No.218 都市レコードの紡ぎ出す、都市生活者のブルース
2008/10/28 | タグ:都市レコード
都市レコードのニュー・アルバム『シングアゲイン』が11月7日、発売される。男性4人によるユニゾン・コーラス……というスタイルからして、男性合唱モノ(ムード・コーラスとか)好きにはたまらないバンドなわけですが、今作はさらにLABCRY、LETTERの(そして本コラム題字画の)三沢洋紀プロデュ―ス。
いわゆるスロウコア/サッドコアの流れを汲みつつ、どこか70年代オフコースの遺伝子も感じさせるメランコリックで美しいメロディと、プラスティックのようにひんやりとした叙情性はますます際立ち、都市に生きる青年の透明な孤独がエモーショナルと言ってもいいテンションでもって、ひしひしと迫ってくる。
エンジニアはボアダムスや羅針盤の仕事で知られる原浩一。ピントがボケたようなファジーな空気感のなかに、ひとつひとつの音の粒子がくっきり立ち上がって聴こえてくる刺激的なサウンドは、三沢くんと原さんの名コラボレーションであるラブクライのセカンド収録“奇跡”を思い出させる。
いつもと変わらない街の風景をスケッチするような仕草で、聴き手のノスタルジーを猛烈にかき立て、いつしか未だ見ぬ彼岸へと運んでくれる21世紀型サイケデリック、もし世界の終わりを描いた物語(藤子Fや山上たつひこのSF短篇みたいな)にBGMをつけるなら、きっとこんな音楽。
いつも飄々としたポーズを崩さない、年下の音楽好きの男友達。都市レコのファーストを「コレなんかイイんスよねー」と聴かせてくれた彼もあいかわらずなようで、そういえばもう30。そんな「変わってゆくものと変わらないもの」に思いをはせつつ、秋から冬にかけての夜長、ひとりレコードに針を落とすようにじっくりと聴きたい一枚。
●都市レコードの作品を紹介
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