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MELLOWHYPE、JOHN MAUSほか、佐藤一道が選ぶ6枚

2011/07/20

Text:佐藤一道

 夏本番! 暑いですね~。体調を壊されてはいませんか? そんな夏バテ気味の人にお届けしたい、ひんやりとしてなおかつピコピコした、いわゆる〈冷えピコ〉なエレポップ、もしくは火照った体をクールダウンさせてくれる〈さげぽよ〉な、ちょっとホラー風味の電子音楽を6枚選んでみました。題して〈あなたの知らない電子音楽の世界〉。これを聴けば、〈ムシムシうんざりな熱帯夜〉もすっきり快眠間違いなし!(「……せんぱい」)あれ? 今誰かしゃべりませんでした?

1. HOW TO DRESS WELL『Just Once EP』(配信中、アナログ:7月21日発売予定)
『Just Once EP』収録“Suicide dream 3 (orchestral version) ”

 ケルンを拠点に活動するトム・クレル君のソロ・ユニットの新作はなんと昨年のデビュー・アルバム『Love Remains』収録曲“Suicide Dreams”のオーケストラ・ヴァージョンを軸に構成された4曲入りEP。アルバムでは独特の深すぎるリヴァーブがかったファルセット・ヴォイスが心霊の如く浮遊しまくる、チルというよりもアイシーな凍てついた電子音世界(若干R&B風味)を展開しておりましたが、ここではオーケストラをバックに、ボン・イヴェールの新作にも通じる歌声の美麗さがただひたすらに強調されております。

2. MELLOWHYPE『Blackenedwhite』(海外盤:発売中、国内盤:7月27日発売)
『Blackenedwhite』収録“64”日本語字幕付きPV

 LAの極悪キッズ・ヒップホップ集団OFWGKTAの名サポーターとして活躍するホジー・ビーツとちょっと馬場っぽい風貌のレフト・ブレインとのコンビによるユニットのセカンド・アルバムのリマスター盤。ダークでどんよりとしたレフト・ブレイン繰り出すバックトラックに、ホジーの軽快なラップがのっかって生まれるは、「ガン」とか「ビッチ」とか「○ァック・ザ・ポリス」といった言葉が飛び交う不穏で邪悪な世界観。といっても、あくまで脳内で繰り広げられているようなフェイク感がゲームっぽくて逆にリアル。なかでも“64”はオーメンをモチーフにしたホラー風PVがとてもSWAG。

3. JOHN MAUS『We Must Become The Pitiless Censors Of Ourselves』(発売中)
『We Must Become ~』収録“Believer”PV

 パンダ・ベアーとアリエル・ピンクのサポートを務めていた隠れイケメン、ジョン・マウスのサード・アルバム。ハワイの大学で哲学を教えながら政治学の博士号をとるべく勉学に勤しんでいるというクソ真面目な彼のヴォーカルの響きが醸し出すガチなゴス感には凡百のイアン・カーティス・フォロワーが思わずジャンピング土下座しそうな風格と迫力に満ちている。そこに絡むチープすぎて逆に生々しい電子ビートとのギャップがまたいとをかし!

4. THE CARETAKER『An Empty Bliss Beyond The World』(発売中)
『An Empty Bliss ~』収録“Libet's Delay ”

 かつてV/Vm名義でエイフェックス・ツインの顔にイタズラ書きしまくっていた英国出身の愉快犯が描くは音響版〈からっぽの世界〉。選りすぐった古いSPレコードを延々とループさせながら、その周囲にスクラッチ・ノイズを巧みに配して独自のゴーストリーなアンビエント空間を創出。まるで誰もいない真夜中の美術館の中をフラフラと歩き回っているかの如き錯覚におそわれマス。そして最後は「大好きな絵の中に/閉じこめられた」。

5. ZOMBY『Dedication』(発売中)
『Dedication』収録“Natalia's Song”

 ファースト・アルバムで90年代前半のレイヴの熱気を墓場から蘇らせんとしたダブステップ系プロデューサー、その名もゾンビーが4ADと契約して放つセカンド・アルバムは、洗練されつつもヒンヤリとしたドープ・サウンドを展開。あのパンダ・ベアーも1曲ヴォーカルで参加。決して派手ではないけれど、ダークななかにもどこか漂う気品と優雅さには和の心を勝手に感じます。浴衣と風鈴と素麺の似合う〈お盆ダブステップ〉!? 風流だねぇ。

6. 私立恵比寿中学“オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~”(発売中)
“オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~”PV

 ももいろクローバーZの妹分ユニットが放つニュー・シングルは、おそらくアイドル界初のホラー・ポップ!? ももクロの“怪盗少女”や“Z伝説”でおなじみ前山田健一氏の手掛ける〈ゲゲゲ〉なお化けトラックに現役中学生たちが体を張って果敢に挑む姿が面白健気な〈歌う肝試し大会〉。心霊写真特番とか見てキャーキャー言ってたあの夏を思い出します。MJオマージュに溢れたPVもステキ。B面の“ご存知!エビ中音頭”も風流だねぇ。

佐藤一道
1976年静岡生まれ。「クッキーシーン」編集を経て現在フリーの音楽ライター。「シ ューゲイザー・ディスク・ガイド」を黒田隆憲氏と共同監修。音楽ブログ「Monchicon! 」を清水祐也氏と共同運営中。モンチッチ愛好家。
http://twitter.com/monchicon_sato
http://monchicon.jugem.jp/
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です
1. HOW TO DRESS WELL『Just Once EP』(配信)
2. MELLOWHYPE『Blackenedwhite』
3. JOHN MAUS『We Must Become The Pitiless Censors Of Ourselves』
4. THE CARETAKER『An Empty Bliss Beyond The World』
5. ZOMBY『Dedication』
6. 私立恵比寿中学“オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~”

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