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M.I.A.の問題作に海外メディアは賛否両論!?

2010/07/14 | タグ:

Text:高橋 聡太

M A Y A

アーティスト:M.I.A. , 他
参考価格:¥1,980
価格:¥1,980
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 2010年度最大の話題作として、ここ数か月間に渡ってさまざまなメディアを賑わせていたM.I.A.のニュー・アルバム。待望のリリースから数日が経過してお祭り騒ぎも一段落したかと思いきや、今度は本作の内容が各所で毀誉褒貶の嵐を呼んでいます……!

 リードトラック“Born Free”の過激なPV、それを削除したレコード会社やYouTubeへの噛みつきっぷり、『/\/\ /\ Y /\』と書いて〈MAYA〉と読ませる謎のタイトル(以下はMAYAで統一します)、FacebookやGoogleへの唐突な非難、ジャーナリストの携帯番号さらし、などなど……。枚挙にいとまがないぐらい、リリース前から多くの物議を醸したM.I.A.のサード・アルバムですが、下馬評の加熱っぷりは今も冷めやらず、海外の各メディアでは本作をめぐる賛否両論が相次いでいます。まずは、最も細かく彼女の動きを追いかけていた〈Pitchfork〉から。

Pitchfork: Album Reviews: M.I.A.: MAYA - 4.4/10.0

 〈Pitchfork〉による10点満点方式の辛口ディスク評は、海外のインディー系音楽メディアのなかでは最も影響力があるもののひとつ。カッティング・エッジな音楽を求めるリスナーの間で一目置くべきバロメーターとして定評を得ています。M.I.A.に関しては、ファーストの『Arular』に8.6点、続くセカンド『Kala』に8.9点という高得点をつけていましたが、今回はまさかの4.4点。逆ダブル・スコアとでも言うべき急落っぷりです。気になるレヴュー本文では、ややあざとさも感じられるPR作戦について苦言を呈した後、「傑作に化けそうなアイディアの種は見受けられるが、トラックのクオリティーがデモ音源の域を出ていない」という厳しい評価を下しています。シングルとなっているこの曲についても、〈未完成っぽい〉の一言でバッサリ。

M.I.A.“XXXO”※オーディオのみ

 本作に噛みついているのは〈Pitchfork〉のみならず、〈Consequence of Sound〉などは星5つが満点のところを、星1つという酷評っぷり。「3年間大好きでつきあい続けてきたガールフレンドと別れるような気分だ」という書き出しからしてすごいのですが、これまでのM.I.A.が如何に素晴らしかったかを語り尽くした上で、軽薄になってしまったラップや、安直なサウンド・プロダクションを痛烈に批判。最終的に「絶対に何かの間違いだ」とまで言い切ってしまうほど。

 もちろん、否定的な意見ばかりが寄せられているわけではありません。続いては世界最大手のロック誌、「Rolling Stone」によるディスク・レヴューをご紹介。

Rolling Stone: Music Review: Maya by M.I.A. - ★★★★

 こちらは星5つが満点のところ、4つの高評価。ジャングル・ビートを持ちこんだ前2作から、一気にエレクトリックな方向へシフトしたM.I.A.の試みを絶賛し、前作からのヒット曲“Paper Planes”でクラッシュの“ Straight to Hell”をサンプリングしていたことを踏まえて「ジョー・ストラマーはきっと彼女のことを誇りに思うだろう」と結論づけています。ここで一息、なんとなく両者の間をとって(?)、トム・モレロとブーツ・ライリーが率いるこのバンドによるカヴァーをどうぞ。

Street Sweeper Social Club“Paper Planes”

 他にもいくつかの大手メディアが好意的な声を上げており、〈Billboard.com〉も本作におけるサウンドの大胆な変化を「宇宙の彼方に飛び出した」というユニークな比喩で表現していたり。しかしその一方で、「粗っぽく詰め込まれたサウンドがヴォーカルを押しやっている」との指摘もあったり。

 まだ他にも沢山の意見があるので一概には言えませんが、とにかく辺境系の音使いがここに来て激変したことに、この両極端な評価の原因があることに間違いはなさそうです。さらに、これまで彼女をメインに支援してきたはずの新興ウェブ・メディアがわりと厳しいことを書いていて、逆にそれなりに歴史のある雑誌などの媒体がM.I.A.の擁護にまわっている……という構図から、過激な発言とは裏腹に彼女の立ち位置がわりと予定調和のコンサバなものとして扱われるようになってしまったのでは、という印象も受けます。まだアルバムを聴いていないリスナーのみなさんも、ぜひ作品をチェックして真偽のほどを確かめてみては如何でしょうか。お別れは、そんな彼女の最新スタジオ・ライヴ映像で!

M.I.A.“Born Free”7/13 Letterman

関連サイト

M.I.A. オフィシャルサイト

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