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SUMMER SONIC 2008 大阪ライヴレポ その1 THE VERVE&DEATH CAB FOR CUTIE

2008/09/03 | タグ:

Summer Sonic 2008
(c)SUMMER SONIC 08 All Rights Reserved.
Text:安永 和俊

 8月9日(土)と8月10日(日)に行われた、都市型フェス〈SUMMER SONIC 08〉。速報的にお伝えした、大阪公演のレポート(→ こちらです)に続きまして、印象に残ったアクトの様子を細かくレポートいたします。第一回目は、USオルタナ界の最重要バンドの1つデス・キャブ・フォー・キューティーと、奇跡の再結成を果たしたUKロック・バンド、ヴァーヴの2組です。

■DEATH CAB FOR CUTIE@SONIC STAGE 8月10日 17:15~

DEATH CAB FOR CUTIE
(c)SUMMER SONIC 08 All Rights Reserved.

 サマーソニック大阪レポート、初回は8月10日のソニック・ステージに登場した、USオルタナ・シーンの人気バンド、デス・キャブ・フォー・キューティーです。メジャー・レーベルから2作目となる最新作『Narrow Stairs』も大ヒットしている彼らのライヴは、バンドの静と動を感じさせてくれるものでした。

 歓声と共に登場したメンバーの、あまりにアメリカの大学生っぽい佇まいに拍子抜けしながらも、新作『Narrow Stairs』でも冒頭を飾っている“Bixby Canyon Bridge”が1曲目に始まると、そこにいるのは、まぎれもなく現在のUSオルタナ・シーンを代表するバンドの4人。広々としたインドアのステージの空間が、一瞬にして彼らが幾度となくプレイしてきたであろうライヴハウスの雰囲気へと変わっていきます。

 新作発売直後ということで、新作からの曲が多めなのかと思えば、2曲目には2003年のアルバム『Transatlanticism』収録の“The New Year”、さらに2001年の『The Photo Album』から“Why You'd Want To Live Here”、前作2005年の『Plans』から“Crooked Teeth”や、“Soul Meets Body”など、過去の作品からもまんべんなく取り上げたベストなセットリスト。がっちりとしたリズム・ラインを作り出すベースのニックとドラムのジェイソンが静だとしたら、そのリズムの上を、自由に動き回るギターのクリスと、ヴォーカルのベンは、まさに動。その2つがかみ合い、音のレイヤーを構築していく様は圧巻で、ことライヴではそのダイナミックさがダイレクトに伝わります。

 個人的なハイライトは、途中「ラヴ・ソングは好きかい?」と披露された『Plans』からのアコースティック・バラード“I Will Follow You Into The Dark”(大阪のみの演奏だったよう)。他のメンバーが温かく見守る中、ベンの弾き語りで演奏された曲は、優しさを感じさせ、いい曲を、ただそのままに素直にプレイするということが、こんなにも人を感動させるんだということに気づかされます。またここでも、ライヴの途中に静かな弾き語り曲を持ってくるという、静と動を盛り込んだステージングにバンドの懐の深さを感じました。ラストは、名曲“Transatlanticism”で、コーラスの〈so come on, come on〉の大合唱で終了。前回2005年のサマソニでのライヴも見ていますが、それと比べると、大きな成長を遂げたバンドの姿を見せてくれた彼らの今回のライヴに、USオルタナ・シーンの良心を感じた気がしました。

DEATH CAB FOR CUTIE セットリスト
01. Bixby Canyon Bridge
02. The New Year
03. Why You'd Want To Live Here
04. Crooked Teeth
05. Long Division
06. Title And Registration
07. I Will Follow You into the Dark
08. I Will Possess Your Heart
09. Cath...
10. Soul Meets Body
11. The Sound Of Settling
12. Transatlanticism

●DEATH CAB FOR CUTIEの作品を紹介
今年5月にリリースされたアルバム『Narrow Stairs』
05年にリリースされたライヴ&ドキュメントDVD「Drive Well, Sleep Carefully」
05年にリリースされたアルバム『Plans』
03年にリリースされたアルバム『Transatlanticism』

■THE VERVE@OCEAN STAGE 8月10日 18:15~

Summer Sonic 2008
(c)SUMMER SONIC 08 All Rights Reserved.

 サマーソニック2008、大阪2日目の夕暮れ時のメインとなるオーシャン・ステージに登場したのは、奇跡の再結成を果たした90年代UKロック・バンド、ヴァーヴ! 約8年ぶりの再結成&初来日となるステージは一体? と集まった大勢のファンの前で彼らが披露したのは、大物ベテラン・バンドの底力を感じさせる感動のライヴでした。

 会場に吹き付ける海風も涼しくなった夕方6時過ぎにバンドが登場。オープニングのSEに続き、1曲目に演奏されたのはセカンド『A Northen Soul』からのシングル“This Is Music”、続く『Urban Hymns』からの“Sonnet”で、すでに会場は彼らの音世界に包まれ、彼らのサウンドがメイン・ステージの空間に広がっていきます。

 そしてなんといっても圧巻なのが、フロントマン、リチャード・アシュクロフトのロック・スター然とした佇まい。黒のジャケットの下に白いVネックのTシャツ、そしてジーンズにサングラスというシンプルな出で立ちの彼が、そこにいて声を発するだけでオーラが漂い、仲のよいオアシスのリアム・ギャラガーに並ぶであろうカリスマ性を見せつけており、かっこいいの一言。この貫禄は新人バンドには出せません。

 ライヴでは、ヒット曲“The Drugs Don't Work”や、“Lucky Man”などを披露。また、唯一新曲として、9月3日に発売される新作『Forth』から“Sit & Wonder”もプレイ(東京では、最新シングル“Love Is Noise”もラストに演奏したそう)。そしてラストは名曲“Bitter Sweet Symphony”。イントロのフレーズが流れてくるだけで、一気に会場に高揚感が音の波となって満ちてゆくのが分かります。振り返れば暮れてゆく美しい夕焼けの空に月も浮かび、最高のシチュエーションでの最高の一曲。筆者にとっても、当時から何度となく聴いてきた思い入れのある一曲だけに、ある意味最もフェスらしい瞬間に感動し、自然と涙があふれます。

 8年というブランクをものともせず、また再結成だからとノスタルジックに陥ることなくバンドの未来を感じさせた今回の力強いステージ。再結成は今回限りという報道もありますが、新作もすでに発売されたイギリスでチャート1位を記録する中、「ぜひまた観たい」そう強く思えるライヴでした。

THE VERVE セットリスト
01.This Is Music
02.Sonnet
03.Space And Time
04.Sit & Wonder (new song)
05.Life's An Ocean
06.Rolling People
07.The Drugs Don't Work
08.Lucky Man
09.Bitter Sweet Symphony

●THE VERVEの作品を紹介
8月にリリースされた、11年ぶりのアルバム『FORTH』
04年にリリースされたシングル集『This Is Music - The Singles 92-98』
97年にリリースされたアルバム『Urban Hymns』 Futuer』
95年にリリースされたアルバム『A Northern Soul』

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