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No.072 アジアを元気づかせる6枚

2008/05/19 | タグ:

Text:田家 大知

 チベット、ミャンマー、中国と、激動に次ぐ激動のアジア2008ですが、こんな非常事態な時こそお互いに助け合い、叱咤激励しあっていかなくてはいけません。そのために必要なのが、やっぱり音楽。被災者や犠牲者の方々の無事をとにかく祈りながら、グルーミーな気持ちを少しでも盛り上げてくれる6枚をお届けしたいと思います。

アジアの底力を世界に伝える女性シンガー2組

1. Tiana Xiao『destiny』
Tiana Xiao“KIZUNA” プロモ・クリップ

 まずは、若干17才でアメリカ国籍を持つ中国人(ABC=American Born Chinese)、ティアナ・シャオ(Tiana Xiao)のデビュー作『destiny』(5月21日発売)です。彼女は4歳の時に小学校に入学し、飛び級の連続で現在は大学2年生という天才少女。今話題のマシ・オカさんみたいですね。そんな彼女による本作は、ジャム・アンド・ルイス、ジーヴ、トム・キーンという豪腕プロデューサーとのコラボで生まれた超新世代サウンド。BoAでもなく、melody.とかタタ・ヤンでもなく、もっとオリエンタル響きの大陸系ポップスというか。ブリトニーのアジア版みたいな感じ? 僕はチャイナ・ドールズヤーヤーインをはじめとするアジアン・ポップス信奉者なので、こういうのは本当にLOVEずっきゅん(by 相対性理論)です。ニューウェイヴ/ニューレイヴ/エレクトロクラッシュみたいな質感もあるし。今のところ、J-POPにおける2008年のベスト・アルバムかな。久しぶりに背筋が熱くなりました。

2. 坂詰美紗子『恋の誕生日』
坂詰美紗子“恋の誕生日” プロモ・クリップ

 続いては、Crystal Kay“恋におちたら”など数々のヒット曲を作詞作曲したことで注目を集め、レコード会社争奪戦の末rhythm zoneからデビューしたシンガー・ソングライター、坂詰美紗子の初ミニ・アルバム『恋の誕生日』(5月21日発売)です。名前がむちゃくちゃ和風でルックスも文系なテイストなので、シンプルでアコースティックな音を予想していましたが、ぶっちぎりにゴージャスです。ブラック・ミュージックのサウンド感が根底にありながら、それを自然にJ-POPの中に溶け込ませるさまはお見事。ドラマチックなゴスペルのように祝祭的に盛り上げるさまは感動的ですらあります。〈文系R&B〉もしくは〈メガネR&B〉なんて新しいジャンルを作りそうですね。青山テルマに次ぐブレイクはこの人だ!

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3. キングダム☆アフロックス『LIVE IN AFRO CITY』

 そして、こちらもデビュー作。期待のアフロ・ビート・バンド、キングダム☆アフロックスが放つアルバム『LIVE IN AFRO CITY』(6月6日発売)です。メンバーが、ブラジル生まれの南條レオ(ベース)、セネガル帰りの田中慶一(ドラム)、紅一点の美麗キーボーディスト・滝沢スミレ(キーボード)という一十三十一バンドでもおなじみの面々と、5年間のキューバ修行を経験したIZPON(パーカッション)、ブラジル帰りのNAOITO(パーカッション&ヴォーカル)、ニューオリンズ帰りの野本大輔(ギター)、沖縄出身の上運天敦市(アルトサックス)、Date Course Pentagon Royal Garden東京中低域の後関好宏(バリトンサックス)、Naruyoshi Kikuchi Dub Sextetの類家心平(トランペット)という、メンバー紹介だけで文字数が埋まってしまいそうな百戦錬磨でワールドワイドな面々から成る超個性派揃いの9人組。サウンドは言わずもがなの素晴らしさです。ポリリズミックでアフロティックで、今後10年は日本の野外フェスのショート・ストップは安泰でしょう。

4. 水谷豊『TIME CAPSULE』
水谷豊 “カリフォルニア・コネクション” テレビ出演映像

 そして今回の売れ線No.1。映画「相棒」の大ヒットなどで、若者たちの間でも再び熱が高まる水谷豊が20年ぶりにシンガーとして活動を再開して作ったアルバム『TIME CAPSULE』(発売中)です。“はーばーらいと”、“カリフォルニア・コネクション”などの大ヒット曲をセルフ・カヴァー。これ、すでに売り切れ店が続出しているらしいです。広辞苑がバカ売れしてるって言うのと同じくらい、なぜ?って思ったけど、聴けばわかるはず。懐かしいんだけど、すごく新鮮で、タイトルが〈タイムカプセル〉なのも納得ですね。当時を知る人たちには同窓会的で、知らない世代からしたら過去の文献を読んでるような感じで楽しめる。お父さんお母さんの恋愛に首をつっこみたい好奇心旺盛なキッズたちも必聴!

R30世代が後世に伝えていかなくてはならない文化2枚

5. JUSTY-NASTY『STILL』
JUSTY-NASTY“JEALOUSY”テレビ出演映像

 うわ、うわうわ。頭の中の思考回路がしばし停止しました。JUSTY-NASTYのニュー・アルバムを聴ける日が来るだなんて。13年ぶりの復活作『STILL』(5月21日発売)です。内容は新たに書き下ろされた新曲1曲を含むセルフ・カヴァー全14曲を収録し、うち6曲はデビュー時のメンバーで再録したもの。ファンにとっても寝耳に水ではないでしょうか。懐かしの名曲群が、演奏力も表現力もアップして披露されています。クリスタルな音色のタテノリビート、藤崎賢一(ヴォーカル)の斜めに構えた歌い方は絶対にあの時代にしか出せないものですね。その後のヴィジュアル系/ビートロックムーブメントに多大な影響を残したバンドなので、BOOWYとかLUNA SEAとか好きな人は絶対聴くべき。この勢いでUP-BEATも復活しないかな。

6. 氷室京介『20th Anniversary ALL SINGLES COMPLETE BEST JUST MOVIN' ON』
氷室京介のソロ・デビュー曲“ANGEL” プロモ・クリップ

 バンドブームへの憧憬が復活したところで、締めはヒムロックでいきましょう。20周年を記念して、全シングル曲25曲を収録した『20th Anniversary ALL SINGLES COMPLETE BEST JUST MOVIN' ON』(6月11日発売)です。これもすごいなあ。高校時代のサッカー部の記憶が昨日のことのように蘇ってきますよ。男の子なら、何かしら青春の1ページに引っかかる曲があるはず。さらには、06年発売のGLAYとのコラボ曲“ANSWER”をアルバム初収録した他、KAT-TUNに提供した“Keep the faith”のセルフカヴァー(!)から、新曲“Be Yourself”、BOOWY時代の名曲“CLOUDY HEART”まで収録してるんですから、言う事ないです。友達や家族と一緒に、爆音で流して涙して下さい。

 というわけで、日本も防災意識をしっかり高めて、いざという時の災害用伝言ダイヤル〈171〉はぜひ覚えておきましょうね。ではまた来週!

●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. Tiana Xiao
『destiny』

2. 坂詰美紗子
『恋の誕生日』

3. キングダム☆アフロックス『LIVE IN AFRO CITY』


4. 水谷豊
『TIME CAPSULE』

5. JUSTY-NASTY
『STILL』

6. 氷室京介『20th Anniversary ALL SINGLES COMPLETE BEST JUST MOVIN' ON』

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