OOPS! - Music Community | ウープス・ミュージック・コミュニティ

J-POPからコアな洋楽まで。リスナーによるリスナーのための音楽サイト


特集・コラム
その他のテキスト

特集・コラム Powered By Movable Type

〈サマソニ2011〉大阪公演:駆け足レポート

2011/08/23

Text: Yasunaga

 去る8月13日と14日に行われた国内最大規模の都市型フェス〈SUMMER SONIC 2011〉。ここでは、数多くの人気アクトが出演した今年のフェスティヴァルの大阪会場での2日間にわたる駆け足レポートをお届けします!

●8月13日(土)

 例年のごとく最寄駅となるJR桜島駅には、快晴の日差しがまぶしい天気の中、今年も数多くのフェス参加者が溢れます。今年は舞洲〈SUMMER SONIC〉特設会場へのシャトルバスが有料となり、またこの桜島からではなくコスモスクエア駅も同じくシャトルバスが出ているということで混雑は予想したほどではなく、事前にチケットを購入していた筆者は30分程度でスムーズにバスに乗れ、会場へ。それでも当日のバス・チケット売り場には長蛇の列ができていたので、来年以降参加される方は事前のバス・チケット購入がおすすめです。

 リスト・バンドを交換して舞洲会場へ。遠くからメインとなる〈OCEAN STAGE〉からの音が聴こえてきて、がぜんテンションが上がります。今年の大阪会場はステージ数がぐっと減ってしまい、〈OCEAN STAGE〉〈MOUNTAIN STAGE〉、屋内の〈SONIC STAGE〉の3ステージのみ。アクト数は減ってしまいましたが、逆に言えばコンパクトにまとまり、ハシゴもしやすい状況です。とりあえずはフェスの雰囲気を味わおうと〈OCEAN STAGE〉のトップ・バッター、ネオン・トゥリーズへ。キラーズの前座を務めたことから注目を浴びた彼らですが、音はかなり骨太。メロディーもコーラスもしっかりしていて、朝早くから集まった観客を沸かせます。個人的には紅一点のドラマーの女性のパワフルなパフォーマンスが気に入りました。

 が、ちょっと外に立っているだけでもう汗が噴き出してきたので、いったん屋内の〈SONIC STAGE〉へ。ちょうど登場したのが、昨今のカリフォルニア勢でも人気のバンド、モーニング・ベンダーズ。3ピースでひとりがメインにキーボードという変則編成ながら、ネオ・サーフ・リヴァイヴァルと評されるそのサウンドは、ちょっと80'sっぽさも感じさせなかなかの聴きごたえ。途中新曲も織り交ぜ、ヴォーカルのクリス・チューが日本語でMCをするなど、ステージ慣れしたパフォーマンスに自然と耳と目が向きました。

 そしてそのまま〈SONIC STAGE〉で今日見たかったアクトのひとつ、ディアハンターへ。ローディーを連れてきておらず、メンバーが機材をセットして、そのままなし崩しにステージが始まってしまうという、これぞインディーという感じでしたが、いったんパフォーマンスが始まればそこはもう彼らのフィードバック・ギターと美メロに支配された音世界。ギター・サウンドの中を泳いでいるような浮遊感が感じられ、またそのギターがノイズになる一歩手前のキラキラ感を保っていて、気がつけばフェスの会場にいることを忘れるくらい彼らの音に没頭できるステージでした。ぜひまたフルセットのライヴを見たいと思わせてくれました。しかしヴォーカルのブラッドフォード・コックスは細かった!

 ディアハンターを見終わってちょうどお昼時になったので〈OASIS AREA〉へ移動し、昼食へ。フェス飯も楽しみの一つです。ご飯系から麺類、焼きものと今年も数多くのお店が並んでいますが、例年食べるのが定番のロコモコ丼。今年も美味しかったです。ビール片手に、メインから流れてくるパニック・アット・ザ・ディスコを聞きながらしばし休憩。長丁場のフェスは体力配分もポイントです。

 昼食後はまた〈SONIC STAGE〉に戻り、再結成ポップ・グループを。まさかこの2011年に彼らを、この〈サマソニ〉で見れるとは、と期待半分不安半分だったのですが、開けてみればこれが驚きのステージング。マーク・スチュワートの咆哮をメンバーが全力の演奏で支え展開する、パンク・ロック、フリー・ジャズ、ダブを縦横無人に行き来する彼らのポストパンク・サウンドは、30年以上が経った今でも全く色あせておらず、間違いなく今年見たライヴの中でもベスト・アクトのひとつと言える圧巻のパフォーマンス。こうした驚きもフェスの楽しさのひとつでしょう。ラストの名曲“We Are Time”を演奏する前に「また35年後に戻ってくるよ」と言っていたマークですが、そんなに長くは待てないので、ぜひまた早く日本に戻ってきてほしいものです。

 ポップ・グループの衝撃が冷めやらないなか、続いてはこちらもヴェテラン組のP.I.Lを見に本日初めての〈MOUNTAIN STAGE〉に。ここは少し高台にあって夕方前のこの時間になると海風が心地いいです。〈サマソニ〉でジョン・ライドンを見るのは、セックス・ピストルズ以来。今回はどんなステージをと思えば、こちらもブランクを全く感じさせないパワフルなパフォーマンス。時に観客を煽りながら、これがフロントマンだといわんばかりに叫びを上げるライドン、彼の中ではまだまだパンクもポスト・パンクも、そしてなによりロックが終わっていないのだと感じさせるステージでした。ラストは“Death Disco”“Rise”“Open Up”と怒涛の展開。なんというか今年の〈サマソニ〉は、こうした70年代、80年代から活躍するヴェテラン勢の活躍が印象深かかったと思います。

 そして待ちに待った〈MOUNTAIN STAGE〉のヘッドライナー、プライマル・スクリームへ。東京は前日の〈SONICMANIA〉への出演でしたが、大阪は〈サマソニ〉本編に登場。今回は91年の名盤『Screamadelica』の完全再現ライヴを行うということで、がぜん注目度も高まります。筆者は当時彼らのサウンドに衝撃を受けた世代なので、今回の〈サマソニ〉で一番見たいアクトでした。遠くにメイン・ステージのX JAPAN“紅”が聴こえるなか(被らなければ彼らも観たかった!)、ボビー・ギレスビー率いるバンドが登場し、1曲目はもちろんアルバムと同じ“Movin' On Up”。もうそこからは、“Don't Fight It, Feel It”“Higher Than The Sun”“Damaged”といったアルバム収録の名曲の目白押し、スクリーンには現代美術家で彼らのアート・ワークも担当していたジム・ランビーのヴィジュアルが映し出され、ダンスとインディー・ロックが融合したこのアルバムのサウンドのトリップ感を煽ります。本篇ラストは“Loaded”から“Come Together”へ、アルバムを象徴するトラックを繋ぎ、まさに完全再現とうたうに相応しいパフォーマンス。奇しくも東京では彼らが在籍していたクリエイションのドキュメンタリー映画が先行上映されていましたが、ステージにあのアルバム・ジャケットの赤いアート・ワークが映し出されると、大阪の観客の興奮も最高潮に。そしてそこからは、アンコール的に“Country Girl”“Jail Bird”そして“Rocks”というヒット曲オンパレード! 気がつけば、最前列近くで踊りまくってしまい完全燃焼。他ステージのヘッドライナーのレッチリもスウェードも観る気力をなくし、このプライマル・スクリームの幸福感を持ったまま初日は終了です。

次のページへ

友達にメールで教える


Sponsored Link

特集・コラム コンテンツ