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やけのはらの「気になるアイツ」

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第13回 ZEN-LA-ROCKさんとのお話

2009/11/18 | タグ:

向かって左から、LUVRAW、ZEN-LA-ROCK、やけのはら、Dorian。

――ZEN-LA-ROCKさんが今回BTBさんやLUVRAWさんといっしょに作ったことが唐突に見える人も多いと思うんですよ。繋がりがわからないというか。

ZEN-LA-ROCKそれはよく言われますけど、「だって竹馬の友だもん」ってことなんですよ。俺は、高校を卒業して〈HIPHOP最高会議〉(※3)に衝撃を受けたりしていくなかで、現行のヒップホップが大嫌いになって。そういう時に知り合ったのがLatin Quarterとかだった。彼らの日本語ラップとか日本のダンスホールの聴き方がすごくおもしろかった。

LUVRAWその頃は俺も知らないっすからねえ。

ZEN-LA-ROCKまだLUVRAWくんもいなかったもんね。彼らは先輩で、音楽にめちゃめちゃ詳しいから、俺は何も知らない後ろめたさを感じながら、その背中を追ってたんです。あいつらの家に行くと「Pファンク超ヤバくねえ?」とか言ってるんですよ。酒飲みながら「サザン最高でしょう」ってPV見てたり。当時はオールドスクール(ヒップホップ)に夢中だったし、そういうのが意味わかんなくて「全然良くねえ……気持ち悪い」って感じだったんだけど(笑)。

やけのはらなるほどねえ。俺もZEN-LAさんがLatinさんとかと恵比寿みるくでイヴェントやってたのを知ってるし、そう考えると、こうやっていまLUVRAWくんとかといっしょにやってるのも必然だよね。

ZEN-LA-ROCKそうだよねえ。

やけのはらあと、ウドン君(DJ DONSTA)っていうのも結構キーマンですよね。彼がみるくで〈BASS OF BASS〉をやってたこともデカいでしょ。SDP(SAG DOWN POSSE)もいたしZEN-LAさんも俺もいたし、今でも色々やってる人たちがみんないたんじゃない?

LUVRAW重要だったと思いますよ。あれがなかったら、俺もいま横浜でやってなかったと思いますもん。

――どういうパーティーだったんですか?

やけのはらベース・ミュージックですよね。エレクトロだったり……NYのヒップホップとは違うダンサブルなヒップホップというか。まあ、M.I.A.以前だから全然早かったし、そのノリが受け入れられてたのかはわかんないんだけど。

LUVRAWでもおもしろかったですよ。

ZEN-LA-ROCKダーティーだったよね。ウドン君も竹馬の友の一人で、ヒップホップの研究に人生を捧げてしまった男なんですけど。

LUVRAWウドンさん、前にパーティーでジュノ・リアクターをかけてて。

やけのはらヤバいね(笑)。しかも、ウドン君ってさ「これがB-BOYっしょ」ってノリでそういうことやるんだよね。

ZEN-LA-ROCKウドンがいて、BTBがいて、Latinがいて、脳がいて……そういう人たちに支えられて、いまの俺がいる。「お前いっつも遅えな」って言われてたし、実際にみんなが好きって言ってたものに1年後くらいにハマるんですよ。特にLatinと脳くんの影響は大きいかなあ。彼らのそういう……言葉にするのは難しいけど、ある種のセンスの良さとか、フラットな腰の軽さには本当に憧れていた。マニアックな話ですけど。

やけのはらマニアックっていうか、そういう状況があったのは事実ですからね。2000年前後にその人たちがみるくで、ある種のオルタナティヴなパーティーをやっていて、そこにみんなが集まっていて。

ZEN-LA-ROCKまあそうだね。

やけのはらちょっとDorianもなんか言ってこうよ。彼は実はラッパーだったんですよ。クラブチッタのステージに立ってますから。

ZEN-LA-ROCKだから、次はDorianにラップさせるよ(笑)。別に地声じゃなくたっていいんだからさあ。

やけのはらいや、やってた当時も、結構声を作ってたんじゃないの? 俺の予想だとガラガラした声にしてたんじゃないかと思うんだけど。

Dorianガラガラの方が良いって言われたんですよ。

ZEN-LA-ROCK当たってんじゃねえかよ(笑)。

LUVRAWDorianくんってヒップホップ聴いてるの?

Dorian最近ようやく聴き始めたんですよ。ここ1か月くらい。身近な人のものから。

やけのはらでも、もともとラッパーだったんだから、ある程度は聴いてきたわけでしょ?

Dorian家では全然聴いてないです。なんていうか、ヒップホップの歴史みたいなことにまったく興味がなかったんです。こういう人がいて……みたいな。

ZEN-LA-ROCK俺はそういうことにしか興味なかったけどね。全部覚えちゃって(笑)。

やけのはらでもDorianくんはそもそも、DJ的に何かを掘り下げて聴いて行くことをしないよね。だから、ヒップホップに限らず、そのほかの何のジャンルの文化にも興味ないでしょ(笑)?

Dorianそうですね。

ZEN-LA-ROCKでもそれってある意味天才肌だよね。

やけのはらだし、ミュージシャン肌というか。逆にそういうところの需要はあるでしょ。和音の積み重ねとかわかってるし。

ZEN-LA-ROCK実際に作る曲もそうだしね。メロディーがやっぱ強いし。普通のサンプリングのトラックじゃあ、ああいうのは作れない。俺はDorianのビート聴いてすぐ「これはキャメオにしよう」と思った。“Word Up”っぽくしようって。

Dorian……知らないです(笑)。

ZEN-LA-ROCK“Word Up”知らないんだ!

LUVRAWいやあ、Dorianくんってその辺が超好きな人なんだろうなって思ってたんだけど。

ZEN-LA-ROCK知らなくていいんだよね。感覚でやってるっていう。

やけのはらそこはうらやましいですよ。俺は完全にDJ世代で、若い時は楽器なんかできなくて全然いいと思ってたし。だから、全然違うところを通って来て、違う筋肉のある人って感じで。でも、逆に言うと、ヒップホップ的なビートの強さだったり、クラブ・ミュージック的な感覚をちゃんと持ってるのが良いんだよね。ミュージシャンシップだけでクラブ的なノリがわかんない人なんていっぱいいるわけで。

LUVRAWそこのバランスがすごい良いんだろうなあ。

ZEN-LA-ROCKつっても、Dorianは狙ってそうなったわけではないだろうし。すごいよね。だからいっしょにやってておもしろかった。

(※3)HIPHOP最高会議
 90年代後半に、TPfXこと千葉氏が代々木公園で開催していたイヴェント。多くのオールドスクール愛好家やグラフィティ・アーティストが集い、その後のアンダーグランド・シーンで巻き起こったエレクトロ・ヒップホップ再興熱の下地を作った。

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