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井口啓子の西日本ロック紀行

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No.284 すきまカルチャーDVDマガジン「メイコグ」が熱い!

2011/05/25

Text: 井口啓子(SUPER!)

 2007年に発売され、一部の好事家らの間で話題を呼んだ秘宝館のドキュメンタリーDVD「昭和聖地巡礼~秘宝館の胎内~」の監督であるササタニーチェこと、笹谷遼平くんと先日、数年ぶりに再会。彼の現在のライフワークであるDVDマガジン「メイコグ」を鑑賞しつつ、積もる話に花を咲かせました。

「メイコグ 第3号」の予告編

 さて、この「メイコグ」はDVDのパッケージに小冊子が封入された複合型マガジン。「ファニーフェイスの哭き哥」と題された第1号では、長野県・松本でひっそりと愛される〈道神面〉をフィーチャー。一見、フツーのお面だが、よく見ると顔のパーツが性器のカタチ……という〈道神面〉は、日本古来の道祖神信仰を家庭に持ち込むものとして誕生した民芸品。現在もお土産屋さんで千いくらかでフツーに買えるらしく、アフリカや中南米のお面を彷彿させる土着的かつユーモラスなデザインは、あの岡本太郎や棟方志功も賞賛したそう。メイコグでは、その生みの親であり唯一の作り手だという老人、宮田嵐村さんの姿(本人がほとんどお面と化してる……)を追いながら、この地方の文化風習にも着目。なかでも有志により復刻された奇祭〈大人の三九郎〉の映像は圧巻だ。

 第2号の「蝋塊独歩」は蝋人形の特集。日本で唯一の蝋人形職人、松崎覚氏のアトリエを訪ね、蝋人形を制作する過程やこれまでの作品を追いながら、彼が鑞人形をなぜ、どのように作り、何を感じているのかを探求。また自らの鑞人形を作らせた男(モーテル王と呼ばれた故・中嶋孝司)の姿を通して、彼と彼のレプリカの交錯する運命を紹介。ほんものそっくりの人の形をした鑞人形が、鏡のように映し出す人間の心やドラマに肉薄してゆく様は、乱歩の小説も真っ青。

 そして、本日発売となる最新号は「すいっちん-バイブ新世紀-」。消えつつある昭和の遺産を追ったこれまでとは一転、実は大メジャー産業であり、現在も進化中の大人の玩具=バイブをフューチャー。作り手から使い手まで、性別も思想もさまざまの人が語るバイブ論の先に見えてくるものとは――?

 にしても、こんなディープすぎる世界をNHKのドキュメンタリー番組さながら丁寧かつ落ち着いたトーンで描いてみせる笹谷青年とは一体……。本業ではフリーのカメラマンとして活躍する彼の今後も含めて、要注目です。

「メイコグ」オフィシャルサイト
・DVDマガジン「メイコグ」シリーズを紹介
「メイコグ3号 すいっちん-バイブ新世紀-」
「メイコグ3号 すいっちん-バイブ新世紀-」
「メイコグ第2号 蝋塊独歩」
「メイコグ第2号 蝋塊独歩」
「メイコグ第1号 ファニーフェイスの哭き哥」
「メイコグ第1号 ファニーフェイスの哭き哥」

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