No.195 懐かしくも新しい、ナウな〈若者(うたもの)〉
渚にて、ラブクライ、羅針盤、OKミュージックボール……といった面々による〈うたもの〉ムーブメントから、はや8年。〈若者(うたもの)たち〉と呼ばれる、20代のシンガー・ソングライターがじわじわと注目を集めている。
先日、現在ディスクユニオンなどインディ―ズ取り扱い店で開催中のキャンペーンの特典オムニバスCD-R『うたディスク』をゲット。なかでも松倉如子(まつくらゆきこ)と三輪二郎には、久々の衝撃を受けてしまった。
松倉さんは京都造形大で映像を専攻していた学生時代に、履修科目を担当していた宮沢章夫氏に強引に歌うことをすすめられ、卒業と共に上京して本格的な音楽活動を開始。渡辺勝(exはちみつぱい、アーリータイムス・ストリングス・バンド)、関島岳郎(栗コーダーカルテットetc)、HONZI、POP鈴木(exさかな)、村上律といったミュージシャンらが、自らバックアップを名乗り出たという鳴りもの入りの逸材。
なるほど、ジャンルや嗜好性を超えて、一聴するやいなや聴く人の魂を連れ去って行ってしまう驚異の歌声は、浜田真理子さん以来かも。70年代の新宿系シンガー・ソングライターを彷彿させる気怠いムードと堂々たる歌いっぷりの一方で、二階堂和美やUSフリーク・フォーク・シーンにも通じる、チャームな天衣無縫さを感じさせるのがおもしろいです。
まんま70年代から抜け出してきたようなアー写に興味をそそられ、アルバムを既聴していた三輪二郎は、横浜出身のシンガー・ソングライター。ブルースを帯びながらもどこか素っとぼけたような飄々とした歌声、ジャズやカントリーの要素も感じさせるフォークには収まらないフリーマインドな音楽性は、高田渡の『FISHIN' ON SUNDAY』辺りを彷彿させる感じ。バックのアヴァンギャルドな演奏は、まさにはちみつぱい。何気ない日々の泡をこれだけ鮮やかに浮かび上がらせるSSWが今の日本にどれだけいるか……。
最近の若者は……と、つい口走ってしまう人にこそ聴いて欲しい、枯れてるようで、才気走った小生意気さがなんとも心地良く頼もしい、ナウな〈若者(うたもの)たち〉です。
・〈若者(うたもの)たち〉に選ばれているアーティストの作品を紹介
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