No.080 That's Summer Feeling、初夏を感じる6枚
2008/07/14 | タグ:Beck The Vines Tricky yacht. 井上陽水 羊毛とおはな
暑い!とにかく暑い!各地で梅雨明けのニュースも聞かれる中、本格的な夏の訪れを感じている方も多いと思います。学生さんはもうすぐ夏休み、社会人の方はお盆の予定を立てたり、はたまた夏フェスに期待を膨らませている音楽ファンのみなさんも多いでしょう。今週は、そんなちょっとウキウキする初夏のシーズンに聴く6枚を、朝、昼、晩の3つのシーンに分けてご紹介します。
●初夏の朝に聴く2枚
1. Beck『Modern Guilt』(発売中/日本盤は8月6日)まずは、いよいよ発売されたベックの新作『Modern Guilt』。ナールズ・バークレイのデンジャー・マウスをプロデューサーに迎え、キャット・パワーもヴォーカルでゲスト参加する新作は、ベック自ら「今までで一番集中できた作品」と言うだけあって、さすがの完成度。先行公開されていた“Chemtrails”を含む全10曲は、やっぱり〈ベック印〉ながら、ここ数作に比べるとかなりポップな感じもして、当初1曲だけの参加予定だったというデンジャー・マウスとのコラボは、いい化学反応をアルバムにもたらしています。サイケ、フォーク、エレクトリックといったサウンドを縦横無尽に組み合わせ、それをベックのドリーミーなヴォーカルでまとめ上げたアルバムは、けだるい夏の朝の夢の中から、覚醒するのにぴったりです。朝の一杯のコーヒーと共に、どうぞ。
2. Tricky『Knowle West Boy』(発売中/日本盤は7月23日)でも、朝は苦手、もっとまどろんでいたいという方には、このブリストル・シーンのカリスマ、トリッキーが約5年ぶりに発売した新作『Knowle West Boy』は、いかがでしょう? 先行シングル“Council Estate”を含むアルバムは、M.I.A.などとの仕事で知られるフィジェット・ハウス・アーティスト、スウィッチが手がけていて、やばいくらいにダークでアンダーグラウンドなサウンドが詰まった作品に仕上がっています。同じくブリストル・シーンの重鎮、ポーティスヘッドとマッシヴ・アタックが同じ時期に活動を本格化させていることも興味深いところです。しかし、あまりにどっぷりと彼の世界に浸かってしまうと、また眠りの中に戻ってしまい、大寝坊といったことになるのでご注意を(笑)。
●初夏の昼に聴く2枚
3. The Vines『Melodia』(発売中/日本盤は9月24日)さぁ目覚めもすっきりして、外出しましょう。降り注ぐ、夏の日差しに負けないくらいのパワーをくれそうなのが、このオーストラリア出身のロック・バンド、ヴァインズの新作『Melodia』です。昨年リリースしたベスト盤『best of』で一区切りを付け、レーベルも移籍して心機一転となった今作でも、彼らのキャッチーでフックの効いたメロディと、ソリッドでバーストするギターが融合したロック・サウンドは健在。ミドルテンポな楽曲で、しっかり曲を聴かせることができているのもバンドの成長を感じさせてくれます。彼らは、〈FUJI ROCK FESTIVAL '08〉に出演が決定しています。熱いステージを見せてくれることは間違いないはず。参加する方は、要チェックです。
4. yacht.『Summerly Jam』(7月23日発売)洋楽を3枚ご紹介しましたが、ここからは邦楽です。そのヴァインズにも引けを取らないパワフルなサウンドを聴かせてくれるのが、大阪の4ピース・バンド、Yacht.。彼らのメジャー・ファースト・フル・アルバム『Summerly Jam』は、もうタイトルからして夏っぽいですが、その内容も名前に違わず、彼ら流のサーフ・ロック・ミュージックが詰まっていて、聴いているだけで、体が自然に動き出し、洋楽、邦楽、ジャンルなんか関係ない、楽しければいい!と思わせてくれるアルバムです。ハイ・スタンダード、ビート・クルセイダースと続く日本のポップ・パンク・シーンの伝統を継ぐのは彼らかも!?アウトドアに、ドライブに、パーティーにと、さまざまな夏のシーンで活躍してくれそうな1枚です。
●初夏の夜に聴く2枚
5. 羊毛とおはな『LIVE IN LIVING '08』(7月22日発売)日も落ちて、昼間の暑さも少しやわらぐ夜には、しっとりと心を落ち着かせてくれるアルバムで、一日を締めくくりましょう。アコースティック・デュオ、羊毛とおはなの、シリーズ化されているアルバムの最新版『LIVE IN LIVING '08』は「リビングルームでライブをしているかのように」というコンセプトのもと、聴く人をリラックスさせてくれるアルバムです。オリジナル曲に加え、バート・バカラックや、スティービー・ワンダー、そしてスタジオジブリ作品の主題歌となっていた“カントリーロード”などのカヴァーが、昼間の太陽で火照った心と体に染み入ります。個人的にエディ・リーダーの在籍していたバンド、フェアグラウンド・アトラクションのヒット曲“Perfect”のカバーが秀逸。彼らも、〈FUJI ROCK FESTIVAL '08〉に出演予定です。
6. 井上陽水『弾き語りパッション』(7月16日発売)最後にご紹介するのは、井上陽水の35年ぶりとなる、全編弾き語りベスト・アルバム『弾き語りパッション』です。昨年のコンサートの弾き語りコーナーのベスト・テイクを集めたアルバムは、インディーズ盤としてツアー会場にて限定発売されていたものですが、ファンからの熱い要望を受けてのメジャー・リリースが決定したもの。収録されている、72年作の名曲“傘がない”のプロモクリップに、オダギリジョーが出演し、若き日の井上陽水役を演じていることも話題です。70年代の名曲(うちデビュー曲“カンドレ・マンドレ”は1969年発表)が今に新鮮に響き、時に情熱を伴って迫るアルバムは、長い夏の夜に、どこか懐かしくセンチメンタルな想い出を呼び起こしてくれるでしょう。
初夏の6枚、いかがでしたでしょうか?みなさんの夏の各シーンと共に、素敵な音楽が共にあることを願って。また来週。
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です






















