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No.044 さよなら付和雷同! 私は私の道を行く6枚

2007/10/29 | タグ:

Text:田家 大知

 亀田くん騒動や朝青龍くん騒動、古くは「あるある~」の納豆ダイエット騒動など、我々ハポネスの付和雷同ぶりは相変わらず異様なエネルギーだなーと思うわけですが。あんまりメディアの煽動や大衆の世論に惑わされないようにしないと、一瞬で濁流に飲み込まれて自分を見失ってしまいますからね。そんなことにならないように、しっかり地に足をつけて、私は私、あなたはあなたの、オリジナルロードを突き進むことを支援する6枚を紹介いたします。

都会生活に慣れた人々をハッとさせてくれる2作

1. YOSHIMIO『Live』

 まずは、トップバッターとしてはちょい濃いめですが、BOREDOMSYOSHIMIが〈YOSHIMIO〉名義にて発表するアルバム『YUNNAN COLORFREE』(11月21日発売)。中国雲南省の民族衣装をモチーフにしたドキュメンタリー映画「雲南COLORFREE」のサントラ盤です。キム・スンヨン監督の映画「チベット・チベット」にYOSHIMIが共感したことが、今回の共作のきっかけとなったそうですが、この作品に込められた魑魅魍魎感はすさまじいです。ボアの持つオシャレチックな感じとか宇宙的なものを期待して聴くとケガします。中国雲南省の民族音楽とYOSHIMIがコラボして、ソニック・ユースキム・ゴードン参加のヴォーカル楽曲もあり。中国の片田舎にYOSHIMIと交信できる人々がいるということにも驚きですが、出来上がったサウンドのわけわかんなさは格別です。子供が黒魔術に興じているような、聴いてはいけないものを聴いてしまったかのような感覚。窮屈な日々に辟易している人はこの一枚で壮大な旅に出かけられますよ。

2. tobaccojuice『HAPPY REBIRTHDAY』

 そして2番手は、tobaccojuiceが06年12月にインディーズで発表され好評を呼んだアルバム『HAPPY BIRTHDAY』に、ライヴ・トラック4曲を追加して生まれ変わった再発アルバム『HAPPY REBIRTHDAY』(11月7日発売)を。昔の話ですが、僕が彼らを初めて観たのは6~7年前の渋谷DESEOというライヴハウスにて。全然お客が入ってなかったイベントだったけど、彼らのライヴの時だけは空間が異質で、吸い寄せられるように引き込まれていった記憶があります。なんで今の時代のこの国で、こんな音楽が生まれるの?ってくらいに自由で美しかった。本作を聴いてもその時の印象は色あせず、全体に満ち満ちたノスタルジックなグッド・バイブレーションが本当に気持ちよくって、長く愛されるタイムレスな作品だと思います。

おもしろ30代、40代を過ごすモデルケースの2組

3. V.A.『TOKYO PUDDING presents TOKYO SOUNDSCAPES』

 単なる企画ユニットで終わらずに、なんと10周年を迎えた東京プリンが、東京という街にフォーカスを当てて作ったメモリアル・アルバム『TOKYO PUDDING presents TOKYO SOUNDSCAPES』(11月7日発売)です。この作品に参加しているメンツがすごいのなんのって、中塚武DE DE MOUSEカジヒデキ、ハヤシベトモノリ(Plus-Tech Squeeze Box)、her space holiday、安田寿之(ex.FPM)、JazztronikYMCK、hiroko(mihimaru GT)、箭内道彦という、今をときめく最先端トラックメイカー&アーティスト&CMプランナーが多数参加。特にDE DE MOUSEとmihimaru GTのhirokoなんて組み合わせは他じゃありえないと思います。東京プリンの底力を見せ付けられた気がしました、あんな大人になりたいですね。

4. ANATAKIKOU『YELLOW MATADOR』

 そして、お次はANATAKIKOUのニュー・アルバム『YELLOW MATADOR』(11月7日発売)を。アルバム・タイトルが美しい響きですね。意味は黄色い闘牛士?かな? 彼らもデビューが30歳過ぎてからの遅咲き組ですが、だからこそ、こんな香り高く味わい深いドリップコーヒーみたいな、つゆだくサウンドが鳴らせるんでしょう。ダンサブルで、老獪で、歌心があって、聴いているとヘロヘロと力が抜けていきます。この中毒性は若者に出せるものではないです。どこの世界でもそうですが、ニッポンでは年齢で人を判断しすぎですよね。若くたって、年とってたって、おもしろい人はおもしろいのに。スポーツ界でもそう。無残にクビ切りすぎだと思います。

有無を言わさずよかった!2枚

5. Goodings RINA『大都市を電車はゆく』

 最後に今回とにかくガツンときた2枚を。まずは、G.Rinaが名前を本名のGoodings RINA(グディングス・リナ)に戻してリリースする『大都市を電車はゆく』(11月21日発売)です。僕、大変お恥ずかしながら彼女の作品をCDでしっかり聴いたことがなくて、RUB-A-DUB MARKETの“恋のファンデーション”を聴いて、「なんて魅力的な声の持ち主なんだー!」って思ったくらいの、時代遅れ人間だったのです。そしたら、このアルバム。まず1曲目の“Life”を聴いてぶっ飛びました。レゲエとも哀愁ギターポップとも歌謡曲とも言える多彩で不可思議な感じ。コスモポリタン・ポップという表現がぴったりだと思います。shing02、YAS-KAZ、cro-magnonAFRAとゲストもいっぱい。“恋のファンデーション”のソロ・ヴァージョンもありますので、ラバダブ・ファンの皆様は聴き比べてみて下さい。こうして書いている間にも、“大都市を電車はゆく”のサビが頭から離れません。

6. Los Campesinos!『Sticking Fingers Into Sockets』

 そして大トリは、ブロック・パーティークラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーなどを輩出した名門人気レーベル〈ウィチタ〉からの大注目新人バンド、ロス・キャンペシーノス!の日本デビュー盤となるEP『Sticking Fingers Into Sockets』(日本盤11月21日発売)です。彼らは06年にウェールズで結成された男女7人バンドでして、ウェールズという土地柄か、ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキを垢抜けさせたような印象。とにかくジャングリー・ギター・ポップとかローファイとか、あの辺が好きだった人なら間違いなくハートにズギュン系です。僕が10代の頃に身も心も捧げたドイツのバンド、スロー・ザット・ビート!とかも思い出して泣けました。ペイヴメントのカヴァー曲“Frontwards”も最高にキマってるし、ブロークン・ソーシャル・シーンアーキテクチャー・イン・ヘルシンキ辺りのファンにももちろんオススメです。

 以上、これらのディスクを聴いて、あなただけの有意義な時間をお過ごし下さいね。謝罪会見はもうイヤだー! また来週―!

●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. YOSHIMIO『YUNNAN COLORFREE』

2. tobaccojuice『HAPPY REBIRTHDAY』

3. V.A.『TOKYO PUDDING presents TOKYO SOUNDSCAPES』


4. ANATAKIKOU『YELLOW MATADOR』

5. Goodings RINA『大都市を電車はゆく』

6. Los Campesinos!『Sticking Fingers Into Sockets』

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