No.219 AZUMI×豊田道倫の『ALBUM』センチメンタルな旅
直枝政広、上田ケンジ、豊田道倫による由緒正しきインディーズ・レーベル、Bumblebee Recordsから、LETTERに続いて、またまたナイスなアルバムが到着しました。
1979年に19歳でデビュー。憂歌団、有山じゅんじと交流。いまや春一番の顔としてもおなじみの大阪のブルースマン、AZUMIのその名も『ALBUM』。本盤はパラダイス・ガラージの豊田道倫がプロデュースということで、これはもう、まさにジム・オルークがジョン・フェイヒーを再発見したのと同じ感覚?
正統派ブルースのフレーズのようで、音響派のようにモダーンで幻想的な奥行きのある音色を奏でるギター。セクシーな湿り気をもちつつカラッと乾いたしゃがれボイスは、いわゆる〈大阪好きやねんブルース〉とは真逆にある、オシャレといってもいい洒脱な味わい。フツーのポップス・ファンにもフツーに推薦したい〈名盤〉だ。
ポータブル・レコーダー片手に録った居酒屋でのトークや街の雑踏と、スタジオで録音された演奏とバーでのライヴが同じリアリティをもって聴こえてくる辺りは、年間200本以上のライヴをこなす〈旅するブルースマン〉だけが出しうる身体感覚とでもいうか。そんなサウンドを挿入するというアイデアは、同じく〈旅するポップ・シンガー〉豊田のアイデア? どこかの街で男が見た、夢か現か。流しているとセンチメンタルな情景が次々に立ち上がってくる、ロード・ムーヴィーみたいな一枚。豊田の往年の名曲“移動遊園地”と井上堯之の“歌えない鳥”のカヴァーも秀逸。これぞ女が惚れて嫉妬する、男のロマンです。
●AZUMIの作品を紹介
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