No.037 残暑の季節に暑苦しい6枚
2007/09/10 | タグ:カニエ・ウェスト スーパー・ファーリー・アニマルズ タリブ・クウェリ 岡村靖幸 平井堅 浅丘ルリ子
ワタクシが担当する週は、ともすると女性作品ばかりになりがち。これはいかんと思い、今回は意識的に男性アーティスト作品を並べてみました。残暑の季節に暑苦しい6枚をガツンとお届けします。ホメオパスな同毒療法としてご利用くださいませ。
平井堅“fake star”まずは平井堅、今年3枚目のシングル“fake star”。沢尻エリカが出演している明治製菓〈fran〉のCMソングとして大量オンエア中ですが、いいですね~。ひんやりと湿り気を帯びた硬質ファンク・チューン。上げ過ぎずに抑制させた展開が、逆に楽曲の持つ〈エロさ〉を際立たせており、平井堅にぴったり。ブレイクでジャジーな4ビートへ転換するあたりも非常に気が利いております。堅が外国女性とキスをかますプロモ・クリップが話題を集めてますが、楽曲自体の方がはるかにヤバい、というかエロいと思います!
岡村靖幸“はっきりもっと勇敢になって”エロいファンクと言えば、日本ではこのお方、岡村靖幸。すったもんだがありましたが、シングル“はっきりもっと勇敢になって”で見事前線に復帰であります。00年代に入ってからの岡村ちゃんは現代的なファンクの追及にばかり心血を注いできた感があったのですが、今作では、彼が本来持ち合わせていたポップな気質が久々に爆発。みずみずしいチャームに満ちた会心の1曲です。この調子でガンガン活動して行って欲しいですね。
ヒップホップの注目盤
Talib Kweli『Ear Drum』お次はヒップホップを2枚ほど。90年代後半のアングラ・ヒップホップ界を代表するリリシスト、タリブ・クウェリ。ずいぶん前からアナウンスされていた新作『Ear Drum』がやっとリリースされました。ビート提供者は、カニエにジャスト・ブレイズ、ウィル・アイ・アム、盟友ハイ・テックなど。フィーチャリング陣は、ノラ・ジョーンズにジャスティン・ティンバーレイク、ミュージック・ソウルチャイルド……といった具合。大メジャーのワーナー移籍後の初作だけあって超豪華。インタールードにサーラーを起用ってのもトレンドをわかってらっしゃる。当人のコンシャス・ラップっぷりが相変わらず絶品なのは言うまでもないでしょう。
Kanye West 『Graduation』そのタリブのアルバムにも参加しているカニエの3作目となるソロ・アルバム『Graduation』もついに到着。先行シングルがダフト・パンクとのコラボ曲という変り種だったので、どんな作品になるのか見当もつきませんでしたが、蓋を開けてみればオーソドックスなカニエ印が刻まれた、キャッチーなヒップホップ・アルバムでありました。クリス・マーティン(コールドプレイ)にドゥウェレ、ジョン・レジェンドと、シンガー勢の起用が多いからか、これまで以上にメロウ志向が強いかも。
日本が誇るアートなジャケ作品
Super Furry Animals『Hey Venus!』
カニエのアルバムは村上隆のアート・ワークが話題を集めましたが、この他にも日本の芸術家ジャケのアルバム2枚をご紹介いたします。宇川直宏とのコラボなどでも知られる田名網敬一がジャケを手がけたのが、スーパー・ファーリー・アニマルズの新作『Hey! Venus』。カラフルなサイケ・ポップが、さまざまなヴァリエーションで生き生きと展開されており、バンドの好調っぷりがうかがえる一枚です。40分弱に凝縮された収録時間もいい感じ。
浅丘ルリ子『浅丘ルリ子のすべて~心の裏窓』最後は再発もの。浅丘ルリ子の69年作『浅丘ルリ子のすべて~心の裏窓』が紙ジャケ仕様で復刻されました。度肝を抜かれるジャケを担当は横尾忠則先生であります。フロア殺しのボッサ名曲“しゃむ猫を抱いて”が有名すぎるアルバムゆえに「和モノ・レア盤系ね~」なんて感じで受け流されそうですが、アルバム一枚通して素晴らしい歌謡作品だと思いますよ。ヴォーカルにかけられた深~いエコーに飛ばされます。ではまた来週。
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