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井口啓子の西日本ロック紀行

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No.189 噂の秘宝館DVD「昭和聖地巡礼~秘宝館の胎内」、メトロ大學でご開帳!

2008/02/26

Text: 井口啓子(SUPER!)

 全国の好事家の間で秘かに話題に昇っているDVDがある。「昭和聖地巡礼~秘宝館の胎内」。決してヒワイなものではない。この現代では滅びつつある、いかがわしくも愉しき〈大人の遊園地=秘宝館〉を訪問。その様子を映像に収めた渾身のドキュメンタリーだ。

伊香保珍宝館のガイド、チン子さんの動画

 監督の笹谷遼平氏は、なんとまだ現役の大学生。「高校生の時に都築響一さんの『珍日本紀行』で秘宝館の存在を知って、ずっと憧れてて。20歳の誕生日を待ってすぐに伊勢の国際秘宝館に行った(直後に18歳で入場可能という事実が発覚)」という、今どき生真面目な好青年である。

 「僕、アダルトビデオが嫌いなんですよ。イメージではなく、行為そのものじゃないですか? あれが現代人の想像力を奪ってるんじゃないかと。その点、考えうるかぎりの性のイメージを具現化した秘宝館にはアイデアと想像力が爆発してる。ノスタルジーではなく、ものすごいパワーがあるんです」。彼自身、そんなDTパワーでイチから全国の秘宝館と交渉。「やるならちゃんと勉強しろ」という国際秘宝館の松田社長(DVD本編にも登場)の言葉を受けて、秘宝館の文化的ルーツや社会背景もイチから勉強し、ハンディカメラ片手に電車やバスを乗り継いで、全国の秘宝館を単身ビデオに収めて廻ったそう。

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◇DVD「昭和聖地巡礼~秘宝館の胎内」。「秘宝館は猥褻か?」という森達也ばりのシリアスな問題定義とキッチュな遊び心あふれる造りが絶妙。オフィシャルサイト(→ こちら)やアマゾンなどでも購入可。

 とにかく〈動いてる秘宝館(not写真)〉が見られるというだけで、モノスゴイ価値があるわけで。そのビザールな造形世界は、石井輝男や増村保造の映画をも彷彿させるものだが、加えて、個人的には伊香保珍宝館ガイドの〈チン子さん〉に衝撃を受けてしまった。チンマン用語のオンパレードによるセクハラ必至のマシンガン・トークは、もはや下ネタを超えた、幻の名盤解放同盟のビデオや小沢昭一の「日本の放浪芸シリーズ」なんかにも通じる名人芸。彼女自身が〈幻〉にならないうちに〈いじられ〉にいかねば、とチン子詣でを心に誓った次第です。

 さて、そんな「昭和聖地巡礼」。好評を受けて、ついに京都メトロ大學での講義が実現。この日は上映に加えて、本欄ではおなじみ、ロック漫筆家の安田謙一さんと「消えゆくニッポンの秘宝館」著者で東海秘密倶楽部(→ サイトはこちら)の舟橋蔵人さんをゲストに迎えてのスライド&トークショウも決定。さらには、DVDのサウンドを手掛けた京都のバンド、ピーポーインザプラネッツの生ライヴもアリとのことで、お題にふさわしい、カオティックな夜となりそうです。

■「メトロ大學:秘宝館映画「昭和聖地巡礼~秘宝館の胎内」発売記念イベント
日時:3月21日(金)18:00 open/18:30 start
講師:笹谷遼平監督  ゲスト:安田謙一/ 舟橋蔵人
LIVE:ピーポーインザプラネッツ
料金:1,500円(1ドリンク付)
チケット予約:info@metro.ne.jp
・文中に登場したアーティストの作品を紹介
「昭和聖地巡礼~秘宝館の胎内」
07年8月に発売されたDVD「昭和聖地巡礼~秘宝館の胎内」
「ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 東日本編」
都築響一の珍スポット探訪記「ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 東日本編」
「ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 西日本編」
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