No.201 いちかたいとしまさのポップス桃源郷『ホーム・グロウン』
2008/05/21 | タグ:いちかたいとしまさ 大瀧詠一
いちかたいとしまささんの『ホーム・グロウン』が今週末、発売される。
流れてきた瞬間、聴き手を〈ポップス桃源郷〉(タランティ―ノの「ムーヴィーワールド」よろしく、大瀧詠一はもちろん、はっぴいえんど、小坂忠、あがた森魚、はちみつぱい、銀河鉄道、西岡恭蔵、古井戸、高田渡、センチメンタル・シティ・ロマンスetc……といった70年代の名盤の風景がテーマパークさながら展開される夢の世界!)へと誘う、のびやかなメロディ。三輪二郎など20代の〈若者(うたもの)〉と並べても、なんら違和感ない、瑞々しさをたたえた歌声にあらためてア然とさせられる。
常々、体型とその人が奏でる音楽とは密接な関係があるように感じていたけど、選りすぐられた必要最低限の言葉とメロディーのみで誰もが口ずさめるスタンダードを紡ぎだす、いちかたいさんの歌からは、飄々と人懐っこいがサッパリした人柄の、シュッとした長身の男性の姿が、おのずと浮かんでくる。これは京都のオクノ修さんにも通じるもので、非ミュージシャンである普段の暮らしの延長線上で、なにげに非日常と繋がっている人特有のものなのかもしれない。
これまでCD-R、CD等でリリースしてきた楽曲を中心にスタジオ録音も収録した初のフル・アルバムらしく、叙情的なフォークあり、シティ感あふれるポップスあり、ちょっとヤンチャしてみました風なブロークンなバンド演奏もたまらないGS歌謡ありのカラフルさ。いわゆるベスト盤ともコンセプトアルバムとも異なる、シングルA面B面集な不思議な王道感を感じさせるアルバムです。
噂を聞いて気にはなってたけど……という人にも自信をもって推薦。この一枚を扉に、驚異の50代のコールドスリープ・ポップスにハマってみては?
・いちかたいとしまさの関連作品を紹介
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