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Look Back 90s:!!!もカヴァーしたバリトン電子ポップ・ロマンチスト、The Magnetic Fields

2011/09/05

Text: 佐藤一道
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 毎週一組、「そういえば、これよかったよね」と思える90年代の名バンドをご紹介するこのコーナー、今週は90年代のレア曲コンピ『Obscurities』リリースを記念して、素朴なエレクトリック・サウンドに乗せてロマンティックな禁断の(?)愛を歌い続けてきたマグネティック・フィールズの90年代を振り返ってみたいと思います。


The Magnetic Fields
(属性:シンセ・ポップ、フォーク、ノイズ・ポップ)
出身:アメリカ
活動:1989-present
知名度:★★★☆
ルックス:★★★
音楽性:★★★★☆
備考:約20年に渡り、独特のバリトン・ヴォイスと簡素でどこか奇妙なシンセ・サウンド、時に甘くロマンティックで、時に残酷で辛辣な歌詞から成る電子ポップを奏で続けている。3枚組の大作やサイド・プロジェクトなど、様々なサウンド・アプローチやコンセプトをとりつつも、〈ラヴ・ソング〉というテーマは一貫して不変。


 今回の主役、マグネティック・フィールズはステフィン・メリットがボストンにてはじめた音楽プロジェクト。スーザン・アンウェイや長年の友人となるクラウディア・ゴンソン(極初期のピクシーズでドラムを叩いたこともあるとか)らをメンバーに迎え、イギリスのインディ・レーベル、レッド・フレイムから91年に『Distant Plastic Trees』でアルバム・デビューを果たします。翌年にはセカンド・アルバム『The Wayward Bus』を発表。共にスーザンの歌声をフィーチャーした素朴な電子ポップを奏でておりました(ちなみに、ジャケット・カヴァーのイラストをプリファブ・スプラウトのウェンディ・スミスが手がけてたりします)。では、デビュー作から“100,000 Fireflies”をお聴きください。


The Magnetic Fields - 100,000 Fireflies


 しばらくして、スーザンがバンドを脱退。その後はステフィン自身がヴォーカルをとるようになりますが、彼のバリトン・ヴォイスは後にバンドの音を特徴付け、大きな魅力のひとつとなりました。94年には2枚のアルバム『Holiday』、『The Charm of the Highway Strip』をリリース。この2枚で、アメリカ郊外のどこか歪んだ風景を描いたフォーク・ソングを、イギリス発のロマンティックなシンセ・ポップで淡くまぶしたかのような「マグネティック・フィールズ節」ともいえる個性(今のチルウェイヴ勢にも通じるサウンド)が確立されました。では、この時期の楽曲から“Take Ecstasy With Me”、“Born On A Train”そして“Love Goes Home To Paris”をお聴きください。


Magnetic Fields - Take Ecstasy With Me


Magnetic Fields - Born On A Train


The Magnetic Fields - Love Goes Home To Paris


 95年にはアルバム『Get Lost』をマージ・レコードからリリース。また同じ年には1曲毎にヴォーカリストを迎えたThe 6thsというプロジェクトで『Wasp's Nest』というアルバムも発表。どちらもソングライターとしてのステフィンのポップな才能が一層の冴えを見せている作品です。では、『Get Lost』から“You And Me And The Moon”、『Wasp's Nest』からアンナ・ドミノのヴォーカルをフィーチャーした“Here In My Heart”をお聴きください。


The Magnetic Fields - You And Me And The Moon


The 6ths - Here In My Heart


 その後、フューチャー・バイブル・ヒーローズやゴシック・アーチーズといったサイド・ユニットの作品をリリースしていきますが、マグネティック・フィールズとしては4年のブランクの後、99年にCD3枚組というヴォリュームのアルバム『69 Love Songs』を発表。これはタイトルどおり69曲もの〈ラヴ・ソング〉をCD3枚に渡って収めるというコンセプチュアルな大作でした。サウンドもシンセ・ポップから様々な楽器をフィーチャーしたものまでヴァラエティに富んでいます。ステフィンの作曲家/作詞家/ヴォーカリスト/アレンジャー、そしてロマンティスト(ほんのりとホモセクシュアルな香りも)としての才能が爆発した、それまでの10年間の音楽活動の集大成ともいえる作品で、高い評価を受けました。ではこのアルバムから2曲お聴きください。


Magnetic Fields - The Book Of Love


Magnetic Fields - I Think I Need A New Heart


 2000年代以降はノンサッチに移籍して、シンセを用いないアルバム『i』(2004年)、『Distortion』(2008年)、『Realism』(2010年)を発表していきます。さらに、数々のサイド・プロジェクトの新作やソロ・アルバムをリリースするなど、彼の創作意欲は一向に衰えを見せません。また、つい先日には『69 Love Songs』以前に録音していた過去の未発表音源やシングルB面曲を集めたコンピレーション『Obscurities』がマージ・レコードらリリースされたばかり。ちなみに、ステフィンによれば「次のアルバムはシンセを用いたアルバムになる」とのこと。約20年に渡って独特の低音ヴォイスで様々な愛をささやき続けてきた男ステフィン先生の次回作にご期待ください! というわけで、最後にマグネティック・フィールズの96年と2008年のライヴの模様とスーパーチャンク、!!!、アーケイド・ファイアーによるマグネティック・フィールズのカヴァーをお聴きください。


Magnetic Fields-All The Umbrellas In London-Live 3/1/1996 Philly


The Magnetic Fields -- "The Book of Love" Live


Superchunk- 100,000 Fireflies


!!! chk chk chk - Take Ecstasy With Me (Magnetic Fields cover)


arcade fire - born on a train


関連サイト

マグネティック・フィールズ 公式サイト


Obscurities


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