No.085 残暑を踊り抜く6枚
2008/08/19 | タグ:DJ HICO KOMPAKT Rex The Dog Sweet Vacation
〈エゾロック〉もつつがなく終了し、ロックフェス・シーズンもとりあえずひと段落。ですが、今週末は〈METAMORPHOSE〉、来週末は〈WIRE〉と、ここからはダンス系フェスが目白押し。まだまだ夏休みは終わらないぜ!というわけで今週は、残暑を踊ってやり過ごすためのダンサブルな6枚を紹介いたします。
●J-POP/クラブ界隈のポップ・アイコンたち
1. Sweet Vacation『I miss you -ep-』(8月20日発売)まずはJ-POPをがつんと注入すべく、ガーリー・ハウス・ユニット、SWEET VACATIONのメジャー・デビュー作『I miss you -ep-』をご紹介。ハウスやエレクトロのダンサブルな要素を取り入れたガール・ポップ……というわけで、平たく言ってしまえば、Perfumeファン層を真正面から射抜くキャッチーなサウンドを展開している彼ら。ただ、PerfumeやMEGほどロボティックではなく、よりオーガニックな風合いを覗かせてる辺りが、その魅力の肝なのでは。清涼飲料水CMソングっぽいサマー・チューン“Summer Day(ver.1.0)”が個人的ベスト・トラックであります。
2. DJ Hico『House of Jewels』(9月3日発売)続いては、人気モデルにしてDJのHicoが手がけるミックスCD『House of Jewels』を。テイ・トウワが手がけるレーベル〈hug Columbia〉の第6弾作品となります。スワロフスキーをびっしり埋め込んだヘッドフォンがトレードマークという、超セレブDJなキャラでおなじみの彼女ですが、選曲&DJイングは意外と男気系。前半はラテン~ブラジリアンなハウスの情熱的なグルーヴを放出し、後半はディスコティックなトラックできらびやかに高揚させていきます。中盤に配されたミゲル・ミグス“Let Me Be(Migel Migs Petalpusher Dub)”のミニマル&ドープなファンクネスに、地味に興奮させられました。
●ダンスもの人気シリーズ2作
3. Simian Mobile Disco『Fabriclive41』(8月22日発売)ダンス・ミュージック・ファン御用達のミックスCDシリーズ〈ファブリックライヴ〉。その最新作となる第41弾、シミアン・モバイル・ディスコ『FABRICLIVE.41』が登場です。自身の楽曲をはじめ、スミスンハックにメトロ・エリア、ポール・ウールフォードなどによる近年のエレクトロニックなディスコを揃えつつ、時折、レイモンド・スコットやら冨田勲やらメビウス/プランク/ノイマイヤーやら……といった往年のビザールな電子音楽の〈リ・エディット〉を混ぜ込んでくるマニアックな構成が光ります。終盤にプラスティックマン~グリーン・ヴェルヴェットと、90年代テクノ・クラシックを畳み掛けてくる辺りも、筆者的には感涙モノ。エレクトロ界隈にあって1歩も2歩も抜きん出た彼らのセンスが本盤でも存分に発揮されております。
4. V.A.『Kompakt Total9』(8月23日発売)ドイツはケルンを拠点とする、エレクトロニック・ミュージックの老舗レーベル〈KOMPAKT〉。年に一度のお楽しみコンピ盤が、今年も『Kompakt Total9』としてリリースされます。ジャスタス・コンケ、DJコッツェ、トーマス・フェルマンといった、レーベルを代表する人気者が今回も勢ぞろい。硬質なテック・ハウスにキャッチーなテクノ・ポップ、ファンキーなカットアップ・トラックなど、バラエティに富んだサウンドが詰め込まれており、近年の同レーベルが展開している雑食性を見事に体現しております……ってレーベル・コンピなんだから当たり前ですが。初出音源もたっぷりの2枚組です。
●まだまだ紹介!そのほかのダンス・ミュージック
5. Rex The Dog『The Rex The Dog Show』(8月20日発売)その〈KOMPAKT〉レーベルを拠点に活動してきたレックス・ザ・ドッグが、ファースト・アルバム『The Rex The Dog Show』をリリースします。2004年のデビュー・シングル“Frequency”で一気に名を挙げ、プロディジーやデペッシュ・モードといった大物アーティストのリミックスを手がけてきた同ユニット。その後はポツポツとシングルを発表するゆるい活動っぷりでしたが、ようやくのフル・アルバム発表となりました。前述の“Frequency”のほか、彼らが担当したリミックス音源も収録。大箱映えしそうなアッパー&テッキーな鳴りに興奮させられっぱなし。〈WIRE〉への出演も決定しております。
6. V.A.『The Future Is Yours』(8月29日発売)最後は日本が誇るリアル・オルタナティヴなレーベル〈Crue-L〉が放つすべて新曲のコンピレーション『The Future Is Yours』をご紹介。レーベル総帥・瀧見憲司と神田朋樹による深海系ダブ、Fran-Key&Crystal(TRAKS BOYS)&Roger Yamahaの新バンドによるバースト系ロックとハウスの折衷、Stoned Green Applesによるエイコン(!)のニュー・ウェイヴ解釈なカヴァー……などなど、多種多様な方向性を持った12曲が混在。うっかりダンス枠で語ってしまいましたが、ダンス・オリエンテッドなアルバムではまったくありません。が、どれもダンスの文脈を経て生まれ得たサウンドとは言えるはず。カテゴライズし難い楽曲の隙間から、テッキーでアッパーな音が幅を利かせてきたダンス・カルチャーのネクスト・フェイズが伺える、ってのは言いすぎでしょうか。イタロ・ディスコ~コズミックを掘り下げ続けてきたディスコセッションによるフォーキー・ディスコな“TV Scene”が特に衝撃的でした。そんなこんなでまた来週。ではでは。
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です






















