No.245 スウィ―ツのように〈ささやかな幸せ〉をもたらすfugacity(フガシティ)
2009/11/25 | タグ:fugacity RAYMOND TEAM
とある焼菓子の本の制作に携わってまして、先日、大阪・中崎町の〈ミロワール〉というケーキ屋さんに取材にうかがいました。オーナーであるキュートな女性シェフの手によるクッキー(めちゃくちゃ美味しい!)を頬張りつつ、ふと傍らのボードに目をやると、赤犬やA.S.Pなど、地元のバンドのチラシが。聞けば、隣にいる店番の男の子がバンドをやってる関係でミュージシャンがよく訪れ、二階の隠しバーではANATAKIKOUやベベチオ、THE MICETEETHのメンバーがライヴをしたりしているそう。
灯台もと暗し! ということで、さっそく彼に詳細を問うてみると、なんとRAYMOND TEAMのヴォーカルの方だった。で、そちらは現在活動休止中とかで、今はこんなんやってるので、よかったら――といただいた音源が、fugacity『Pastel talk』。
まず、もの憂げなようで瑞々しくグルーヴする甘い歌声で、恋に落ちた。冬の日の凛と澄んだ空気を思わせる、透明でキラキラしたアコギと淡く滲むようなトーンのあたたかみのあるエレクトロニカの音色。まるでガラス越しに車窓の風景を眺めるような――日常のささやかな幸福のスケッチのようで此処ではない何処かへと聴き手を誘う、飄々とした叙情性。シカゴ音響派一派に通じるムードをそこはかとなく漂わせながらも、テレビから聞こえてきてもおかしくない、ハッとするようなポップさが素晴らしい。
夢のように、ふと現れてはやさしく絡み合う、女性コーラスも秀逸。なかでもクリームチーズオブサンの前川サチコさんを招いた“midday table”は、個人的に大好きだったスピネインズを彷彿させる大名曲。
ケーキ屋の店頭でヌボーッと立ってた男子が、まさかこんな素敵な音楽を生み出す人だったとは。なんとも嬉しい誤算(って、すいません……)。
ネットで調べたところ、今夏には『balcony plan』なるニュー・アルバムも出ているよう。ライヴも定期的にやってるらしく、ぜひ〈ミロワール〉二階でお酒でも飲みつつ見てみたいものです。
・fugacity オフィシャルサイト・MySpace.com〈fugacity〉オフィシャルページ
・文中で紹介した作品を紹介
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