f(x)、東京女子流ほか、久保田泰平が選ぶ6枚
f(x)、東京女子流ほか、久保田泰平が選ぶ6枚2011/05/25
サングラスと鼻栓のわずらわしさからやっと解放され、ようやくのびのびと春を満喫できるようにになりました。うれピー!──ってことで陽気の良いこの時期、わが家は毎年決まってネオアコとロック・ステディのプレイ率がぐっと上がるんですが(もうちょい気温が上がるとハード・ロックも)、まあ、それはそれとして、ここんところの新作から、陽気の良し悪し関係なく楽しめるようなものをチョイスしてみましたよ!
1. f(x)『Pinocchio』(発売中)待ち焦がれて発売日にCDを買いに行ったなんていうのは何時ぶりだったっけ?……というのも、f(x)は去年のファースト・ミニ・アルバム『NU ABO』があまりにも素晴らしく、K-Popに興味を持ちだした知人には「まずコイツは聴いとけ!」って激押ししてたぐらいでして(少なくとも都内で10枚ぐらいの売上げには貢献してるはずです)。欧米のトレンドをさりげなく含ませている洗練されたサウンド・プロダクツは、それでいてK-POP特有のアクもちゃんと残っている絶妙なバランス感覚。その手の女子グループって実は少ないと思います。スタイリッシュなエレクトロ・ダンスを作らせたら天下一品のトラックメイカー=ヒッチハイカーや少女時代“Genie”でも知られるKenzieによる楽曲も最高なんですが、弘大(ホンデ)系(日本でいうかつての渋谷系みたいなもの)ポップ・ユニット=PEPPER TONESをここでフックアップしてくるあたり、そんじょそこらの女子グループとはアンテナが違いますよ!とでも言いたげなプロデューサーの意気込みが窺えます。
2. Rainbow『SO女』(発売中)美脚=少女時代、お尻=KARA、骨盤=4minuteと、いろんなチャームでさわやかなお色気を振りまいてるコリアン女子アイドルですが、ここんとこ〈乳強調〉のコたちが目立ってるような気がしてなりません。個人的にぐっときてるのがRainbow。セカンド・ミニ・アルバムのリード曲“To Me”はDAISHI DANCEが書いたエレガントかつキャッチーな楽曲で、それ自体も非常にレヴェルが高いものなんですが、バレエのテイストを取り入れたダンス・パフォーマンスを観ながらだとなお楽し。4月22日に本国で放送されたKBS「ミュージック・バンク」でのパフォーマンスがとくに!……というわけで、もしかしたらCDよりも録画した映像(or YouTube)を楽しんでることのほうが多いかも知れません。無論、原稿に行き詰まった時には、これ観て癒されてます。
3. 東京女子流『鼓動の秘密』(発売中)アイドル続けまーす(笑)。次は日本です。とにかくシングル群の出来が凄まじく良かった東京女子流。イマドキのアイドルは、ライヴを見せてなんぼ、元気見せてなんぼ、ステージで汗を見せてなんぼのグループが多いように思うのですが、東京女子流のように、+リビングにいながらにしても楽しめる(つまり曲が良い)チャームを持ったグループは非常に少ないと思われるわけで。あと、なにかと音楽以外のオプションで興味をそそらせるグループが多いのもイマドキなんですが、東京女子流は単に良い曲を誠意のあるパフォーマンスで見せ、聴かせるというオーソドックスなスタイルというのも(SPEEDとかFolderとか大好きだったクチとしては)好感が持てます。で、ファースト・アルバム『鼓動の秘密』は予想以上の秀作だらけという……もう、思わず拍手&歓喜の絶叫です。タイトル曲を聴きながら、年甲斐もなく胸がキュンと鳴りました。松井寛さんのヤング・ソウル感たっぷりなプロデュース・ワークもお見事で!
4. 南波志帆“こどなの階段”(6月15日発売)インディーでのデビュー時からウォッチし続けていて、何度も取材をさせていただいてるんですけど、着実に進化してますよね、彼女は。でまあ、プロデューサーの矢野博康とその周辺の人脈(キリンジの堀込兄弟や土岐麻子、西寺郷太、奥田健介、宮川弾、コトリンゴなど)で彼女の世界観を作り上げてきたわけですけど、そろそろ冒険してもいい頃かな?……と思ってたところに今回の曲。南波ちゃんの世界観には正しきティーンエイジ・ポップの姿があると常々思っているんですが、そういう意味では、そのあたりに一言持ってらっしゃるかと思われる2人──Base Ball Bearの小出祐介が作詞、サカナクションの山口一郎が作曲──とのコラボレーション(小出クンと一郎クンから「何かやりたい!」って切り出したのがきっかけだそうです)はナイスすぎる! シンプルなコード使いながら昂揚感のあるメロディー・メイクも秀逸ですが、小出クンの書く〈かしこい〉詞がなんたって肝! こんな17歳の歌、イマドキないよ!
5. キャンディーズ『ゴールデン☆ベスト キャンディーズ』(発売中)解散した時、僕は小学5年生になったばかり。物心ついた年頃だったから、このグループへの愛着心は立派に持っていたわけ……なので、やはり訃報のあとには聴き返したくなりました(生まれた初めて買ったLPレコードはキャンディーズのファイナル・コンサートの3枚組です)。そして、あらためて思ったのは、これほどまでハイセンスな音楽性を持ったアイドル・グループは後にも先にもいなかったなあということ。個人的な思い入れは抜きとしても、そこは絶対言い切れると思います。デビュー曲“あなたに夢中”からして三声の高度なハーモニーを聴かせてたし、とくに解散宣言以降のシングル、“アン・ドゥ・トロワ”“わな”“微笑がえし”での成熟っぷりときたら。で、これぞスーちゃん!っていう曲は、やはり“危ない土曜日”。今回いろいろデータを紐解いてたら、このシングルの発売日と命日が同じ4月21日だったんです。
6. NONA REEVES『Choice』(6月8日発売)昨年暮れのライヴで「カヴァー・アルバム出します!」と聞いた時に、ついにか!と思って発表までワクワクしてました。1のオリジナルを作るために100のコピーが必要だってどこかのミュージシャンが言ってたと思うんですけど、先達から授かったものをよーく噛み砕き、飲み込み、消化~排泄(って言い方バッチぃかな)して自分たちのオリジナリティーを確立していったNONA REEVESが作るカヴァー・アルバムですから、悪いわきゃあないって(いままでも素敵なカヴァーを小出しにしてましたから)。カヴァーしているのはマイケル・ジャクソン、プリンス、ビリー・ジョエル、ビージーズ、イーグルスなど、Billboardのレーベルからということでなのか、アメリカ寄りのチョイス。オリジナルに忠実に、というよりも、オリジナルで肝となってるニュアンスはしっかりと残しつつ、ノーナ流に調理しているわけですが、なかでも一番ぐっと来たのはプリンス“I Wanna Be Your Lover”のカヴァー。あのファルセットまでモノにしてる西寺郷太のプリンシー加減といったらもう!
久保田泰平
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