No.081 忘れかけたものさえ思い出させてくれそうな6枚
2008/07/23
フジロックの用意をせねば、と思うものの、結局腰の上がらなかった3連休。今年も前日にあたふた支度して、懐中電灯辺りを忘れることになりそうです。というわけで今週は、忘れかけたものさえ思い出させてくれそうな6枚をご紹介します。
●注目のJ-POPミューズ
1.BONNIE PINK“鐘を鳴らして”(8月6日発売)BONNIE PINKが約1年ぶりとなるニュー・シングル“鐘を鳴らして”をリリースします。タイトル曲は、配信限定で発表された“Ring A Bell”の日本語詞ヴァージョン。ブリティッシュ発オルタナ経由といった趣のロック・チューンなんですが、音の鳴りは、明らかにエレクトロを通過してる感じなのが気持ちよいです。カップリングには、大ヒット曲“A Perfect Sky”のリミックスを収録。手がけているのは、ピーター・ビヨーン・アンド・ジョンのビョーン氏。脱力したシンセのフレーズが、例の〈口笛ソング〉ばりに癖になる仕上がりです。
2.bice『かなえられない恋のために』(7月23日発売)続いては、女性シンガー・ソングライターのbiceを。小西康陽主宰の〈columbia*readymade〉レーベルより、実に7年ぶりとなるアルバム『かなえられない恋のために』を発表します。ここ数年は作曲家として、他のアーティストへの楽曲提供や、CM音楽の制作などを手がけていた彼女ですが、今回、小西氏のラヴ・コールを受けての〈アーティスト復帰〉と相成りました。目まぐるしく表情を変えて行く編曲に引き込まれる“レッドバルーン”を筆頭に、浮遊感いっぱいのハウス・チューン“100年後にはふたりはいない”、ヨーロピアンなロマンティシズムに満ちた“ただ恋しくて会いたいなんてね”など、自在なメロディとアレンジが伸びやかに炸裂した全12曲。お洒落で洋楽っぽい雰囲気に逃げずに、J-POPのど真ん中で勝負してる感じも清々しい作品となっております。
●レイドバックな2作品
3.TALC『Licensed Premises Lifestyle』(発売中/日本盤は7月30日発売)クラブ・ミュージック経由のAORを聴かせるUKのデュオ、タルク。2006年のファースト『Sit Down Think』に続くニュー・アルバム『Licensed Premises Lifestyle』をいよいよリリースです。今回も、お得意のアーバン&スムースなサウンドを全面展開。ダンス・カルチャーにおけるバレアリック文脈で注目された彼らですが、「これってスティーリー・ダン?」と聴き違えてしまうほどの完成度を誇るポップなサウンドは、すべての音楽ファンに受け入れられそう。国内盤は、SAKEROCKやユアソンでお馴染み〈カクバリズム〉の海外ものレーベル〈カクバリズム・インターナショナル〉の第1弾となります。
4.D.I.T.C.『Unreleased Productions 1994』(7月31日発売予定)ロード・フィネス、ダイアモンドD、バックワイルド、O.C.、ショウビズ……といった面々で構成される、東海岸を代表するヒップホップ・クルー〈D.I.T.C.〉。昨年の『Rare & Unreleased』に続くお蔵出し音源集『Unreleased Productions 1994』が登場です。収録されているのは、ロード・フィネスの“Check The Method”やファット・ジョー&アルマゲドンの“Big Apple Gone Rotten”など、正規に流通しなかった12曲。ヒップホップ黄金時代に、稀代のネタ掘り師たちが手がけた楽曲がずらり……そりゃ良いに決まってます!
●エレクトロニックな邦人アーティスト
5.DAZZ Y DJ NOBU『DIARY』(8月6日発売)千葉を拠点に活動し、ここ数年のアンダーグラウンドなダンス・ミュージック・シーンにおいて際立った活躍を見せている男、DJ NOBU。彼が〈DAZZ Y DJ NOBU〉名義による、初のオリジナル・アルバム『DIARY』を発表します。これがまた衝撃的なまでにダークな1枚。ベーシック・チャンネルやジャマール・モスの諸作品に通じる質感を備えた、ひたすらにノイジーなダンス・トラックを聴かせてくれます。冒頭とラストに配された、静謐なチルアウト曲も素晴らしい。そのDJプレイやルックスにみなぎるケタ違いのズル剥けっぷりを、オリジナル音源にも見事に刻み込んでおります。
6.Cheekbone『ちぐはぐ』(発売中)最後は、奈良在住の電子音楽家、Cheekboneの初アルバム『ちぐはぐ』をご紹介。リリース元は曽我部恵一主宰〈ROSE RECORDS〉です。アンビエント~ドローン~シューゲイザーを横断する甘美なサウンド・スケープを展開しており、エイフェックス・ツインの〈Ambient Works〉シリーズや、シーフィールの作品をどこか彷彿とさせます。いわゆるエレクトロニカ的な音響構築はなされておらず、素朴な音作りに徹している点も、個人的にいい感じ。まあこういったインストものは、なかなか説明しづらいところもあるので、是非一度MySpace(→ こちら)などで聴いてみてください。ではでは、また来週です。
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です


















