OOPS! - Music Community | ウープス・ミュージック・コミュニティ

ニュースもレビューも投稿制。リスナーによるリスナーのための音楽サイト


特集・コラム
今週の5,6枚

特集・コラム Powered By Movable Type

No.062 勇気を後押ししてくれる6枚

2008/03/11 | タグ:

Text:OOPS!編集部原田

 私ごとですが、風邪が治らないまま1ヶ月くらい経っておりまして、ヘヴィーな別の病気にかかってるんじゃ?という不安な気持ちを抱きつつ生活しております。当然、その精神的な不安は様々なところに影響を与え、原稿が書けない → 酒に逃げる → 罪悪感 → 不安が増大といったタイプの悪循環をコンシャスにキーピンしているところなのでした。今回はそんな弱い気持ちを打ち負かす、勇気を後押ししてくれる6枚をご紹介させていただきます。

日本の音楽界をぶっとく支えてくれる2枚

1. 宇多田ヒカル『HEART STATION』
宇多田ヒカル“HEART STATION”プロモ・クリップ

 まずは日本が誇る歌姫、宇多田ヒカルの5枚目『HEART STATION』(3月19日発売)から。前作『ULTRA BLUE』からご自身で打ち込みまでやられているということであります。ほぼ全曲打ち込みとなっておりまして、非常に細かいプロダクションがなされております。エレクトロニカ~ハウスを吸収した感のある音の感触と、R&Bマナーと歌謡を折衷したようなメロディーの組み合わせがなんとも日本的。さりげない日常会話に普遍的なことを織り込む、ユーミン・マナーな歌詞のセンス、バランスもとても優れております。音楽好きの若者が聴いても文句の付けようがないのではないでしょうか。ちなみに、このCDのプロモ盤はDVDで届いておりまして、一度自分のメールアドレスを登録 → ディスクを挿入したときに表示されるランダムなメールアドレスにメールを送信 → 送られてきたパスワードを入力。といった複雑なステップを踏まなければ聴くことができないのです。プロモ盤からしてすでにすごい!

2. キリンジ『7 -seven-』

 続いては、キリンジの7枚目。タイトルはそのまんまな『7 -seven-』(3月19日発売)であります。配信限定でリリースされた7枚のシングルを収録したこちらのアルバム。前作『DODECAGON』がエレクトロニックな音色やビートを多様した、いわゆるキリンジ的ではないアプローチだったのですが、本作はそんなことはありません。とはいえ、楽器の編成や曲の作りにといったちょっとした部分には遊びが含まれ、トリッキーなことをやってもトリッキーには聴こえない。楽しさと成熟の両方を味わうことができる1枚なのでした。近日中にインタビューをアップしますので、詳しいことはそちらでご覧いただけましたらと。

不安と安定を交互に味わえる2枚

3. TOKYO No.1 SOUL SET『No.1』

 復帰作となった05年の『OUTSET』から3年、ソウルセットの新作『No.1』(3月19日発売)がお目見えであります。なんでも本作は、川辺氏のサンプリング・トラックの上にどんどん音を重ね、最後にそのトラックを抜く、という手法で作られているのだそう。それゆえか、ビートは抑え目で、バンド感強めの構成の曲が多いのです。ですが、後半になるとどんどんとディープになり、ラスト2曲はカオティックと言ってもいいほどであります。逆回転+ロボ声の“Good Morning Tokyo”、8分を超えるダブ・ハウス“Just Another Dub”で締め。手法は違いますが、Sly Mongooseにも似た、濃密度がたっぷり味わえる1枚でありました。

4. Sons & Daughters『This Gift』
Sons & Daughters“Gilt Complex”プロモ・クリップ

 お次は、ドミノ所属のグラスゴー・バンド、サンズ・アンド・ドーターズの新作『This Gift』(3月12日発売)であります。元スウェードバーナード・バトラーをプロデューサーに迎えたこちらの作品は、セカンド・フル・アルバムにしてとてつもない安定度をたたき出しております。ソフト・ガレージなバンド・サウンドにパンキッシュな女性ヴォーカル、といった編成もわかりやすい。フランツのお気に入り、という触れ込みも手伝って、数年で加速度的に知名度を上げる可能性が大なのではないかと思われるのであります。

聴いているとつい踊ってしまう2枚

5. Atomic Hooligan『Sex, Drugs and Blah Blah Blah』
Atomic Hooligan “I Don't Care”プロモ・クリップ

 ケミカルプロディジーという触れ込みでデビューしたUK2人組みダンス・ユニット、アトミック・フーリガン。セカンド・アルバム『Sex, Drugs and Blah Blah Blah』(3月19日発売)は、これまたアッパー過ぎるほどアッパーなアルバムです。ブリーピーなベースと大げさなSEが大量投入された1曲目から、脳内パーリーがスタートしてしまうのでした。ひどい言い方をすればアホっぽいのですが、このぐらい突き抜けるといさぎよさすら感じるのであります。水商売世界の住人と音楽ファンの両方をさらっていくような存在になって欲しいです。

6. You Say Party!We Say Die!『Lose All Time』
You Say Party!We Say Die!“OPPORTUNITY”プロモ・クリップ

 さて、ラストはカナダのダンス・パンク・バンド、ユー・セイ・パーティー! ウィー・セイ・ダイ!のセカンド・アルバム『Lose All Time』(3月12日発売)を。ガールズ・ライオット的な匂いを感じさせつつ、パーティー至上主義。タンタン足踏みをせずには聴けない痛快な作品であります。中域の音がごっちゃごちゃに混ざったジャンク・サウンドですが、肝心のヴォーカル&コーラスがとても練られていて、聴きやすい。女性ヴォーカルものでパンキッシュで激キャッチー、というラインは世界共通言語なのでしょう。もちろんわが国でも人気が出ないはずがありません。CSS好きもゴー!チーム好きもきっと虜になるはずです。

 といった感じで今回も咳をこらえながらお送りいたしました。来週はもっとよい盤を紹介させていただきます。では、さようならー。

●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. 宇多田ヒカル『HEART STATION』
2. キリンジ『7 -seven-』
3. TOKYO No.1 SOUL SET『No.1』


4. Sons & Daughters『This Gift』
5. Atomic Hooligan『Sex, Drugs and Blah Blah Blah』
6. You Say Party! We Say Die!『Lose All Time』

今週の5,6枚 の最新記事

友達にメールで教える

  • はてなブックマーク
  • newsing(ニューシング)
  • del.icio.us

特集・コラム コンテンツ