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井口啓子の西日本ロック紀行

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No.157 夢のペットガール・サウンズ、Americo

2007/07/11

Text: 井口啓子(SUPER!)

 2007年の日本で女の子とロックが恋に落ちたら、キュートではすっぱなペットガール・サウンズのできあがり。クララサーカス、ビーイング・ビューティフル、レスト・オブ・ライフ……といったバンドで、ギターを手にステージに立ち続けてきた西岡由美子さん率いるAmericoのニューCD-R『Pet Girl』は、そんなごくありふれたガール・ミーツ・ロックンロールの奇跡(軌跡)だ。

Americo『Pet Girl』
◇あなたのおそばに一枚いかが? と微笑むペットガール。現在、円盤で発売中。どなたでも通販で購入できます

 50~60年代のオールディ―ズからビーチ・ボーイズまで、アメリカの古き良き原石を散りばめたサウンドは、どこを切ってもカラフルで甘くて、工場で大量生産されたキャンディみたい。それらはかつて夢や幸福の象徴だったが、今では店の隅っこで埃を被り、甘酸っぱい郷愁を漂わせている。

 ロックンロールやあらゆるポップ・カルチャーを愛する人間なら、誰しも多かれ少なかれ、アメリカという国に対して夢のようなものを抱いたことがあるに違いない。それが完腐なきまでに打ち砕かれてしまった911以降の今、ペットガールは夢の残骸を手に私だけのお城を作った。オモチャで遊ぶ子供のように無邪気に、世界を創造するように。Americoは、アメリカに誰よりも深い愛憎を抱く女の子のひとりぼっちの革命であり、〈ロックの赤ちゃん返り〉なのです。

・文中に登場したアーティストの作品を紹介
Americo『Pet Girl』
Americoの4曲入り『Pet Girl』(円盤にて発売中)
03年にリリースされた、the rest of lifeのアルバム『live in helshinki』


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