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井口啓子の西日本ロック紀行

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No.212 パロティを超えた最新型アイドル歌謡、ルフラン登場

2008/08/06 | タグ:

Text: 井口啓子(SUPER!)

 黒沢清作品をはじめとする映画音楽やヒゲの未亡人などのユニットで暗躍する〈職業コンポーザー〉ゲイリー芦屋の新ユニット、ルフランのデビュー・アルバムがついに発売された。

◇ジャケット写真は横浜本牧の洋館を貸し切って撮影。衣装は太田裕美『短編集』の完コピとか。執念と遊び心あふれるパロジャケです。

 え、復刻盤!? なジャケだけ見て、よくあるパロディとは思うなかれ。ルフランアサコ(ヴォーカル・作詞・作曲)嬢の麻丘めぐみアグネス・チャンを彷彿とさせる装いや造作、時代がかったナレーションや歌唱は、一切の照れも迷いもない、あっけらかんとしたナリキリ具合ゆえに、たんなるパロディを超えて、まったく新しいオリジナルとしてのオーラをビンビンに放っている。

 ゲイリー芦屋による、打ち込みとは信じがたい流麗なストリングと迫力溢れるブラスセクションを施したオケは、スタイルこそ70年代だが、そこに込められたエモーションと実験精神は、最新型のテクノといっても過言ではないわけで。

 作家がいて、アレンジャーがいて、歌手がいた、黄金の昭和のアイドルポップのきらめきやワクワク感を現代に再現するために、時空を歪めてしまったルフランは、モーニング娘。ともPizzicato Fiveとも異なる、執念の最新型アイドル歌謡なのです。


・文中に登場したアーティストの作品を紹介
7月にリリースされたルフランのデビュー・ミニ・アルバム『めざめ』
06年にリリースされた太田裕美のボックス・セット『GIFT BOX』
07年にリリースされた麻丘めぐみのベスト盤『Essential Best』

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