第22回 やけ×cero対談!
第22回 やけ×cero対談!2011/02/28
今回は1月26日にファースト・アルバム『WORLD RECORD』をリリースされたceroさんにお話を聞きました。
■cero プロフィール
やけのはらアルバム発売おめでとうございます! 素敵な作品でした。
高城&橋本ありがとうございます!
やけのはら評判はどんな感じですか?
高城すごく良いみたいで、友達が喜んでくれているのが嬉しいですね。
やけのはらceroはどんな感じで集まったグループなんですか?
高城橋本君と僕が神代高校っていう東京の都立高校の同級生で、あともう2人の荒内君と柳君が、三鷹高校っていう、同じ学区のまた別の高校で。
橋本武蔵野、多摩とか、みんな東京の西の方出身ですね。
やけのはらバンドを結成したのはいつなんですか?
高城もう6~7年前です。大学に入った頃ですね。最初は3人だったんですけど、後から橋本君が入っていまの4人編成になりました。
やけのはら最初はどんな感じだったんですか?
高城大学生が思う〈実験的〉って感じのバンドでしたね。スリーピースなんですけど、メロコアとかパンクみたいな、いわゆるスリーピース・バンドにはしたくなくて、結構隙間がある……いま考えたらポリスみたいな感じのサウンドを、なんだか一生懸命やってましたね。すごいヘタクソでしたけど(笑)。
やけのはらでも、隙間があるところはいまと遠くないんじゃないですか?
橋本ああ、確かにいまも隙間は多いですね。
やけのはら僕がこのアルバムを聴いておもしろかったのは、「自分の世代の感覚と違うな」って思ったところなんです。みなさん、実際に僕より3~4つぐらい下の世代だと思うんですけど。生楽器による、昔からあるメロディーとか作曲のおもしろさみたいなところと、音響操作の練り込み。その混ぜ方が、自分の世代の感覚と違ってフレッシュだなあと。
高城みんなで意見は出し合ってますけど、音作りをまとめるのは橋本くんです。エンジニアも橋本くんだし。
やけのはら例えば、エレクトロニカってすごくコンピューターに特化した音楽で、そこで鳴ってる音は一度も空気を介してないですよね。生楽器もないし。作曲よりも、音の変調とか編集に重きを置いてる。反対に、1930年代のジャズとかはワンマイクで録っていて、作曲とかその場の音の響きが前に出ている。ceroはその両方を大事にしているように思いましたね。ミュージシャンシップみたいなものと、編集のおもしろさを両方自然と採り入れてる。
僕の世代含め、90年代以降のクラブ・ミュージックの人は、レコードからのサンプリングっていうのも空気感が欲しかったから大事にはしているんですけど、どっちかっていうと空気感とか作曲より、編集とか組み合わせの妙を重視する傾向があると思うんですよ。その辺がceroとは違うなあと。
高城今回は、僕が最初にMTRで作ったデモのラフな雰囲気を残そうってことを橋本くんが意識してくれたんですね。その結果、そういうムードを生んでいるのかも知れないです。
橋本本当にバラ録りして、なるべくクセのない音で録って、後から加工していく、みたいな。
高城めっちゃバラ録りしたね。
やけのはらもっと先輩世代のポップスの人だと、いい曲を書いて録音して終わり、というのが普通じゃないですか。でもいまの「加工したい」という話を聞くと、それプラス何かしたい、という気持ちを感じるというか。
高城むしろ「それプラス何かしたい」がメインかもしれないです(笑)。
橋本そうですね。曲やアレンジも、ライヴをやってきたなかで煮詰まっているので、響かせ方をどうパッケージするかということを今回は考えました。
やけのはらそのバランス面で考えたことはありますか? サジ加減が絶妙だなと思ったんですよ。変に解体しまくってグチャグチャにするわけではなく、要所要所でハッとする感じで、録音のおもしろ味を入れている。
橋本いろんなやり方があると思うんですけど、最終的にひとつこれだけは譲れないっていうのは、ポップな感じだとか、キャッチーさ。それは意識しましたね。
やけのはらポップって難しい言葉じゃないですか……話し始めて10分でポップ論に達してますけど(笑)。ポップをめぐる諸々がceroのフレッシュなところだったり、大事な部分だと思うので、もうちょっと突っ込んでお聞きしたいです。ceroの個々のメンバーが考えるポップの、定義まで言うと大げさですけど……。
高城みんなポップっていう同じ言葉を使いつつ、イメージしているのは違うものですからね。
やけのはらそうなんですよ。ポップ観みたいなのを教えてもらいたいんです。
橋本作曲者はどうですか?
高城そうだなあ、歌謡曲とかポップスは、歌がど真ん中に来て、演奏がその下にあって……っていう形態ですけど、ceroはわりかし、全部をひとつの土俵に上げて、歌も楽器も同じ線上にあるっていう構造にしたかった。歌も透明感のあるものにしたかったので、スーッと、わりかし静かな感じで。ライヴではガンガン歌っちゃって、ヘタクソとか言われるんですけど(笑)。そうすることで長く聴ける作品にしたかったんです。それが、自分なりに意識したポップなのかなあ。
橋本僕は……まだ自分のなかでまとまってないですけど、簡単に言うと、売れそうなアレンジ(笑)。耳残りというか、引っかかるところを作って、出すところを出して、みたいな感じですかね。
やけのはらアルバム全体にノスタルジックな感じがあったんですよ。今のポップの話で言うと、ceroに僕が感じるポップというのは、西野カナとかよりグレン・ミラー楽団に近い。昔はインストのポップスもあったじゃないですか、そういう流れのポップス。曲の雰囲気もオールド・タイミーな音楽に近いものを感じますし。
橋本僕はジャズがすごく好きで。なかでも初期のビッグ・バンドだったり、スタンダードで素朴なものに惹かれますね。
高城僕は、それこそマリア・マルダーとか、アメリカのオールドタイミーな音楽がもともと好きなんです。このアルバムは「都市的だ」と言われるんですけど、その都市のなかに土の匂いを入れたいという気持ちがすごくあって。入曽にむかし住んでいたんですけど、そういう西武線沿線みたいな感じって言えばいいんですかね。いま、やけさんが言ってくださったことは、たぶんそういう土壌から来ているんだと思います。
やけのはら資料にもあったんですけど、郊外感というか、都市よりチョイ田舎の感じというか。西武線って言われて、おっ!って思いましたね。東横線ではないのは最初から感じていたんですけど、中央線か?京王線か?みたいな。
高城あははは。一応、住んでいるエリアで言えば僕は中央線で、橋本くんは京王線。でも僕の思い入れとしては西武線という。入曽って、ここから先は田舎!みたいなところなんですよ。茶畑がそこから先に広がっている、みたいな。そこに2年間だけパッって行ったときの感覚がすごく残っていて、エキゾを感じたんですよね(笑)。
やけのはらエキゾみたいなものも、そういう意味ではテーマですよね。
高城広く見たエキゾですけどね。それこそ、郷愁すらもエキゾとして見ていこうよ、みたいな。手に入らないものをエキゾとしよう、という。
やけのはらそのノスタルジック感=エキゾ、みたいな感覚はわかりますよ。そういうのをおもしろいと思えるところが、メンバーに共通してるんですかね。
高城このバンドを〈Contemporary Exotica Rock Orchestra=cero〉って名付けた時に、お互いのエキゾ感は共有していたと思います。「やりたいことは、自分たちのなかのエキゾなんだ!」って。そこら辺で橋本くんも参加してきて、バンドの方向が定まった。




































