No.028 アラサー世代のナイスミドル予備軍を唸らせる6枚
2007/07/10 | タグ:ANA Beastie Boys FULLARMOR Kiiiiiii The Polyphonic Spree アナ ビースティ・ボーイズ ポリフォニック・スプリー 高見沢俊彦
勉強不足ですみません。〈アラサー〉という言葉が30歳前後の〈Around Thirty〉な人々を指す言葉だということを最近知りました。〈あら探しする人〉の略称かと思ってました。そんな覚えたてな言葉で恐縮ですが、今回はそんなアラサー世代のナイスミドル予備軍の人々が、焼酎でも飲みながら「いいねえ~、これ。誰?」と言いたくなるような6枚を選んでみました。あ、でも、10代、20代のみなさんもちゃんとチェックしてくださいね。高校卒業からアラサーまでは本当に一瞬ですから、ぼやぼやしないように。ていうか、世の中のアラサーもっと元気出そう! 昔バカやったなら、そのまま責任持って一生バカで!
永遠の少年少女たちによる2枚
まず本日のトップバッターは、そんなアラサーたちにとっては人生の師匠的存在であるビースティ・ボーイズの3年ぶりのニュー・アルバム『The Mix Up』(1番、発売中)を。全編生演奏によるインスト・アルバムです。以前にもインスト曲を集めたアルバム『The In Sound From Way Out!』がありましたが、あれは編集盤だったので、気合いを入れたフル・アルバムとしてはこれが初。マイクDがドラム、アドロックがギター、MCAがベース。それに加えてキーボードのマニー・マークとパーカッションのオルティズという黄金の布陣です。クルセイダーズとかタワー・オブ・パワーとかミーターズとか、彼らが影響を受けてきたと思われる古参バンドの匂いを感じたりと、言葉にしたいこともいろいろとありますが、この有無を言わせぬファンキーぶりは頭で考えるものではありません。とりあえず聴いて、感じて、踊って下さい。フジロックが楽しみすぎますね。世界中の大人たちがビースティを聴けば、怒りの沸点が何度か下がって温暖化防止になる気がします。
そして続いて、日本が誇る本能むき出しのオルタナ・ガールズ、u.tとLakin'の2人組バンド、Kiiiiiiiのファースト・アルバム『AL&BUM』(2番、発売中)です。ライヴでは人々の原始的な感性に訴えかける彼女たちですが、今回の作品はDJ Codomoがミックス、エンジニア、共同プロデュースで参加。びっくりするほどハイファイなダンスナンバーから骨がきしむようなヘンテコチューンまで、銀河系を極彩色に染めてしまうほどにアメージングな楽曲が満載です。彼女たちみたいなバンドがいる限り、日本は大丈夫だと思います。この作品は海外でもバカ売れしそうですね。
今のインディーズってどんな感じ? こんな感じ!な2枚
今の日本のインディーズ知らないなー、というアラサーのみなさん、まずは迷わずこれを聴いてください。福岡出身のスーパーハイセンスな3人組、アナのサード・アルバム『FLASH』(3番、発売中)です。宅録から発展したというバンドサウンドは、温かみのあるエレクトロニクスと生楽器とのバランスが絶妙。本人たちのキャラクターもヘナチョコ&ラブリーで、これで人気出ないわけがありません。小沢健二、スーパーカー、フィッシュマンズ、フリッパーズ・ギター、くるり、後期YOUNG PUNCH、NONA REEVES、Hi-5、SCHOOL GIRL '69などなど、その辺もろもろの刹那ポップスがお好きな人たちは間違いなくグッときますので、ぜひご拝聴下さい。
そして、もうひとつのインディーズの重要バンド、FULLARMORのニュー・アルバム『ZION』(4番、発売中)です。なじみがない人に説明しますと、このFULLARMOR、メンバーがベースに日向秀和(ストレイテナー、Entity of roude)と井澤惇(LITE、SEABARA)のツインベース体制、ドラムに大喜多崇規(ズボンズ)、ヴォーカル&ギター&キーボードにホリエアツシ(ストレイテナー)の4人というあまりにも豪華すぎるメンバー。この顔ぶれを見ると、ゴリゴリなロックを連想しそうですが、かなりビューティフル&ストレンジなインスト・アルバムです。ものすごく意外な音です。ホリエ氏の弾く鍵盤の、無国籍で浮遊感のあるフレーズにトリップさせられました。
〈ロック=様式美〉の公式にピタリと当てはまる2枚
無造作で汚い格好をして「曲だけがカッコよければいいんだぜっ」と鳴らすだけがロックではありません。やはりパフォーマンス、衣装、キャラ作りなどを綿密に練りこんでいくことで成功につながり、文化として後世に残されていくのです。そこで紹介したいのが、アラサーたちにはおなじみの、ロックの生き神様・高見沢俊彦さんの16年ぶりのソロ・アルバム『Kaleidoscope』です。氣志團の綾小路翔との共演シングル“千年ロマンス”でぶったまげた人は、まだまだ甘いです。アルバムには、UNDER THE COUNTER、音速ライン、キャプテンストライダム、グループ魂、THE LOCAL ART、スムルース、太陽族、つばき、ランクヘッド、Anchang(SEX MACHINEGUNS)、KOJI(Alvino、ex.La'cryma Christi)、土屋公平、ルーク篁(CANTA、ex.聖飢魔II)という、ファンたちが大喧嘩しそうな、闇鍋的メンツが参加。この作品が10年前に出てたら、カルトの一言で片付けられちゃいそうですが、現代の世の中が混乱しているのか、懐が深くなったのか、圧倒的に〈今〉を感じさせる大名盤です。高見沢先生には、城とか買ってロック王国を作ってほしいですね。
そして、先生には足元にも及びませんが、様式美ロックな存在と言えばこの人たち。総勢約25人からなる白装束集団、ポリフォニック・スプリーのおよそ3年ぶりとなるアルバム『The Fragile Army』です。前作はどちらかと言えば、童謡のようにポップ&ピースフルな楽曲だけが並んでいたので、聴きこむとちょっぴり物足りなかったりしたのですが(ライヴはすばらしかった!)、今回は激しめのロックや不穏で怖い曲も収録されていて、いろんな角度から楽しめます。日本盤のボーナス・トラックにはニルヴァーナの“Lithium”のカヴァーも収録。あれだけ陰鬱で暗い曲がこんなにハッピーな仕上がりになるのは、ポップ錬金術師の彼らにしかできない技でしょう。ニルヴァーナ狂のアラサーさんもおすすめです。
てなわけで、アラサーのみなさん、ステキな年のとり方してますかー? CD買ってますかー? 老いに不満を吐いて、栄養ドリンクとかマッサージ屋に頼る前に、とりあえずミュージックを! ジャパンにミュージックを! また来週ーー!
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です






















