第5回 yes,mama ok?『Modern Living』、 TOKYO NO.1 SOULSET『Jr』
2006/12/29 | タグ:mama ok? TOKYO NO.1 SOULSET yes イエス・ママ・オーケー 金剛地武志
こちらのコーナーでは、OOPS!編集部員が、〈10年前にリリースされたCD〉をネタに、思い出話をとりとめもなく話していきます。当時流行ったジャンルや時代を飾ったアーティスト、その他もろもろのキーワードを放り込み、雑談ライクにこの10年の音楽シーンをぼんやりと総括&再検証いたします。
澤田こないだ女子高の文化祭に行ったんですけど、パンフレットに載ってた〈好きなアーティスト・ランキング〉の上位にチャットモンチーが入っていたんですよ。あと美術部の展示に、好きな歌詞をモチーフにしたイラストがあって、それにもチャットモンチーが使われていた。そんなに人気があるとは思ってなかったんで、びっくりしました。
原田またおっさん的な話になって恐縮なんだけど、自分の知らないところで、若い世代にしっかりと受けているものってあるよね。KEN-Uとか、Northern19とか全然知らなかったもの。今でも知らない。
澤田前提になるくらい深く共有してることっていちいち言葉にしないから、接点がない僕らには知る機会もない。それでますます隔絶していくんですよね。まずいなあ。
原田ところで、チャットモンチーは、いつ〈徳島〉って言わなくなるんだろうね?
澤田そんなに徳島をアピールしてましたっけ?
原田永遠に田舎娘のキャラクターっていうのはどう? 田中義剛的なアプローチで。
澤田それはカントリー娘。がいるからいいんですよ。
■yes,mama ok?『Modern Living』
原田最初はこれ。今は芸人をしている金剛地武志がかつてやっていたバンド。解散したわけじゃないみたいだけれど、パーマネントな活動はもうしないっぽいね。90年代中盤〈フリッパーズに続け〉みたいな空気が盛り上がっていたときに活動していたバンドって言ってもいいのかな。ラウンド・テーブルとかアドヴァンテージ・ルーシーとかそういったタイプの。
澤田ロボショップ・マニアっていましたね。彼らはわかりやすく敵視されやすい存在だった。マーケティングをしっかりやって、売れるギターポップのセオリーみたいなものを踏襲したんですよ。それがハードコアなギタポ好きにはこてんぱんに言われたという。
原田「ロボショップ・マニア(苦笑)」みたいなね。で、この人たちの魅力って、〈King Of Nerd Rock〉って言葉にも表れているとおり、オタク特有の自虐だったんだと思うんだ。そこが面白がられていた理由だと思う。小坂明子の“あなた”をファースト・アルバムに2バージョン入れてみるとか、お母さんとの電話を曲にしてしまうとか。ギターポップを掘り下げて聴いていたような人はそういう自虐が好きだったのかな、なんて思った。
澤田僕は全く聴いてませんでしたねえ。文字情報だけで、屈折の末にさわやかな曲をやっているバンドだと思ってたんですけど。そういう言われ方してませんでした?
原田〈全然好きじゃないんだけれど、あえてやってる〉みたいなことでしょ。それはハッタリじゃないかなぁ。
澤田カジくんも昔ポジパンだったことを強調してましたよね。
原田90年代中盤にハッタリかましていた人たちが40歳を超えて、効力がなくなった状態でなにを出してくるのかってことには興味があるけれどね、俺は。そこでまだハッタリをかますのであれば面白いじゃん。
澤田このバンド名は、頭文字をとったらYMOになるっていうことで付けられたんですよね? YMOの呪縛を背負ったバンドってこの頃まで結構いたじゃないですか。その中でも、yes, mama ok?という名前を付けてしまうのは、いろんな屈折を感じさせますね。深読みしてほしい気持ちがあるわけだし。
原田んー、でも内容がYMOっぽいかって言ったら全然そんなことはない。元々打ち込みをやっていたらしいし、世代的に聴いているとは思うんだけれど。YouTubeにアップされている動画は、アルバムに先行して95年に3枚連続リリースされたシングルの1枚目“コーヒーカップでランデヴーって最高よ”だね。男女が掛け合いでヴォーカルを取るんだけれど、歌詞が心情の駆け引きみたいなことを歌っていて、それが練られていた。俺はそこに引っかかったんだと思う。
澤田歌詞が好きだったんですか。
原田今年トリビュート盤が出たりしていたけれど、今yes, mama ok?のことについて言及している人は、音楽だけじゃなくてその部分に関してなにか引っかかりがあるんじゃないかと俺は思う。小沢健二に対して、いまだにもやもやしている人がいるのと同じような感じなんじゃないかな。
澤田へええ。まったくそういうイメージはなかったですね。こういう音楽はわからなかったからなあ。屈折とかひねくれとか、そういうイメージだけしかなかった(笑)。
原田歌詞に対する照れ隠しとして自虐があったのかなという気もするけれど、ファンの人にそんなこと言ったら「違う」って言われちゃうかもね。
澤田今彼らのCDって結構なプレミアがついてるんですよね。エアギター・タレントとしての金剛地武志のピークは終わりつつあるから、再発するなら今ですよ!
























