No.066 季節の変わり目に聴きたい6枚
2008/04/07 | タグ:INO hidefumi Little Tempo Operator Please the innocent mission THE JETZEJOHNSON フルカワミキ
どうもこんにちは。桜もすっかり散ってしまった感があります昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。自分は花見もすっかり済ませて早く新しい季節が訪れてくれることを望みながら着る服をじんわり薄くしている日々であります。そんな時節柄にマッチすべく、今週は季節の変わり目に聴きたい6枚と題してお送りいたします。早く夏がくればいいのに!
変化を匂わせる日本の2組
1. フルカワミキ『Bondage Heart』まずは、元スーパーカーのフルカワミキによるセカンド・アルバム『Bondage Heart』(4月23日発売)から。ディープ~エキセントリックな表現から大胆にシフトチェンジしたのが伝わる内容であります。ノイジーな音がちりばめられていながら、全体の音像はあくまでソフト。明るくてわかりやすい、ポップなヴォーカル作としての面が強く出た作品であります。スーパーカーはかつてジザメリのようなことをやりたいと語っていましたが、スーパーカーの元メンバーで一番ジザメリっぽいのは間違いなく彼女です。スーパーカーが好きだった方は懐かしさを噛み締めながらも、新たな発見を見つけることができるアルバムではないかと思いました。
2. Little Tempo『山と海』Little Tempoの新作『山と海』(5月2日発売)は、自身が立ち上げた新レーベルからのリリース。リトテン=スティール・パンという不文律を打ち破るかのように、スティール・パン使用率が過去最低の作品であります。とはいえ、このアルバムはLittle Tempo以外のなにものでもない、誰が聴いてもそう言うであろう作品であります。ジャッジのシビアさを感じさせる音選び、それぞれの音楽経験を集約したバンド感は『MUSICAL BRAIN FOOD』以降のものでありましょう。タフな音を作り上げる作業を繰り返して、じわじわと変化している印象を抱きました。ゆっくりでもいいからずっと続いて欲しいバンドです。本当に。
テーマは成熟? ステップ・アップの2作
3. THE JETZEJOHNSON『Discoveries』お次は、90年代後半から活動しているエレクトロ meets ギターポップな打ち込みバンド、THE JETZEJOHNSONのメジャー初アルバム『Discoveries』(4月9日発売)を。ダフト・パンク的な4つ打ち+ヴォコーダーもあれば、ストレートなギター・ロックもある。表現の幅がとにかく広いバンドであります。強引にまとめてしまうと、〈ダンス要素の強いロック〉というという基本姿勢が見えてくる程度でありましょうか。内省的な表現もありますが、アッパーな曲から見えてくるビッグビート感に、自分はジーザス・ジョーンズを感じてしまいました……。一度ライヴを観てみたいです。
4. INO hidefumi「LIVE SET」06年にリリースしたアルバム『Satisfaction』がヒットした、フェンダー・ローズ使いの伊達男、INO hidefumiのライヴDVD「LIVE SET」(4月11日)を。昨年3月に行われたこちらのソロ・ライヴは、ローズ、ドラム、ベースのトリオ編成をメインに、ピアニカや木琴、メロディパイプ(蛇腹ホース)などの小物を使った、視覚的にも楽しい内容であります。所々でアレンジを変えたり、藤原ヒロシがギター&ヴォーカルで参加するなど、さり気に凝った演出も。中でも嬉しいのは、猪野氏の指アップのカメラがあることです。引きの視点のみではわかりづらい、プレイヤーとしての一面が映し出され、当日の会場に籠った熱がじんわり伝わってくるようでありました。ライヴ盤としての完成度も高いので、CDも出して欲しいところです。ちなみに、INO hidefumi、DSK、藤原ヒロシによるアコースティック・ユニット、IDFのアルバムも5月2日にリリースされます(詳細はこちら→ Amazon、@TOWER.JP)。
アッパーとダウナー、それぞれの季節を感じる2作
5. Operator Please『Yes Yes Vindictive』NMEが絶賛!の触れ込みで昨年デビューした、オーストラリアの男女混合5人組バンド、オペレーター・プリーズ。本国に約半年遅れて『Yes Yes Vindictive』(5月21日発売)の日本盤が登場いたします。昨年12月には既に来日公演も済ませている彼ら。ヴァイオリンが参加したディスコ寄りのガレージ・バンドでありまして、CSS周辺が好きな方には既に知られている存在なのでした。ヒラメキ一発で最後まで突っ走る感じも、今のバンドっぽさがするのでした。アルバム中で最も存在感を放っているのは、日本盤に2曲のリミックスが収録された“Leave It Alone”でしょう。ヴァイオリンとヴォーカルとベースラインの存在感がそれぞれ綺麗に出た曲です。正直、ミックスが平べったすぎるような気がして、そこが良ければもっといいのに、と思ってしまうのですが、それはオヤジの感覚なのかもしれません。
6. The Innocence Mission『Now The Day Is Over』ラストに紹介するのは、仲間由紀恵と嵐が出演しているテレビCM(→ こちらで視聴可)で使われている“What a Wonderful World”が収録された、イノセンス・ミッションのアルバム『Now The Day Is Over』(4月23日発売)であります。これは04年にリリースされているものですが、このたび再プレスされるのだそうです。ジャケットに描かれたイラストのように、子守唄的なスタンダード・カヴァーが並び、そこにさりげなくオリジナルも入った柔らかい、ぬくもりのアルバムです。音数の少ない編成は、ヴォーカルを際立たせ、夜の雰囲気ともぴったりマッチしております。“Over The Rainbow”、“Moon River”、“Edelweiss”といった誰でも知っている選曲は、目的化してみみっちさすら感じる〈癒し〉とは全く別種の安らぎを与えてくれるのでした。それでは、今週はこのへんで、おやすみなさい。
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です






















