No.188 いかがわしい、がゆえに愉しきOVe-NaXxの『おぶけやしき』
2008/02/19 | タグ:DODDODO OVe-NaXx
皆さん、「墓場鬼太郎」見てますか? 同じく現代に蘇った昭和のアニメ「タイムボカン」シリーズに肩すかしを喰らい、まったく期待せずに見始めたわけですが、予想以上のディ―プな出来に久々に興奮。この「ナンセンスなまでのいかがわしさ」こそが、大人から子供までを魅了する理屈を超えたドキドキワクワク感のキモだったのだと改めて確認した次第。
さて、そんな鬼太郎的カタルシスを味わせてくれる新譜に遭遇しました。OVe-NaXxのニューアルバム『おぶけやしき』。ブレイクコア・シーンでは国内のみならず、海外でも活躍する彼。「そのアクセル・ミュージックと呼ばれるやかましすぎるサウンドは、別名タコ殴りンベース、ふぐり毛剃り込み釣り竿ンベースなどと呼ばれ、国内外でゴリラゴリラと絶賛されている」(音源資料より)そうで。
チンドンのお囃子と場末の街の喧噪で幕を開けるオープニングから、部屋の空気がいっきに濃密に。サンプリングのネタは〈スライドギターの音/ガバのキック/チャルメラの音/お化け屋敷の主人/パルス音/まぬけなメロディ/倍速デジタルダンスホール/農場の音/正統派ブレイクコア/ズイのスネア/オーストラリアのスプラッターホラーコア帝王passanger of shiftのメンバーの声〉……と、とにかくまあ、ジャンルも何もごちゃごちゃのアクの強い音の大洪水。終始、バキバキのアッパーなリズムが貫かれているにも関わらず、病的なものやデンジャラスな悪意は一切皆無。混沌の向こう側に不思議に人懐っこいトボけたメロディが聴こえてくるのがおもしろい。
“ドンガの怪物サーカス”、“荒くれの大根刺青マン”、“ゴッドファーザー・ドン・おぶけアーノ”……など、めくるめくショウのクライマックスは、DODDODO、MIDI_sai関係の盟友らが参加の「ゲゲゲの鬼太郎」ならぬ“どどどのど太郎 酔いどれ発狂猫娘”。そう、これは魔女もぬりかべも猫娘もヴァンパイヤも、古今東西のやんちゃな物の怪が集ったOVe-NaXx版お化け屋敷ならぬ〈おぶけやしき〉なのだ。
いかがわしい、がゆえに愉しき〈最新型のダンスホール=妖怪音頭〉。踊らにゃソン、ですぞ。
・文中に登場したアーティストの作品を紹介
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