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今週の5,6枚

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No.083 骨が溶けるほど恋したい流金鑠石な6枚

2008/08/04 | タグ:

Text:OOPS!編集部片山&三木

 あ、暑い……というか、もはや空気が熱い。行くも地獄、引くも地獄。不快指数120%。亜熱帯エリア日本の夏にぴったり。骨が溶けるほど恋したい流金鑠石な6枚と題して今週はお送りします。もういっそ溶かしてッ!

●厚い篤い熱い3枚

1. Zutons『You Can Do Anything』(日本盤:8月6日発売)
The Zutons“Always Right Behind You”プロモ・クリップ

 今週はじめに紹介するは、ズートンズのサード・アルバム『You Can Do Anything』です。オープニング・ナンバー“Harder and Harder ”からしてハード・ロックよろしくのダイナミズム。前2作と比較して頭ふたつ分くらい開放感が増しています。このあたり、オリジナルメンバーのリード・ギター脱退後、加入した同郷のマルチ・インストゥルメンタリストの貢献でしょうか?とはいえ、イギリス国内での高評価に味をしめて出来た(彼ら国内では売れっ子なのです)大味なアルバムではありません。マージー・ビート、パブ・ロックなど、ソウルフルかつ酒臭いズートンズ節は健在。かの地リバプールに息づくトラディショナル・サウンドに、様々なサウンドの接木を繰り返して大木になったような、なんとも厚みのある1枚です。

2. Jim O'Rourke『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)オリジナル・サウンドトラック』(9月6日発売)
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」予告編

 続いてご紹介するのは、各所で話題の若松孝二監督最新作『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』のサウンドトラック。手がけるは、なんとあのジム・オルークです。日本通のオルタナ才人の手で、どんなアングラが繰り広げられるのかと思いきや、これがなんとも訳のわかったアダルトな仕上がり。重さと疾走感の同居したロック・チューンや、ジムとの共作で知られるサックス奏者坂田明を要したジャズ・アプローチ、ラスト・トラックのジム本人のセンチなボーカル曲など、収録曲には触れ幅がありつつ、アルバム各所に登場するメランコリックなギターが、アルバム全体に静謐さと統一感を与えています。さて、最後に本作にまつわるトリビアを。若松監督に心酔し、本作制作を熱望するジムに、監督から出された条件がひとつあったそう。それは「ジムが日本語をしゃべれるようになること」。本作のために難解な日本語を習得したジム。それを粋に感じてプロデューサーに起用した若松監督。両者の篤い信頼関係のうかがえるエピソードですね。

3. V.A.『From LA With Love』(日本盤:9月13日発売)
“From LA With Love” @ A+D Timelapse ©Theo Jemison

 「今、L.A.が熱い!」とは聞いていましたが、L.A.で行われているアート&サウンドのイベント〈From LA With Love〉をコンパイルした『From LA With Love』を聴けば、なるほど納得。まずは参加アーティストがスゴい。マッドリブイエスタデイズ・ニュー・クインテット)、フライング・ロータスデイデラスノーバディカルロス・ニーニョに加え、テイクガスランプ・キラーなんて気鋭まで。現在のL.A.のスター・プレイヤーたちがこぞって参加しているのです。肝心の要のサウンドも、ジャジー/スペイシー/サイケとヒップホップ(≒ブレイクビーツ)を共通言語に編み上げられた濃密なタペストリー。シーンが垣間見えるような構成は、単一アーティスト作品では味わえないコンピレーションならではの醍醐味です。日本盤には、孤高のプロデューサーラスGと、ネイサン・イェール名義で本作に参加しているアロエ・ブラックの相方DJ、エグザイルによる2曲のボーナス・トラックが収録されて全19曲。もうおなかいっぱいであります。

 いやはやラテンアメリカの作家たちが、何故に〈マジックリアリズム〉といわれる虚実入り混じる文芸作品を生み出してきたのか、最近分かりつつあります……暑けりゃそりゃ白昼夢のひとつも見るわな!後半の3枚であなたにも白昼夢を!

●クーラーガンガンで聴きたい3枚

4. 「FUJIROCKERS ~THE HISTORY OF THE FUJI ROCK FESTIVAL~」(発売中)

 暑い。こんな日には外出は避け、部屋でゆっくりCDを堪能したいもの。そんなわけでここからは片山に代わりまして私、三木がアンチ省エネ! クーラーガンガンで聴きたい3枚を紹介していきます。今年も大盛況のうちに幕を閉じた〈FUJI ROCK FESTIVAL〉。初めにご紹介するのは1997年より続くこのフェスの歴史を総括したDVD「FUJIROCKERS ~THE HISTORY OF THE FUJI ROCK FESTIVAL~」です。いやはや、急病のため泣く泣く本年のフジロックを欠席した私にとってこの作品はある種の拷問でありました。本作は主にアーティストのライブ映像、オーガナイザーである日高正博氏のインタビュー、そして観客であるフジロッカーズの声を軸に構成されております。この〈フジロッカーズの声〉というのが曲者でして。見ているともう、いてもたってもいられなくなるわけですね。そこにあるのは笑顔、笑顔、また笑顔。数あるフェスの中でもフジロックだけが持つ特殊なお祭り感、そしてタイトルが示すとおり、あくまで主役は観客という一貫した姿勢がこの映像に凝縮されています。肝心のライブ映像も初年度、嵐の中のレッド・ホット・チリ・ペッパーズや99年、WHITE STAGEのアンダーワールドといった伝説的ステージから苗場食堂、木道亭でのライブまで幅広く収録。来年のフジロックが恋しくなること請け合いの1作です。

5. Aira Mitsuki『COPY』(9月3日発売)
Aira Mitsuki“チャイナ・ディスコティカ”プロモ・クリップ

 続きましてはテクノポップ第2世代のミューズ、Aira Mitsukiのファースト・アルバム『COPY』。A-bee、Cherryboy functionやけのはらSubstanceという新進気鋭のプロデューサー陣とCorneliusの名曲“STAR FRUITS SURF RIDER”のカヴァー(通常盤にのみ収録)などで発売前から早くも話題となっております。基本的には元気ロケッツのような〈歌メインの四つ打ち〉ですが、ひときわ異彩を放っていたのが彼女のシングル作を全て手掛けているTerukadoプロデュースの“Beep Count Fantastic”。フロア対応のゴリゴリ低音ビートとカットアップされ放題のヴォーカルからは新たな側面が垣間見えました。彼女自身、好きなアーティストとしてジャスティスを挙げているそうなのでもう少しフロア寄りの楽曲を増やして、コアな層を狙いにいっても面白いのかなぁという感じがしました(プロデューザー陣もなかなか渋めですし)。

6. Mogwai『The Hawk Is Howling』(9月16日発売)
今年の7月に行われたフェスに出演したモグワイの映像

 最後を飾るのはポスト・ロック界の至宝、モグワイの約2年ぶりとなるアルバム『The Hawk Is Howling』。前作『Mr.Beast』が余りにも良い出来だったのでどうなることかと思っておりましたが、またもやってくれました。ピアノとギターが織り成す静と動、リズム隊による圧倒的な展開力はただ、ただ美しいという一言に尽きます。また、今作では彼らの初期の作品を手掛けたアンディ・ミラーがプロデュースを手掛けていることもあり、十八番の轟音サウンドも随所に披露。全編に渡りスロー~ミドル・テンポの楽曲が並ぶのですが、〈癒し〉なんてものからは程遠い破滅的で耽美なロックを奏でております。ミューズといいシガー・ロスといい英国周辺はとんでもない表現力を持ったバンドが多いですね。toeSPECIAL OTHERSが好きな方にも自信を持ってオススメしたい作品です。余談ですが、先ほどご紹介した「FUJIROCKERS ~THE HISTORY OF THE FUJI ROCK FESTIVAL~」に収録されているモグワイのライブはもう本気で、本気と書いてマジで、鳥肌モノですのでぜひ、合わせてご覧下さい。それでは今週の5、6枚この辺でお開きとさせていただきます。来週もお楽しみに!

●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. Zutons『You Can Do Anything』

2. Jim O'Rourke『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』
3. V.A.『From LA With Love』



4. 「FUJIROCKERS ~THE HISTORY OF THE FUJI ROCK FESTIVAL~」
5. Aira Mitsuki
『COPY』

6. Mogwai
『The Hawk Is Howling』

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