No.026 まじりっけなしの6枚
2007/06/25 | タグ:BJORN TORSKE Crystal Kay EP-4 hexstatic PANG ビヨーン・トシュケ ヘクスタティック 面影ラッキーホール
どうもこんにちは。偽装牛肉ミンチが話題となっている昨今、みなさんいかがお過ごしでしょうか。社長発言のうかつっぷりについ笑ってしまいがちですが、笑ってばかりもいられないような気もします。それはそれとして、今週は偽装なしの純度100%、まじりっけなしの6枚というタイトルで作品をご紹介していきたいと思います。
〈日本のうた〉が堪能できる3枚
クリちゃんの愛称でおなじみ、Crystal Kayのニュー・アルバム『ALL YOURS』(1番、発売中)であります。昨年リリースされた前作『Call me Miss...』では、アンジー・ストーンを意識したジャケット(→ アンジー・ストーン『Black Diamond』、クリスタル・ケイ『Call me Miss...』)、からも明らかなように、元気一杯な振る舞いの少女的イメージから一皮向けた〈大人のクリちゃんへ〉というテーマが提示された作品でした。こちらのアルバムは、それをさらに一歩進めるような内容であります。潤いのあるしっとりバラードもあれば、アメリカのR&Bに呼応するようなスパイスの効いたビートも存在。それらを悠々と乗りこなすクリちゃんの柔軟さが見える作品と言ってよいでしょう。いろんなクリちゃんが味わえる本作の中でも、プッシュしたいのがラスト曲“Last Kiss”。アコギがメインで進行しつつも、ゴージャスなホーン&ストリングスとチープなヴォコーダーが絡むアンビバレンツさがいいフックを生み出しております。
続いては、ジャパレゲ界のムードメイカーPANG、3枚目のフル・アルバム『PANG III ~絆~』(2番、7月4日発売)をご紹介いたします。ロングの編み込みから坊主頭にイメージ・チェンジしたことが作品に反映されているかといえば、そんなこともなさそうです。これまでどおりのリラクシン&ピースフルなムードが充満した本作。タイトル・トラック“きずな”には、MEGARYUが参加し、文字通り2組の絆を築いているのが見て取れるのです。彼女のラヴァーズ志向が良く出た“My Friend”、TUFF SESSIONが演奏している“晴れ”など、聴き所は多数用意されております。
今年4月にはPerfumeとの共演を果たすなど、多岐に渡る活動で知られる歌謡ファンク・バンド、面影ラッキーホール。彼らのシングル“パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた…夏”(3番、7月6日発売)がリリースされます。色モノ的な要素が所々に埋め込まれながらも、ホーンやコーラスを大量投入したヴォリュームある演奏や過剰にドラマチックな歌詞でリスナーの心をわしづかみにするこちらのバンド。すさまじいタイトル曲のほかに、“今夜、巣鴨で”、“俺のせいで甲子園に行けなかった”、“夜のみずたまり”など、バンドの売りであるライヴ音源もたっぷり収録。さらには、ライヴDVDもセットになったお徳盤であります。
海外クラブ界の現在が見えてくる2枚
リンドストローム&プリンス・トーマス以降、なにかと注目を集めるノルウェー産ダンス・ミュージック。90年代から活動している北欧クラブ界ではパイオニア的存在と言われる、ビヨーン・トシュケの『Feil Knapp』(4番、発売中)が発売されました。澄んだ音色が多くを占め、徹底してメロウで浮遊感のあるハウスに仕上がっています。現在のクラブ・トラックには奇をてらったキツメの音が優遇されているように思われますが、彼はその点においても非常にスマート。ダビーな楽曲から、ディープ・ハウスまで、どこを切り取っても夢見心地にさせてくれるのが素晴らしい。リスニング・ハウスものとして、長く聴かれるべき作品ではないかと思います。
クラブものをもう1枚。NINJA TUNEの映像魔術師ことヘクスタティック、3年ぶりの新作『When Robots Go Bad』(5番、発売中)でございます。数多くのヴォーカリストを迎えて制作されたこのアルバム。ゴリッゴリのアシッド・ハウス、80年代のファンクをなぞったような曲、カットアップ的ビートが効いた曲などがエレクトロ・コーティングされ、ヘクスタティックの現役っぷりを明確に示してくれております。映像と音楽のシンクロをテーマに活動してきた彼らだけあって、当然本作はDVD付きとなっております。
80年代のアングラ音源が初CD化
ラストは再発モノを1枚。80年代の邦エレクトロ・ファンク・バンド、EP-4唯一のアルバム『昭和大赦 リンガ・フランカ1』(6番、7月21日発売)であります。ジャケットに使用されているのは、1980年に起こった金属バット両親殺害事件の現場となった民家。アルバム全体に漂う不穏な空気感と呼応して妙な存在感を放っております。ファンク~ワールドの日本人解釈をエレクトロという串で突き刺したようなこのバンドの感覚は、〈希少価値が付いている〉といったバイアス抜きにしても聴く価値ありではないでしょうか。80年代に充満していた拡散しようとする勢いは、アンダーグラウンドもオーバーグラウンドも関係なく伝わってくるということが理解できる作品でありました。
……と、まとまったんだかまとまってないんだかわかりませんが、今週はこれにておしまい。次回もよいCDをご紹介させていただきますー。さようならー。
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
『PANGIII ~絆~』
『When Robots Go Bad』
『昭和大赦 リンガ・フランカ1』























『ALL YOURS』