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No.032 謹慎中の朝青龍関を励ますエネルギッシュな6枚

2007/08/06 | タグ:

Text:田家 大知

 ケガで夏巡業の休場届を出しながらも母国モンゴルでサッカーに興じていたのが発覚し、2場所出場停止と4ヶ月間30%の減俸、自宅と部屋と病院の往復しか許されない異例の謹慎処分が下された朝青龍関(相撲に興味なかったらごめんなさい!)。現在神経衰弱として診断された彼は不眠症と食欲不振が続き、このまま相撲も引退するのでは?という勢いだそうです。確かに今回のやったことは相撲界ではありえない不祥事だったかもしれませんが、彼がいなくては相撲がつまらないのは事実。どんなに悪童キャラでも敵が多くてもいいから復帰してほしい!というエールを込めて、今回は謹慎中の彼を励ますにぴったりなエネルギッシュな6枚を選びました。出る杭となって周りから叩かれているはみだし者たちも、人間関係に疲れて精神が弱り気味の方々もぜひチェックしてみて下さい。

国籍なんかぶっ飛ばせ! フリーダム・ライオットな2枚

The Go! Team『Proof Of Youth』
The Go! Team“Grip Like A Vice”プロモ・クリップ

 まず、トップバッターを飾るのが、ロック、ヒップホップ、ファンク、ブレイクビーツなど、多彩なジャンルをごった煮にしたグルーヴィー・ポップスで、〈ジャクソン5 meets ソニック・ユース〉 とも称されたイギリスの6人組、ゴー!チームのセカンド・アルバム『Proof Of Youth』を。なんたってこのタイトルとジャケを見ただけで、涙ちょちょぎれそうになります。〈若さの証明〉という意味でしょうか。これぞ若さ、これぞ青春です。前作で見せたサンプリング+スクラッチ+生演奏にラップが乗るという芸風は変わらない上、たまに見せるオルタナ・チューンも健在。話題のバイレ・ファンキ・バンド=ボンヂ・ド・ホレのマリーナ、パブリック・エネミーのチャックDやソウルワックスと、ゲストの顔ぶれもバラエティに富んでおり、前作が好きな人が満足することはもちろん、多くのファン層を新規開拓しそうです。あー、もう、こんなの聴いてたら我慢できませんよ。早くライヴを、ライヴを見せて下さい。フジロックで与えてくれた感動をもう一度僕らに! 日本人ドラマーのカイ・フカミ・テイラーが書いているブログ(→ こちら)も必読です!

The Samos『KAFKA HIGH』

 そして、お次は2004年に〈grooveを探す旅に出る〉という言葉を残し、シ-ンの最前線から忽然と姿を消したスケボーキングのフロントマン、Shigeoの新バンド=The Samos(セイモス)のデビュー・アルバム『KAFKA HIGH』です。上記のゴー!チームやクラクソンズラプチャーなど、欧米で盛り上がる自由なグルーヴを鳴らすバンドたちへの日本からの回答とも言える本作は、日本発という事実を全く感じさせない世界基準のダンス・ミュージックが詰まったアルバム。Shigeoが実の弟と組んだダンス・ユニット=moldの活動で得たエレクトロなリズムとメロウでねちっこいメロディ、流暢な発音で歌われる英語詞、荒々しい音色のベースが生む攻撃的なグルーヴは、自信を持って世界の人々に聴かせたくなります。GREAT ADVENTUREカサビアンなどのファンにもオススメです。

この夏、日本中をダンス色に染める2枚

RYUKYUDISKO『INSULARHYTHM』

 さあさあ、猛暑と言えば海の季節。頭からっぽにしてビーチで泳いだり、大音量で音楽を流して車で海沿いをかっ飛ばしたくなりますが、そんなこの時期にぴったりのアルバムがRYUKYUDISKOの新作『INSULARHYTHM(インスラリズム)』です。〈島国根性〉という意味を持つタイトルの本作は、独特の文化を持つ〈島国〉沖縄から日本全国へ、そして極東の島国〈日本〉から世界へ発信されたというアルバム。沖縄人、日本人としてのアイデンティティを軸に表現された琉球テクノ全12曲が収録されています。なお、今回はBEAT CRUSADERSMONGOL800仲村奈月、KOTOMIなどの強力な面々をフィーチャーした歌ものの楽曲が目立ち、ロック/ポップスのファンも必聴。KOTOMIが歌う“夢のFUTURE”は、電気グルーヴの“虹”を彷彿とさせる感動系のキラーチューンです。

鈴木亜美 joins 中田ヤスタカ(capsule) “FREE FREE/SUPER MUSIC MAKER”
鈴木亜美 joins 中田ヤスタカ(capsule)“FREE FREE”プロモ・クリップ

 そしてお次は、すっかりコラボレーション女王の座へと躍り出た鈴木亜美が、今回はオシャレ王子の中田ヤスタカ(capsule)を招いて作られたニュー・シングル“FREE FREE/SUPER MUSIC MAKER”を。前回のアルバム『Connetta』でのコラボ乱れ撃ちは多少消化しきれてなかった部分もあったかと思いますが、この曲では彼女の歌声と中田ヤスタカの作るアッパーなトラックがものすごくフィットしていて、何も考えずに踊れます。別人のようなセクシーさで、吹っ切れたように踊るPVも驚かされました。この曲をきっかけに大化けしそうな気がします。

大人たちの涙腺をゆるませる2枚

Raul Midon 『A World Within A World(邦題:世界の中の世界)』
Raul Midon“Pick Somebody Up”(『A World Within A World』収録曲)ライヴ映像

 そして続いてお届けしますのが、疲れた大人たちの涙腺をゆるませる2枚を。まずは、盲目のギター・ソウル・シンガー、ラウル・ミドンのセカンド・アルバム『A World Within A World(邦題:世界の中の世界)』を。幼い頃から〈どんなものでも音楽に聴こえた〉という彼が作る楽曲は本当に心に染みる優しさがあります。父の故郷であるアルゼンチンのフォーク・ミュージックやクラシック、ポップス、ソウル、ジャズなど、あらゆるジャンルの音楽からの影響を感じさせる色彩豊かな楽曲を、卓越したテクニックと抜群の歌唱力で聴かせます。本作は前作以上にR&B色が濃くなっているため、より上の世代にも訴えかける内容となっています。

筋肉少女帯『新人』

 そして今回の大トリを飾っていただくのが、昨年末にめでたく再結成を果たした筋肉少女帯の9年ぶりのニュー・アルバム『新人』です。“イワンのばか”“モーレツア太郎”さらには大槻ケンヂのソロ曲“Guru”のセルフ・カバーを含む全15曲を収録した本作は9年というブランクを全く感じさせない力作。僕がこのアルバム聴いた時、なんとも言えぬ懐かしさと期待を遥かに超えた衝撃とうれしさでしばし立ち尽くしちゃいました。筋少版“夜空ノムコウ”または、現代版“香菜、頭をよくしてあげよう”とも言える“その後orつづき”を聴いた時は満員電車の中でポロポロと涙。ドアーズ調のイントロが新鮮な“抜け忍”、わけのわからない歌詞がひたすらパワフルな“未使用引換券”、スラッシュ・メタルなイントロに爆笑する“ヘドバン発電所”、出戻りした自分たちのことを自虐的に歌う“新人バンドのテーマ”など、往年の輝きが全く失われていない新曲の数々には、一瞬たりとも退屈させられませんでした。今回は豊作ぞろいの6枚でしたが、ベスト1を挙げるとしたらあえてゴー!チームではなく、筋少で行こうかと思います。

 ではでは、そんなこんなで、当初のテーマからは多少それちゃったかもしれませんが、朝青龍関をはじめ、疲れているみなさんはこれらのエネルギッシュな作品を聴いて熱い夏を過ごして下さいね! また来週―!

●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. The Go! Team『Proof Of Youth』
2. The Samos
『KAFKA HIGH』
3. RYUKYUDISKO『INSULARHYTHM』


4. 鈴木亜美 joins 中田ヤスタカ “FREE FREE/SUPER MUSIC MAKER”
5. Raul Midon 『A World Within A World(邦題:世界の中の世界)』
6. 筋肉少女帯
『新人』

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