No.082 パーティー一直線な6枚
2008/07/30 | タグ:Clazziquai Project dj KENTARO KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S P&ART SASANOOOHA クレイジーケンバンド 曽我部恵一BAND 鎮座DOPENESS
いやー、終わりましたね、フジロック。今年は毎日Fran-key氏のサービス過剰なDJを朝までたっぷりと堪能させていただきました。そこいらにいた外国人のおっさんと、ワム!の“Club Tropicana”を熱唱したのがピークだったりしてちょっと恥ずかしい感じも含めて楽しかったです。飲んで遊んで記憶をなくす。という黄金パターンを繰り返しすぎて、一般生活に戻れるか不安なこのごろですが、毎日パーティーでは生きていけないこともうっすらと知っております。でも、夏の間は毎日パーティーでも全然オッケーでしょう。といったわけで、今回はパーティー一直線な6枚と題してお送りいたします。
●カルキの匂いがしてくる2枚
1. クレイジーケンバンド『ZERO』(8月13日発売)最初はクレイジーケンバンドの『ZERO』から。韓国語の艶かしいナレーションで幕を開け、エロ要素が注がれまくったメロウ・グルーヴ“ランタン”、『ショック療法』あたりのファンもきっちり救いあげるカリビアンなソウル“湾岸線”、80年代邦歌謡シンガーの流れを今によみがえらせる“猫”、ヴァネッサ・パラディ“Be My Baby”~椎名林檎“幸福論”がフラッシュバックして来そうなビートの“デトロイト音頭”(歌詞も凄い)など、序盤から文句の付けようがない出来であります。これまでの彼らが出してきたインド~ソウル~ジャズ~ファンク~ハードロック的要素が混ざり合いながら、CKBにしか作れない音楽を作っているのでした。ここ数年は多作っぷりが加速していながら、ハズレがないのは本当に凄いと思います。
2. 曽我部恵一BAND『トキメキLIVE!』(8月8日発売)先日発表されたサニーデイ・サービス再結成に驚いた方も多いかと思います。自分もビックリしました。というわけで、年々精力的になっていくサニーデイのフロントマン、曽我部氏がメイン・プロジェクトにしている曽我部恵一BANDの緊急発売ライヴ盤『トキメキLIVE!』を。観客の生声も全てパッケージした生々しい録音から、ガレージ感~パンク感が存分に伝わって参ります。全盛期ジャムのライヴ盤を聴いているようなテンションは、無邪気さをキープしようとする曽我部氏の意思を感じて無条件にグッと込み上げてくるものがありました。しかし、サニーデイとは別のモードを持っている今の曽我部氏が、どういう形で再結成をするのでしょうか。ソフト路線に回帰するのか、今のモードをサニーデイに投入するのか、はたまた……。非常に興味があります。
●ビートの楽しさを味わいつくす2枚
3. dj KENTARO『Pressure sounds Presents:TUFF CUTS DJ Kentaro Crucial Mix』(8月8日発売)お次は、レゲエのリイシューでおなじみのレーベル〈Pressure sounds〉の音源をミックスしたdj KENTAROの『Pressure sounds Presents:TUFF CUTS dj Kentaro』を。ルーツ・レゲエ~ダブのみを集めたこちらの作品は、レゲエの中でもダンサブルな特徴を持つ楽曲が主に使用されております。リズムを聴き比べるだけでも楽しい作品と言えましょう。部屋でダラダラ聴くことができる内容ながら、発見の要素がいくらでもある。そういう奥深さを感じさせてくれるのでありました。9月に行われるリリース・パーティーでは、Uロイとドラヘビが共演することが決まっております。そちらも見逃せないのではないかと。
4. KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S『HAGULIFE』(8月6日発売)ヒップホップの知識がほぼゼロの自分が、東京で一番面白い=自由度が高いと勝手に思っているラッパーが鎮座DOPENESSであります。昨年の〈ULTIMATE MC BATTLE〉東京大会での脱ラッパー感は強烈でありました。彼が2004年に結成した3ピース・ユニットがこちらのKOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S。初アルバム『HAGULIFE』は、三味線をフィーチャーした浪曲ラップ“HAGULIFE”での宣言〈リアルかフェイクかどうかもわからずオリジナル〉を地で行く、醒めつつフリーな内容であります。ジャケットを含め弛緩しすぎな感もしますが、全体的にエレクトロ~テック感強めのトラックがそれを補ってエンターテインしております。態度でハーコーを批評してみせるラッパー・punpeeがプロデュースした“応援か?”が個人的ベストでありました。
●オシャレの意味を再確認する2枚
5. P&ART SASANOOOHA『P&ART WORLD ~新しいパンダの世界~』(7月30日発売)〈オシャレ〉をキーワードに独自の路線を突っ走る男女ユニット、P&ART SASANOOOHA (パンダとササノハ)が、パンダ王国オリンピックに合わせてアルバムを『P&ART WORLD ~新しいパンダの世界~』リリース。モーニング娘。やPizzicato Fiveのリミックスなどで知られる彼らですが、今作では人を喰った感にブースターがかかっている模様であります。中田ヤスタカ(Capsule)・バブルに乗っかろうとしている感がちらほら見えつつも、聴き終えると〈なんだったんだ?〉という疑問が残る不可解な1枚でありました。船場吉兆の記者会見をネタにした最終曲“てのりパンダ”に彼らが持つ諧謔のセンスが集約されていると言ってもよいでしょう。ご興味のある方はまずそちらを試聴してみてくださいませ。
6. Clazziquai Project『Beat In Love』(8月13日発売)ラストは海外ものを。韓国の打ち込みヴォーカル・ユニット、Clazziquai Projectの『Beat In Love』であります。エレクトロ系ハウスの流れに敏感に反応した本作は、過去作と比較して洗練度が20%増しな印象。〈なんかいいよね~〉という評価から一歩踏み出すだけの底力を見せ付ける内容であります。ボトムの強さとメロディーのわかりやすさ、練られたビートと湿り気を帯びたヴォーカルの絡みあたりに、彼らの面白さが集約されております。耳障りのよいボッサ感がほぼ無くなり、ソウル度が増した部分も評価したいところであります。FPM、DAISHI DANCE、中田ヤスタカ(Capsule)、大沢伸一ら豪華布陣によるリミックスも聴き所でありましょう。
といった感じで今週もお送りして参りました。果たして本当にパーティー感がある選盤だったかはどうでもいいのです。とりあえず、これらを聴いてパーティーに足を運びましょう。それが大事だと思います!
●今回紹介したディスクはこちら↓で購入することが可能です






















