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井口啓子の西日本ロック紀行

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No.182 あらゆる意味で「ありえねー!」キングジョーの手描きジャケ画集

2008/01/09 | タグ:

Text: 井口啓子(SUPER!)

 今年の年末年始は風邪で撃沈。カウントダウンにも行けず、酒も飲めず、ひたすら家でテレビ三昧でした。地味ですね……。そんな中で唯一のお楽しみが、元旦恒例の新年会。ちょうど数ヶ月前に初の画集「SINGLES GOING STEADY」を発売したキングジョーとも、なんだかんで1年ぶりの再会となりました。

キングジョー
◇奥付けの本人プロフィールより。この写真がまたガイジンからナゾを呼びそうな…。巻末には本人による全作品解説に加え、ロック漫筆家の安田謙一氏との対談あり。

 さて、この「SINGLES GOING STEADY」とは、シングル盤の無地スリーブに「DJのとき目印になるよう」メモ代わりの手描きジャケを施したもの(を、盤込みの画で冊子化したもの)。とにかく現物を手に! と言いたいところですが、いまいちピンと来ない人はまず、映画館に掲げられた手描き看板を思い浮かべてみてください。

 オリジナル(レコード)への過剰な愛ゆえの、限りなくオリジナル(レコード)に近い模倣、ゆえのオリジナリティ。この歪んだ構図は、キングジョーという作家のひとつの本質という気もします。あるいは、複製芸術に魂を吹き込んだ??という意味では、レコードをかけながら自ら熱唱する、秘密博士のDJプレイにも通じるかも?

キングジョー
キングジョー「SINGLES GOING STEADY」の1ページ ※amazonの商品ページで他にも数点見ることができます

 ちょうど1年前に同じ場所で、キングジョーから見せられた原画が(本コラムNo.131 参照)こんな立派な本に……と思うと、感慨もひとしおですが、一方で、何の予備知識もなく手にした人の困惑を思うと、それはそれでものすごーくうらやましい。願わくば、異国の本屋かレコード屋で異国人として、偶然この本を発見して「何やこれ!?」 と叫んでみたい。「あり得ないものが存在する」驚異や戸惑いや喜び。それこそがモノ作り(あるいは、モノに出逢う)の醍醐味だから。

キングジョー関連の商品を紹介
「SINGLES GOING STEADY」
07年10月に刊行された、キングジョー初の画集「SINGLES GOING STEADY」
「SOFT,HELL!悪魔のティーンエイジブルース」
02年に刊行された、キングジョー監修のガレージ・ガイド本第二弾「SOFT,HELL!悪魔のティーンエイジブルース」
「SOFT,HELL!ガレージパンクに恋狂い」
99年に刊行された、キングジョー監修のガレージ・ガイド本第一弾「SOFT,HELL!ガレージパンクに恋狂い」
キングジョーの画集と同名タイトルのバズコックスのベスト盤『Singles Going Steady』

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