード”(10月22日発売)まずは、中川翔子の7枚目となるシングル“綺麗ア・ラ・モード”。松田聖子を始めとする80年代アイドルを愛して止まないしょこたんですが、本作はそんな彼女の理想を体現するかのようなアイドル歌謡の名曲となりました。なにしろ松本隆×筒美京平という、この分野における最強コンビの手による作品なのです。これはもう聴いてもらうしかない! ポルノグラフィティや藤井隆らの作品を手がけたアレンジャー・本間昭光も、流麗なストリングスを配した最上級の仕事を見せ、楽曲の完成度に貢献しております。秋~冬の季節にぴったりの極上ミディアム・バラード。不二家のチョコレート〈LOOK ロイヤルモード〉のCMソングです。
2. MiChi“PROMiSE”(10月22日発売)今年6月のアルバム『MiChi MadNesS』でデビューを果たしたばかりのエレクトロ・ミューズ、MiChiが、メジャー進出作となるシングル“PROMiSE”を発表します。タイトル曲は〈au Smart Sports〉のCMソング。〈エレクトロ寄りのBonnie Pink〉といった印象の疾走感溢れるナンバーで、多分に歌謡曲っぽい仕上がりは意見が分かれそう。でもJ-POP好きとしては、こういう路線をこそ支持したい感じ。カップリングにはR&Bマナーの“HEy GirL”と、アヴリル・ラヴィーンのカヴァー“Sk8er Boi”、そしてエド・バンガーのペドロ・ウィンターらがリミックスを手がけた“Fxxk You And Your Money”を収録しております。
●秋のメランコリック・ダンス・ミュージック
3. SAKEROCK『ホニャララ』(11月5日発売)先ごろ、シングル“会社員と今の私”のリリース・ツアーを終えたばかりのSAKEROCK。いよいよ、2年ぶりのオリジナル・アルバム『ホニャララ』をリリースです。前作『songs of instrumental』は、豪華ゲストを迎えまくり、ヴォーカル曲も収録しまくった賑やかな作品でしたが、今回は全編インスト&ほぼゲストなし。彼らの核となる部分のみで勝負をかけるシンプルかつ明快な作品となりました。全編に渡ってフィーチャーされたヴィブラフォンの音色が非常に気持ち良し。『YUTA』や『慰安旅行』といった、彼らの初期作品を愛している方に、特に強くお薦めします。
4. Shirane Kenichi(白根賢一)『manmancer』(11月5日発売)GREAT3のドラマーであり、バレアリック・ダンス・バンド、LASVEGASの中心人物であった白根賢一。彼が初のソロ・アルバム『manmancer』をリリースします。明らかに〈LASVEGAS以降〉を意図したであろう、繊細なエレクトロニック・ダンス・ミュージックを展開しているのですが、メロディー・メイカーとしての彼の非凡な才能が十二分に刻み付けられており、その点において素晴らしい。〈シンガー・ソングライター、白根賢一〉の作品として聴かれるべき一枚ではないかと。そう考えると、〈LASVEGAS以降〉っていうよりは〈GREAT3以降〉の作品なのかもしれませんね。冒頭の“bigbang girl”やラストの“skull ring”なんて、GREAT3のメランコリック・サイドを思いっきり受け継いでますし。
●注目のビート・ミュージック
5. Ginger Does'em All『SWEET BROWN ADDICTED』(発売中)ソウルやディスコをぶった切り、切り刻み、ファンキーなカットアップ・ブレイクスを生み出し続ける稀代のエディット・マスター、Ginger Does'em All。彼が約3年ぶりのフル・アルバム『SWEET BROWN ADDICTED』をリリースしました。今回もブラック・ミュージックのメロウ成分を素材に、執拗で緻密で巧妙にラフなビートを練り上げており素晴らしい。ここまで強い作家性が刻み込まれたエディット・ミュージックというのは後にも先にもないのでは。まあ、単に尺を伸ばしただけみたいな巷のリ・エディット作品の匿名的な感じも、それはそれで面白いのですが、
6. Howie B. vs Casino Royale『Not In The Face: Reale Dub Version』(日本盤:10月25日発売、海外盤は発売中)最後は、ハウィーBの最新アルバム『Not In The Face: Reale Dub Version』をご紹介。〈ハウィーB vs カジノ・ロイヤル〉名義となる今作は、イタリアのバンド、カジノ・ロイヤルの06年作『Reale』をハウィーBがリミックスした作品。実際の音の方は、ダビーでスモーキーでエレクトロニックでロウ・ビートで重たくて……と、要するに御大の90年代からの芸風がそのまま展開されてるんですが、ポーティスヘッドとナイトメアズ・オン・ワックスがそれぞれ新作をリリースした2008年においては、非常にジャストな感覚で聴けるんじゃないかと。前述の2作の間に置くとしっくりくる感じです。そんなところで、また来週。ではでは。
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