ECD (イーシーディー)
今年に入ってから日本のヒップホップ作品がちょっとしたリリース・ラッシュになっているが、それらの謳い文句として「伝説の〈さんピンCAMP〉から10年!」ということが盛んに言われている。あのイベントによって大きく花開いた〈日本語ラップ〉というムーヴメントにとって、2006年は一つの節目の年、というわけだ。とはいえ、シーンにアニヴァーサリー的な盛り上がりがあるかと言えば、そうとも思えず、むしろ個々のアーティストたちは、それぞれ別々の方向へと向かっているように感じる。
そんな中でも、誰よりもオリジナルな道を進んでいるのがECDだ。〈さんピン〉のプロデューサーであった彼は、いまや〈さんピン〉以降のシーンとは無縁の場所に立っている。自主制作で作品を発表し、ライヴは、もっぱらアンダーグラウンドなバンドとの対バン。ライヴ会場では自ら物販ブースに立ち、自身のCDやCD-Rを売りさばく。その姿は淡々として自然体ではあるが、実に精力的だ。メジャー在籍時以上のハイペースで作品を生み出し、常に新たな試みに立ち向かう姿勢を忘れない。80年代に活動をスタートさせた、この現役屈指のオールド・スクーラーは、今もなおキャリアのピークを更新し続けている。
現時点では7月7日にリリースが予定されている『Crystal Voyager』は、ECDにとって10枚目のアルバムだ。今回のインタビューでは、新作にまつわるあれこれを中心に、自主制作の実情から〈YouTube〉の話題まで、多岐に渡るお話をうかがうことができた。なお、急きょ発売日が延期された都合上、リリースより少々早い掲載となりました。

























