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No.060 日本の〈地球幸福度指数〉をもっと上げる6枚

2008/02/25 | タグ:

Text:田家 大知

 かなり今さらの話題で申し訳ないですが、〈地球幸福度指数〉って知ってました? 僕は恥ずかしながら先日初めて聞きまして、イギリスの独立系シンクタンクが決めた、人間の幸福(human well-being)と生態学的効率(ecological efficiency)との関係を表す尺度だそうです。

 要は、地球に負担をかけずに、心身ともに幸福な人生を送ることができるかという指標のようで、日本は95位。低いですね。ちなみに1位はバンジージャンプ発祥の地、バヌアツ共和国だそう。まあ、イギリスが108位、アメリカが150位と先進国は軒並み低いのですが、この6枚を聴けば我々がもっと幸せになって日本の順位が上げるはず!!

コラボレーションでさらなる新境地へ飛び立つ2枚

1. BoA『THE FACE』
BoA“Sweet Impact ”ライヴ映像

 まず最初はBoAちゃんの6枚目のアルバム『THE FACE』(2月27日発売)です。これ、何がすごいかってヴォリュームがハンパない。収録曲の全15曲のうち(限定生産盤はボーナストラック1曲を追加した全16曲)、タイアップが9曲ですから、これ聴いたことある!ってばかりです。しかも、DOPING PANDAのYutaka FurukawaとWISE、SEAMO(ボーナストラックのみ)とコラボしていることで、これまでの作品とは違うロック/ファンク/ヒップホップ的な要素が増し、ファン層はかなり広がるはず。BoAさんの才能はまだまだ発掘されていない鉱脈があると思うし、ポテンシャルは高い人だから、今はどんどん多くの人とコラボすべき時期に来ていると思います。まさにベストタイミングでのリリースと言えるでしょう。

2. SOFFet『NEW STANDARD』
SOFFet“東京ホタル”プロモ・クリップ

 続いて、SOFFetのアルバム『NEW STANDARD』(2月27日発売)です。これはメジャー・デビュー5周年記念作とのことで、MONGOL800wyolicaDEPAPEPEFull Of HarmonyGAKU-MC日之内エミ、KURO from HOME MADE 家族SEAMOSpinna B-ILLSunaga t experienceというジャンルレスな豪華アーティストが参加。しっとりと聴かせるジャジーなバラードはもちろん、モンパチとのロックな曲“ひとりじゃない”やドラムンベースなアゲ曲の“Jackal”まで、相変わらずの豊かな音楽性を発揮しています。でも、何より素晴らしいのは、どんなジャンルに挑戦しようとも、根底に流れる武蔵野的な雰囲気が温かくて優しくて安心させられるんですよね。早くお花見に行きたくなりました(2人は武蔵小金井出身。ちなみに武蔵小金井のカレー屋〈プーさん〉は超絶品!)。

極東ロック最前線で生命を賭して戦い続ける2枚

3. FULLARMOR『CATARACT』

 昨年7月のミニ・アルバム『Zion』も大好評だったホリエアツシ(ストレイテナー)、日向秀和(ストレイテナー)、井澤惇(LITE)、大喜多崇規(ズボンズ)から成るFULLARMORの新作『CATARACT』(3月19日発売)です。前作でもその武士道みたいにストイックな音とロックの死神が宿ったような狂気に鳥肌が立ちましたが、今回もすごいです。いきなり暴走族が集会でジャズをコピーしているようなブリブリチューン“ELEPHANT KING”から始まり、2曲目は一転して鍵盤が美しいブレイクビーツ“Good Morning Charlie”。5曲目の“華厳”って曲が特に意味わからなくて、最高にかっこいいです。インテリさんも、武闘派さんもひれ伏す説得力抜群のトラック7曲。彼らにはロックな人とではなく、フリージャズ系の人たちともっと絡んでほしいですね。ニューエイジな野外レイヴとも相性よさそうです。

4. ASIAN KUNG-FU GENERATION『ワールド ワールド ワールド』
ASIAN KUNG-FU GENERATION“アフターダーク”プロモ・クリップ

 そして、ロック最前線と言えば彼ら。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの通算4枚目のアルバム。『ワールド ワールド ワールド』(3月5日発売)です。先行シングルで新機軸を打ち出していたので期待はしていましたが、とんでもないです。超予想以上です。1曲目“ワールド ワールド ワールド”から嵐のようなスタートダッシュを見せ、ちょっとオバカで脱力系のコーラスが微笑ましい“NO.9”やハードロック/メタルなリフに燃える“ナイトドライビング”の四つ打ち2連発が特にヤバくて、このアルバム最大のヤマ場です。もしプロ野球選手だったらこの2曲で8,000万円くらい年俸が上がっていると思います。もちろん疾走&激情系のトラックも充実で、言うならば初期の勢いに表現力が増したような無敵の傑作です。これは売れて売れるべきだと思いますので、アジカンを聴かず嫌いな人もぜひ聴いてみて下さい。

既存のロックをズタズタに切り裂き、再構築と再破壊を繰り返す2組

5. EL-MALO『Noface Butt 2 Eyes』
EL-MALO 復活お知らせ映像

 そしてそして、ロックの解体専門家と言えばこの人たち。90年代を駆け抜けた渋谷系の裏番長、柚木隆一郎と曾田茂一のゴールデンコンビからなる、EL-MALOの奇跡の新作『Noface Butt 2 Eyes』(3月19日発売)です。93年のデビューから、ロックとダンスミュージックをグッチャグチャのミンチにして奇妙なオリジナル創作料理を作り続けてきた彼らですが、当時は圧倒的に新しい感じがしたのに、今聴くとすごく90年代的な空気を強く感じる。でも、それが余計に今の閉塞したシーンに飽きた人々を覚醒させてくれると思います。当時好きだった人は熱狂すること間違いなし、初めて触れた若いファンたちは「なんじゃこりゃー!!」と彼らの過去作品を血眼になって探すことでしょう。近々、インタビューを掲載予定ですので、お楽しみに!

6. PANICSMILE『10songs,10citeis.』

 EL-MALOが渋谷系の裏番長なら、こちらは東京ライヴハウス・シーンの裏番長であり、福岡発のカリスマ、PANICSMILEが2001年に発表した名盤サード・アルバム『10songs,10citeis.』(発売中)がめでたく復刻です。この作品は石橋英子(ヴォーカル、ドラム)、ジェイソン・シャルトン(ギター)が加入した現布陣での初録音作であり、現代音楽~フリージャズの要素を含んだ今の方向性を決定づけたもの。バキバキの変拍子と変態リフがえんえんとループを繰り返し、そこに乗るキテレツかつ文学的な歌詞とメロディが聴く者の脳をトロトロにトリップさせる危険極まりないパンク・アルバムです。録音状態はそんなによくないですが、そんなの関係ないです。一音一音に込められた沸点の高いソウルに火傷しまくってください。

 そんなこんなで、打倒バヌアツ!な精神で幸せに暮らしましょう。また来週!!

●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. BoA
『THE FACE』
2. SOFFet
『NEW STANDARD』
3. FULLARMOR 『CATARACT』


4. ASIAN KUNG-FU GENERATION 『ワールド ワールド ワールド』
5. EL-MALO
『Noface Butt 2 Eyes』

6. PANICSMILE
『10songs, 10citeis.』

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