No.107
2006/07/19 | タグ:Bad Stuff ノイズ・マッカートニー・レコード
〈灯台もと暗し〉とは、こういうことなんですね。本コラムにも何度も登場している〈パンク玄米食〉の第一人者、森島映さんが10年前にやってたバンド、Bad Stuffのアルバム『僕らは電気の原始人』が今月26日、いよいよ再発されます。リリース元はくるりのレーベル、ノイズ・マッカートニー・レコード。実はこのBad Stuff、地元・京都のライヴハウス以外ではほとんど無名のまま解散したものの、くるりのメンバーが多大な影響を受けたという伝説のバンドで、ノイズ・マッカートニーとしてもきちんと紹介したくてずっと再発のタイミングを待ち望んでいたそう。かくいう私も当時、名前は知っていながらスルーしてしまっていただけに、やってくれました!という感じ。
聴いてみて、まず想像以上の〈ヒップさ〉に驚愕。UNIT 4やローザ・ルクセンブルグといった京都ニューウェイブの系譜を感じさせながらも、後のミクスチャー・ロックを先取りしたような猥雑かつ骨太なサウンドは、94年という時代ならではのミラクルに満ちみちています。「ゼロイチイチゼロ ゼロイチイチゼロ」といった、語感の面白さのみを追求した荒削りなラップが、また今聴くと新鮮でカッコイイのです 。
それでいて、くるりを筆頭とする後のJ-POPを予感させる、スケール感あふれる歌モノもあり(そのフォーキーな肌触りは森島さんの現在のバンド、AUXに受け継がれている)。ゆったりした生活のリズムや呼吸がそのまま血肉化されたような、独特のバンド・アンサンブルは、京都アンダーグラウンドの豊かな土壌で純粋培養されたバンドだけが持ちうるものでしょう。
初期ソウル・フラワー・ユニオンやボ・ガンボスが好きな人にもオススメ。「アンダーワールドしか聴いたことがなかった人が、初めてクラフトワークを聴いたような衝撃があるはず」という、くるり岸田さんの言葉通り、まさに今こそ聴かれるべき一枚です。
ちなみに私、先日、くるりのメンバーと森島さんの対談に立ち会わせていただきました。ご興味のある方は、ぜひ こちらをご一読あれ。
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