No.225 イルリメのニューアルバムは現代の〈にほんごさん〉金字塔なり
2009/02/17 | タグ:イルリメ
イルリメのニューアルバム『メイド・イン・ジャパニーズ』が発売された。YOUR SONG IS GOOD、ECD、二階堂和美などの盟友らをゲストに迎え、音楽の楽しさをひたすらに追求した前作『イルリメ・ア・ゴーゴー』対して、今回はたったひとりで全ての楽器を演奏・レコーディング。
かくして彼本来の〈開放された自家中毒〉というべき作家性と、ここ最近のバンドによる巡業で身についたヤリ逃げ感のようなものが、イイ具合にミックスされた傑作となっているのです。
前作の発展系のようなアッパーなポップ・チューンもあれば、無国籍なニュー・ウェイヴも、ノイジーなトラックも、“カレーパーティー”のようなユーモラスなパーティ―・チューンもある。
そんな雑多なジャンルの音を、何でもアリゆえに没個性な創作料理ではなく、ちゃんとそれぞれのテイストを生かした独自の〈味〉に仕上げる名コックぶりもさることながら、今回特に〈日本語産〉と名打つだけあり、歌詞が素晴らしい。叙情と批評のバランスも見事なリリック、畳みかけるようなリズムの生み出すユーモアや焦燥、あるいは切なさ……は、ラップの枠を遥かに超えながらも、やはりラップでしか描き出せないもの。ラストの“たれそかれ”で切り取られた季節のピュアな輝きには、現代の文学が喪ってしまったものを発見した思い(って、ちょっと言いすぎ……?)。
永ちゃんの「世界のソニーだって胸張りたくなるようなテレビ作ってよ」という件のCMも、早くも虚しくなりにけり……な世知辛い世の中ですが、イルリメがいる限り、日本はまだまだ全然ダイジョーブ!
・文中に登場したアーティストの作品を紹介
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