No.036 がばいねえちゃん&兄ちゃんによる破天荒なディスク6枚
2007/09/03 | タグ:KTタンストール ザ・クロマニヨンズ リア・ディゾン 中納良恵 吉井和哉 東京事変
ベッタベタなタイトルですみません。だいぶ古い話題ですが、ミラクル佐賀工の快挙に感動し、その流れで今さらながら島田洋七さんの超ベストセラー〈佐賀のがばいばあちゃん〉シリーズを全種類読了。あんな風にタフ&パワフルに生きていきたいですね。そんなわけで、今回は音楽シーンにおける、がばいねえちゃん&兄ちゃんによる破天荒なディスク6枚を紹介いたします。
うらやましい歳のとり方をしているがばい兄ちゃんによる2枚
吉井和哉『Hummingbird in Forest of Space』まずは吉井和哉さんのソロ4枚目となるアルバム『Hummingbird in Forest of Space』(1番、9月5日発売)から行きますね。正直に言いまして、僕は吉井さんがソロになってからは、シングルでしか追っていなかったのですが、アルバム聴いて驚きました。UKロックともUSオルタナともニュー・ウェイヴともグラムロックともつかない、謎の和風ロックとでも言うのでしょうか。シングルになってる曲は熱い曲調のものが多いのに、このアルバムに散りばめられている曲は何も考えずに作ったようないい意味で自由な適当感あふれるものばかり。そのツルっと生まれた感がリスナーの心にスイスイと入ってきます。不思議な歌詞もいいです。大人の男をホロリと泣かせてくれるアルバムですよ。
ザ・クロマニヨンズ『CAVE PARTY』そして、吉井さんと並んで、うらやましい歳のとり方をしている大人代表のヒロト&マーシー率いるザ・クロマニヨンズのセカンド・アルバム『CAVE PARTY』(2番、9月12日発売)を。『CAVE PARTY』なんて名づけるだけあり、洞窟の奥でおっさんと子供が騒いでいるような原始的なパーティ・アルバムです。昨年10月に発売されたファースト・アルバムでも、むき出しの裸ん坊ロックを鳴らしていた彼らですが、この作品はもっと幼いです。クラッシュやセックス・ピストルズ、ラモーンズなど偉大なる先駆者たちのファースト・アルバムに匹敵する初期衝動を感じました。幼稚園児に聴かせて反応を見たいですね。
規格外の存在感を放つ女性2人による2枚
中納良恵『ソレイユ』ライヴを観るたびに、この人のエネルギーはどこから出てくるのだろう?と唖然とさせられる女性2人による2枚を。まずは、EGO-WRAPPIN'のがばいねえちゃん、中納良恵による初のソロ・アルバム『ソレイユ』(3番、9月26日発売)です。向井秀徳(ZAZEN BOYS)、リトル・クリーチャーズの青柳拓次&栗原務、トウヤマタケオ、鈴木惣一朗、Tokie、あらきゆうこなど多彩な面々が参加した本作は、彼女のひとりの女性としての側面にスポットを当てたフォーキーなアルバム。EGO-WRAPPIN'の時のお祭り騒ぎのような歌いまわしとは全く違い、別人のようです。いつもは強がる女の子の弱い一面を見たようで、ドキドキしてしまいました。
東京事変『娯楽(バラエティ)』そして、もう1人の日本が誇るがばいレディ、椎名林檎女史率いる東京事変の3枚目のアルバム『娯楽(バラエティ)』です。久々の椎名林檎名義でのソロ活動を経て作られた再始動1発目となる本作は、各メンバーが持ち寄った楽曲から厳選した曲を椎名林檎が作詞と歌唱に専念したもの。プログレッシブな展開の“Osca”、“幸福論”を思い起こさせるストレートな名曲“キラーチューン”など、先行シングル2曲で見せた振り幅の広さそのままのバラエティに富んだ楽曲が並びます。『教育』『大人(アダルト)』の過去2作に比べても、もっとも奥深い作品ではないでしょうか。それぞれがヴォーカルを交代して歌う暗黒ポップス“某都民”や、キャッチーなサビ&歌詞の“金魚の箱”が非常に個人的にツボでした。女子よりも、男子ファンからの評価が高そうな気がします。
自らの個性を追求する洋楽女性シンガー2組
KTタンストール『Drastic Fantastic』では最後の2組としては、まずはスコットランドから世界に羽ばたいたシンデレラ・ガール、KTタンストールのセカンド・アルバム『Drastic Fantastic』(4番、9月5日発売)です。映画「プラダを着た悪魔」に使用された“Suddenly I See”が爆発的ヒットし、前作『Eye To The Telescope』が世界で350万枚を売り上げるなど、彗星のごとく現れた彼女。プレッシャーもすごかったと思うけど、今作ではそんな周りからの声に惑わされることなく自身の音楽的ルーツに返りました。ブルースやR&B的なアプローチを試みたリード曲“Hold On”をはじめ、ポップなメロディが頭から離れない“I Don't Want You Now”、ロッキンなサウンド心地よい“Saving My Face”など、引き出しの多さを感じさせる名曲揃い。ファーストの勢いそのままにチャートを賑わせてくれそうです。
リア・ディゾン『Destiny Line』そして大トリを飾るのは、表紙にすれば雑誌が必ず売れると言われるロリカワ・シンガー、リア・ディゾンのファースト・アルバム『Destiny Line』(6番、9月12日発売)を。そもそも彼女が邦楽なのか洋楽なのかわかりませんが、内容は大方の予想をいい意味で裏切るものとなっています。というのも、まずは彼女がこんなに音楽的にディープな作品を作っているとは露とも知らず。英語で歌う超本格派なR&Bチューンから、加藤ミリヤやSowelu、melody.辺りのm-flo周辺の歌姫を彷彿とさせる日本語ダンス・ポップまで、知らない人に聴かせたら絶対に彼女が歌っているとは気づかなそうな楽曲が詰まっています。深夜のバラエティでアホなことをやらされている彼女と、こんな気合いに入って音楽をやっている彼女との、ギャップがもっと面白がられてきたら最高ですね。第2のパリス・ヒルトンを目指してほしいと思います。
大人になると事なかれ主義がいかに楽かってことがわかってきますが、そんなのじゃダメ、ダメ。これらのがばいねえちゃん&兄ちゃんのように闘い続けて、破天荒な人生をつかみ取っていきましょうね! ではでは、また来週!
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
『CAVE PARTY』
『娯楽(バラエティ)』























