No.182 あらゆる意味で「ありえねー!」キングジョーの手描きジャケ画集
今年の年末年始は風邪で撃沈。カウントダウンにも行けず、酒も飲めず、ひたすら家でテレビ三昧でした。地味ですね……。そんな中で唯一のお楽しみが、元旦恒例の新年会。ちょうど数ヶ月前に初の画集「SINGLES GOING STEADY」を発売したキングジョーとも、なんだかんで1年ぶりの再会となりました。
さて、この「SINGLES GOING STEADY」とは、シングル盤の無地スリーブに「DJのとき目印になるよう」メモ代わりの手描きジャケを施したもの(を、盤込みの画で冊子化したもの)。とにかく現物を手に! と言いたいところですが、いまいちピンと来ない人はまず、映画館に掲げられた手描き看板を思い浮かべてみてください。
オリジナル(レコード)への過剰な愛ゆえの、限りなくオリジナル(レコード)に近い模倣、ゆえのオリジナリティ。この歪んだ構図は、キングジョーという作家のひとつの本質という気もします。あるいは、複製芸術に魂を吹き込んだ??という意味では、レコードをかけながら自ら熱唱する、秘密博士のDJプレイにも通じるかも?
ちょうど1年前に同じ場所で、キングジョーから見せられた原画が(本コラムNo.131 参照)こんな立派な本に……と思うと、感慨もひとしおですが、一方で、何の予備知識もなく手にした人の困惑を思うと、それはそれでものすごーくうらやましい。願わくば、異国の本屋かレコード屋で異国人として、偶然この本を発見して「何やこれ!?」 と叫んでみたい。「あり得ないものが存在する」驚異や戸惑いや喜び。それこそがモノ作り(あるいは、モノに出逢う)の醍醐味だから。
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