No.192 より広いフィールドへ飛び出した〈大阪のノラ・ジョーンズ〉岩崎愛
先日、とある雑誌の取材で岩崎愛ちゃんにお会いしました。「兄(セカイイチのヴォーカル)の影響で気付いたら中学生の頃からギターを持って歌ってた」という岩崎愛ちゃんは、高校生の頃から関西のライヴハウスに出入り。ファンダンゴの加藤さんやムジカジャポニカの聖子さん、エレクトリック・ギュインズの前田栄達さん……といった濃ゆい方々からの溺愛を受ける“大阪インディ―ズの秘蔵っ娘”として知られるシンガーソングライター。
ジーンズに下駄で飲み屋をハシゴしていたというバンカラなキャラクターの彼女は、喋りもいたってザックバランな、ザ・大阪(堺)の女の子。なのに、ギターを持って歌いだすやいなや、その場の空気を一瞬にして変えてしまう、たおやかなボーカルとぬくもりあるアコースティックサウンドは、まさに〈大阪のノラ・ジョーンズ〉の看板に偽りなし。まだ21歳の女の子とは思えない、懐の深~い人生観を伺わせる中性的な詩世界は、ちょっと宇多田ヒカルを彷彿させるものがあったりもして。アンダーグラウンドの世界にとどまらないスケールを感じさせる人なのです。
この12日に発売されたニューシングル“アイライクユー”は、「私自身、大阪・アングラみたいなイメージを超えたくて……」とクラムボンのミトをプロデュ―サーに強力メンバー(なんと、彼女がこよなく愛する山崎まさよしのバック・メンバーと偶然、同じメンツ)を迎えてレコーディング。ポップで疾走感あふれるエレクトロニックなアレンジが彼女のみずみずしい魅力を見事に開花させている。
「弾き語りは揺るぎようのない私の原点だけど、今回で初めてセッションの気持ち良さを知った。ちょっとハマりそう(笑)」 近く、活動の拠点を東京に移す計画もあるそうで、ちょっぴりさみしいながらもますます今後が楽しみ。来月にはアルバム『太陽になりたいお月さま』も発売ということで、要チェックです。
・岩崎愛の作品を紹介
井口啓子の西日本ロック紀行 の最新記事
- No.210 伝説のド宇宙ロックバンドが、西部講堂に降臨!
- No.209 西日本ロック紀行・そして神戸編
- No.208 トリッピンな無重力サロン〈サンダーボルト書林〉に潜入
- No.207 大阪が誇る夫婦ユニット、青空帝の10年と大阪カフェ・シーン
- No.206 ぱぱぼっくすはとびきりピュアなミネラルウォ―ターの味わい
- No.205 旅するエッセイスト、扉野良人さんの「ボマルツォのどんぐり」
- No.204 新しい表現が雑誌を生み、シーンを育んだ「プガジャの時代」
- No.203 強烈な存在感を放つシンガー、三村京子
- No.202 大阪オルタナティヴのDNAを受け継ぐ新世代〈蒼月書房〉
- No.201 いちかたいとしまさのポップス桃源郷『ホーム・グロウン』
- 記事一覧






















