No.088 マサイの戦士たちに日本からプレゼントしたい6枚
2008/09/08 | タグ:MO'SOME TONEBENDER neco眠る sgt. ミドリカワ書房 勝手にしやがれ
この夏休みはアフリカでマサイ族と遊んできました。自分は今まで彼らに対しての知識はゼロに等しく、大塚製薬が〈マサイの戦士〉ってヨーグルト・ドリンクを出していたのも知らなかったほどのマサイ・オンチだったのに、話を聞けば目からウロコなことだらけで感銘受けまくり。ライオンとのガチンコ決闘の話とか、年齢という概念がないという話とか、牛の数=お金であることとか(その辺りは映画「マサイ」や書籍「私の夫はマサイの戦士」「マサイの恋人」辺りにも詳しく書いてあります)。で、彼らはやたらと日本のCDを送ってくれとねだるんです。自分たちの伝統音楽はアカペラ・トランスみたいで超グルーヴィでカッコいいのに(→ マサイのトライバルダンス映像)、いろんな国の音楽を聴きたいんでしょうね。ということで、もし送るならどんなCDがいいかなーと、以下の日本代表CDを6枚選んでみました。
●ロックの醍醐味をビリビリ感じさせてくれる2枚
1. MO'SOME TONEBENDER『SING!』まずは、MO'SOME TONEBENDERの新作『SING!』です。前作では、デジタルやポエトリーを取り入れるなど、新しい要素を果敢に取り入れて驚かせましたが、今回も前作以上に果敢です。一言で言うと、超ポップ。そして明るい。別のバンドかと思うほど突き抜けた雰囲気の、コズミックでダンサブルな“シンクロニシティ”で幕を開け、大陸系の雄大なメロディにシビれる“カラフル”、ピコピコな“最後なバス”などなど、全曲がタイトル通りみんなでシンガロングしてハッピーになれるアルバムです。蔦谷好位置、木村カエラ、ミト(クラムボン)とゲストも多彩だし、従来のファンがガッツポーズするのはもちろん、モーサムのロックロックしたイメージが苦手だった新しいファン層をも獲得することでしょう。
2. 勝手にしやがれ『マイ・ライフ』日本を代表する〈孤高のジャズ・パンク・バンド〉こと、勝手にしやがれのAVEX移籍後初となるオリジナル・フル・アルバム『マイ・ライフ』です。いやはや、映画「たみおのしあわせ」のサントラを7月に発売したばかりだというのに、この充実ぶり。パンク、ロック、ブルース、ジャズの四点倒立はギンギンにエレクトしまくり、有無を言わさずカッコいいのは言わずもがな、男たるものが日々抱えている哀愁のブルーズが詰め込まれ、明日を生き抜く勇気が湧いてきました。迷走続きのニッポンで平和ボケした我々の心にガツンと一撃をお見舞いしてくれる高温多湿な内容です。
●美味しい大人汁が染み出るインストバンド2組
3. sgt.『Stylus Fantasticus』続いて、インストと言えば、この人たち。10年選手のベテラン・バンドsgt.の初のフル・アルバム『Stylus Fantasticus』です。これまでも巷のインスト・バンドとは違うアサッテの方向を向いてきた彼らですが、今回も鍵盤やサックス、バイオリンを大胆に取り入れ、アヴァンギャルドから正統派ジャズ、クラシカルなオーケストラまで、中世ヨーロッパの王朝とかで爆音で聴かれそうなゴージャスな超大作に仕上げております。未来っぽくもあり、スタンダードっぽくもあり、何世紀にも渡って聴かれそうな賞味期限の長さを感じます。“声を出して考える方法”“銀河を壊して発電所を創れ”“ムノユラギ”など、想像力を喚起させるタイトルもニクいですね。
4. neco眠る『ENGAWA BOYS PENTATONIC PUNK』そして、今回マサイの人に真っ先に聴かせたいのがこれ。津々浦々で話題沸騰の大阪発盆踊り系インスト・ダブ・バンド、neco眠るのファースト・アルバム『ENGAWA BOYS PENTATONIC PUNK』です。彼らの生み出すビートは、日本人のDNAに脈々と流れるリズム感とぴったりマッチするんですよね。農民の夏祭りとか、夜這い文化とか、ひょっとこ面に近い感じというか。自由だし、無責任だし、バカバカしいし、何より、アヴァンギャルド過ぎて閉鎖的になってないのがいい。サザンとも一緒にドライブ・デートで聴ける作品です。最近何かいいのない?と誰かに問われたら、無言でこのアルバムを差し出してください。後日インタビューを掲載予定ですので、お楽しみに!!
●弱っている人をさらに泣かせまくる2枚
天才的な才能を持つ無頼派文豪シンガーソングライター、ミドリカワ書房のインディーズ復帰第一弾アルバム『みんなのうた3』です。やっぱりメジャーは歌詞の制約なんかが多くて合わなかったんでしょうか。1曲目の東南アジアのディスコ調の打ち込みトラック“SAVA”でズッコけさせたかと思ったら、外国人労働者の悲哀を歌った“サヨナラニッポン”や彼女の連れ子を殺した男の戦慄のストーリー“おめえだよ”など、今回は歌詞がいつにも増して過激で、やさぐれてます。痛いんだけど泣けて笑える、ダークサイド・オブ・寅さん的な、人情味溢れる楽曲が次々と繰り出されます。彼が〈緑川伸一〉時代に初めて下北沢の路上で見て度肝を抜かれて以来、その印象は今も全く変わりません。これほど泣ける曲を書く人は他にいない。彼の曲はプロモ・クリップで観るともっと泣けますので、ぜひご視聴のほどを。
6. V.A.『Around40 ~アラフォー~』ラストは、今流行りの言葉をそのまま企画にしたようなコンピ『Around40 ~アラフォー~』です。ちょっと紹介するのを躊躇してしまうタイトルですし、入っている曲もドメジャーな曲ばかりなのですが、ただその時代のヒット曲を無闇やたらと羅列してものではなく、槇原敬之から“足音”、浜田省吾から“片想い”を選曲していたりと、制作者のこだわりを感じさせます。それにしても、松田聖子“赤いスイートピー”(82年1月発売)と岡本真夜の“TOMORROW”(95年5月発売)の間はかなり間が開いており、アラウンド過ぎる気もしますが……、それだけ守備範囲が広い作品と言えます。40~50代の人が通して聴くと、バブル期の狂騒や切なさを思い出して懐かしい気持ちになることでしょう。
というわけで、さっそくマサイの人々にこれらのCDを送りたいと思います。あちらは物資がとにかく不足していますので、皆さんも物は大切に!! また来週!!
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です






















