GAGLE(ガグル)
2007/06/22 | タグ:GAGLE MITSU THE BEATS ガグル、ヒップホップ
タイトルの『3 PEAT』とは、もともとバスケットボール・チームであるシカゴ・ブルズが、NBAで3回連続優勝を飾った際に使われた、〈三連覇=THREE-PEAT〉をヒントにつけられたもの。 「3枚目だし、ファースト、セカンドで自分たちは何かしら影響を残せたと思ってるんで、その自信の意味も含めて、大きく出てみました!」(HUNGER)と語るGAGLEのニューアルバムは、3人の現時点における最大限の力がギュッと込められたカラフルで表情豊かな意欲作だ。
仙台に拠点を置き、世間の流行に惑わされることなく自分たちのサウンドを追求するストイックさを持ちながら、仲良く、楽しく、前向きに、ライフワークとしてヒップホップに携わっている彼ら。そんな真摯な姿勢が、たくさんの人々の共感を呼ぶのではないだろうか。GAGLEの魅力に迫るDJ MITSU THE BEATS、MC HUNGER、DJ Mu-Rとのインタビューをお届けします。
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●全部3人一緒にやったので、「3人で作り上げた!」って感じがします
――まず最初に、MCが1人でDJが2人の3人組って珍しい編成だと思うんですけど、GAGLEはどうしてこういうかたちになったんですか?
MITSU THE BEATS もともとは兄弟2人(MITSU THE BEATSとHUNGER)でやっていたんです。最初は僕もラップをやっていたんで、ライブDJが必要だってことで、Mu-Rに手伝ってもらっていたんですよ。そうこうしているうちに、手伝ってもらう回数が増えて来たので、グループにしようと決めたんです。今は僕がプロデュースと、ライブのサイドMCでサポートしますけど、GAGLEでDJはしていません。
Mu-R 普段クラブDJとしてはバリバリやってますけどね。僕は逆に制作のときはスクラッチを入れるくらいですね。
――では、制作はどうやって進めて行くんですか? 3人で相談し合って作り上げていく?
HUNGER 今回からそういう作り方になりました。これまでは、兄貴がトラックを作って、俺がラップを入れて、Mu-Rがそれを見ながらスクラッチを入れていく。1、2、3と作業工程を分担していたんですけど、今回は3人で話し合いながら作って。
――なぜそうなったんですか?
HUNGER 俺1人で考えるよりもいいものが出来ると思って。単純に3倍計算。みんなで考えると面白いアイディアがたくさん出て来るし、アルバムに対する愛着も増すと思った。そうすると、ライブするときの気持ちも少し違うと思うんですよ。
――実際に完成してみて、手応えはありましたか?
HUNGER はい。最後の曲順を決めるところからマスタリングまで、全部3人一緒にやったので、「3人で作り上げた!」って感じがしますね。
――どうしてもHUNGERさんに伺いたいことがあります。いただいた資料の曲解説で、〈あえて全く違うビートを聴きながらリリックを書いた〉とコメントしていた曲が複数あったんですけど(“夜ナ夜ナ/SCENE#2”、“BAAH SHOW 戦”、“黒フェッショナルMC”)、一体どういうことなんですか!?
HUNGER これはヒップホップならではだと思うんですけど……「メロディか、リズムか?」ってよく考えるんですよ。メロディを取る場合は、ラップを曲に合わせて順応させるイメージなんです。それに対してリズムを取るんだったら、(曲調を)崩すアプローチもできる。兄貴の曲はけっこうメロディアスというか、しっかり組まれているものが多いので、その曲ばかり聴いていると、気持ちもメロディに合わせてしまうんです。そういう曲もあるんですけど、兄貴の曲を聴いたイメージに合う別のインスト曲を聴いて歌詞を作ると、録音するときにその曲とぶつかって、どんどんリズムを作っていけるんです。
――前代未聞ですね!
HUNGER そこまで深く考えなくてもいい問題なんでしょうけどね。毎日その曲を聴いて作るんじゃなくて、少し離れてみると、自分もフレッシュな気持ちになれるんです。
――普通はトラックにいかに馴染ませるかを考えるんじゃないんですか?
HUNGER 曲と一体化しているようなものもカッコいいと思うけど、ドラムだけでガンガンはめてくるラップもカッコいい。今の一般的な(日本語ラップの)流れって、日本語の尖ってしまう部分を、英語のフレーズを取り入れることで馴染ませるアプローチが主流だと思うんです。でも、その流れに自分が合わせる必要はないし。これでも『3 MEN ON WAX』の頃と比べたらだいぶ尖らなくなったと思うんですけどね(笑)。その微妙な駆け引きの中で、自分の意志やメッセージをちゃんと伝えられる方法をずーっと探しながらやっている感じです。
Mu-R そういう尖った曲もありながら、その対極な曲もあるところがGAGLEの魅力なんじゃないですかね。今回はそれがより上手くいったと思います。
●今はアルバムもあくまで途中経過ですね
――どんなアルバムにしようと話し合ったんですか?
MITSU THE BEATS アルバム全体について最初から「こうしよう」というのはなくて、とにかく1曲1曲を3人で相談しながら作っていって。それが集合したアルバムという感じです。
HUNGER 何を作ろうか、ということではいんですよ。兄貴は日常的にビートを作り続けているので、いいのが出来たら「ヤバイの出来た!」って送って来るんです。それに対して、「おしっ!」ってこっちも歌詞を作る感じなんで、アルバムがどうこうというよりは、もっと自然に出来上がっていくんですよ。この前3人でライブの練習に入ったら、アルバムが完成したばかりなのに「ちょっとかけていい?」って既に新曲をバシバシかけていて!
Mu-R 「この曲入れたかったじゃん!」っていうのもあったりして(笑)。
MITSU THE BEATS 以前はアルバムが出来たら、しばらく曲は作りたくないと思ってましたけど、今はアルバムもあくまで途中経過ですね。
――曲作りのインスピレーションは色んなところにあると思うのですが、音楽を聴いて得ることが多いですか? それとも、日常生活の中から得ることが多いですか?
MITSU THE BEATS 僕の場合は自分の作る音楽に関しては…… 100%音楽からです。例えば、ドライブ中に見た風景から曲が浮かぶとか、映画見てとか、小説を読んで、なんてことは全然ないですね。昔のジャズを聴いて「こういう雰囲気を活かしたいな」とか、そういうことばかりです。
HUNGER 俺はもう、色んなところから、ラップ以外のものからもワーっと影響受けるタイプなんで。全くタイプが違うからこそ上手く成り立っているのかもしれないですね。
MITSU THE BEATS 格闘技くらいだな、共通点は(笑)。Mu-Rと僕は、本当に毎日音楽ばっかりですね。
Mu-R そうですね。掘ってるくらいしかないっすよね、やってることと言えば(笑)。
MITSU THE BEATS ネットをしていても、レコード屋のサイト行って〈ADD TO CART〉してるよね(笑)。たまに映像見ているかと思えば、YouTubeで音楽のPVを見ているという……本当に他に趣味がないっていうか、音楽が生活の8割以上ですね。底がないから、こんな楽しいことはない。
Mu-R もちろん音楽も掘ってるんですけど、それにプラスして〈音楽外部門〉を担ってくれているのがHUNGERさんですね。
HUNGER 僕は自分が興味を持ったものに対してはなり振り構わず、何でも行ってみたり、読んでみたり、見てみたりしています。特になにか1つのものをずっと追っているわけではなくて、その時々に吸収したいものを、ジャンルレスで吸収している感じです。例えば本を読んでいても、普通に読むだけじゃなく、声に出したときにどうかってことを考えながら、引っかかる言葉をメモっておいたり。普通の何気ない文章でも、区切り方を変えて読んでみたら言葉が輝く場合もあるので。
――そういう意味では東京の方が刺激もあるし、仕事の面でも便利だと思うんですけど、なぜ仙台を離れようと思わないんですか?
HUNGER 「仙台がもっとこうなればいいのに」と思うことがまだたくさんあるし、実際の住み易さですかね。仲間もいっぱいいるし。
MITSU THE BEATS いいスタジオやいいレコード屋も少ない。まだ自分たちが求めているレベルのことをやれる環境が整っていないから、それが仙台で完結できるくらいにしたいですね。逆に、もし3人とも東京にいたら、このアルバムは絶対に出来ていないですよ。今は自分で情報を選別できますけど、東京にいたら選別できる自信が……薄れそう。
Mu-R まあ、いちいち交通費かかっちゃうんで周りの人たちには申し訳ないですけどね。
HUNGER 逆に仙台に来させたいですよね。でっかいライブが出来るような存在になりたいです。
Mu-R 実際そういう人もいるんですよ。九州からわざわざワンマンのライブに来てくれるお客さんもいたり。ちなみに、僕とMITSU THE BEATSで、仙台のADDというクラブで毎月第二金曜日に〈SOUND MANEUVERS〉というレギューラー・パーティーをやっているので、仙台にお起しの際はぜひ遊びに来て下さい!
MITSU THE BEATS 内容はかなり自信ありますよ。選曲ではトップレベルだと思います!
HUNGER あとは、制作のアイディアもすでに色々あるので、それもやっていきます。GAGLEのオフィシャルサイト(→ こちら)も新しくなります。前は見た目の面白さ重視だったんですけど、もうちょっと機能的にして、コンテンツも面白くしていくんで、そちらも見てみて下さい!
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